いつもより上流をスタート
8月22日 “ダウン”リバートレッキング(上級編?)
午前中のPTA草刈りを済ませてMamaが帰ってきたのは11:00をまわっていた。さあ、行こう!僕らはベランダに干したウェットスーツをメッシュダッフルに詰め込んで昨日の装備が積んだままになっているDiscoに乗って宮川へと向かう。
今日はアキヒロ家と夏休み後半恒例の宮川・某支流“ダウン”リバートレッキングだ。お天気は曇り。自宅付近は今にも雨が降り出しそうな感じだけど、宮川方面の空はかなり明るい。楽しい川遊びが期待できそうだ。
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お昼前、待ち合わせ場所のコンビニに到着。
Mamaは隣の釣具屋さんに行きたそうなので、アキヒロ家が到着までの間を釣具屋で過ごす。そこで素敵なヤスを発見したMamaがいかにも欲しそうなので、プレゼントすることにする。ニコニコ顔のMama。光り物やブランドバッグには全然興味がなくて、¥980のヤスを買ってあげるだけで、こんなに喜んでくれる妻を持つ僕は幸せ者である(笑)。
アキヒロ家と一緒にお昼ご飯を調達した僕らは2台のクルマを連ねて某・支流沿いを上流に向かう。今日はちょっと雰囲気を変えていつもの中流部に位置する里山ならぬ里川ではなく、人家のない森の間を流れる上流部に行ってみようということで、山坂道を十数キロ。橋のたもとの広場にクルマを停める。
ここで着替える前にランチタイム。
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岩の上で清流を眺めながらのランチ
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13:00スタート
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清流を眺めながら川の真ん中にある岩の上で食べるご飯は、何か魔法のふりかけが掛かったように美味しいから不思議だ。
「ゴチソウサマ!」と言いつつ、まだ口を動かしながら川遊びを始めようとするMaakun&Koukunを制止して、慌ててウェットスーツに着替えさせ、休む間もなくクルマから装備を河原に運んで準備を始める。
まずは“ダウン”リバートレッキングに欠かせないビニールボート“EXPLORER”号にダブルアクションポンプでエアを入れる。エアが入ったボートを水に浮かべ、そこに防水ダッフル、フロストバッグを積み込み、スローロープとペインターロープを取り付けて準備完了。クルマを下流のゴールポイントに回送して再びスタートポイントに戻った僕らは、既に淵に入って潜ってる子供たちを呼び寄せて下流に向け流れ始める。“ダウン”リバートレッキングのスタートだ。
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我が家、そしてアキヒロ家のリバートレッキングは、NESSYさんがすさみでやってるような川を遡る本格的なものではなく、下り専門のお気楽なもの。
日本語にすると「河童の川流れ」とでも言おうか(笑)、ただP.F.D(ライフジャケット)を身に着けて流れるだけである。流れのない淵を泳ぎ、早瀬では歓声を上げてうつ伏せで流れ、落ち込みは岩をよじ登ってジャンプ!...これが実に楽しい。川遊びの王様と言っても過言ではないのである。
一応ゴールにクルマをデポするけど、どうしてもゴールまで辿り着かなくてはならないわけでもなく、面白い淵があれば、そこで進むのを止めて夕方まで遊ぶのもOK。遊び道具を満載したビニールボートは適当に流しておけば勝手に流れて行ってどこかの淵で僕らを待ってくれてるので、両手も背中も自由...とにかく全てが自由なのが、僕ら流の“ダウン”リバートレッキングというものなのである。
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PFDでプカプカが正統派
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特にシュノーケリングマスクを付けて呼吸を気にせずに2〜30cmの浅瀬を流れに乗って進む時のスピード感溢れるキモチ良さは特筆もの。一度これを体験するとカヌーなんて乗ってられないのである(これ、一度お試しあれ!)
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でも、ビーチマットに乗ってもOK
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もちろんビニールボートもOK(要するに何でもアリ)
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彼女が一年で一番輝く日
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いずみちゃん&Moeちゃん親子もスゴイ殺気だ。
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『Mamaァ〜、なんかいる?』『お願いだから話し掛けないで!』
ただ今回はいつもと違ってかなり流れが強く、小さな滝が連続する上流部ということで少々歩く部分が多い。またビニールボートも滝に突入すると転覆の恐れがあり、ペインターロープを常に握ってスムーズに流れるよう手を加える必要もある。
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常にこの人だけが遅れ気味
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水中ではこんな感じで殺気がビシビシ
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でも、その代わり人間と出会うことは全くない素晴らしいロケーション!
淵の底に潜る人、ヤスで魚を追う人、大岩に登る人、飛び込む人、ビーチエアマットで瀬を下る人、ビニールボートで“なんちゃって”ラフティングを楽しむ人
...流れ下るたびに変化するロケーションの中で、考えうる限り全ての川遊びを思い思いに楽しむ僕ら。擦り傷、切り傷、打撲...遊ぶ中でそんな小さな怪我の繰り返しなんだけど、ゴールするまで痛みさえ感じないほどの楽しさである。
先頭を行くのは、やはり一番元気なMaakun&Koukunのふたりの少年たち。そんなに大したウィルダネスな場所でもないけど、淵を越えるたび、大岩に登るたびに現れる一度も足を踏み入れたことがない未知の景色が眼前に広がる。
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ビニールボートは転覆の恐れがあって常に誰かの手に
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ヨチヨチ歩きの頃から河原を駆け回って育ち、どんな悪路でも決して転倒しないことから“4WDまさみち”と呼ばれたMaakun、同じく乳児の頃から川で河童の英才教育を受けて育てられたKoukun...そんなふたりにとって、この場所は一番輝ける舞台なんだろうな。
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『何かいる?』『アカン!ここは魚が少ない。』
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“なんちゃって”ラフティング(何という表情!)
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明らかに魚飛渓とは水の色が違う淵を立ち泳ぎするMaakun
Mamaの髪型は珍しくおサゲ
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思い返してみれば、小学校高学年の頃って、こういう先の見えない道なき道を行くような冒険がしたくてしたくて...でも川遊びはともかく、たまにこれに近いことをすると『危ない』からってこっぴどく叱られたっけ。
彼らはいいよなぁ、両親公認でこんな遊びができて!すっかり心が12歳に戻ってしまった僕は、現在のMaakun&Koukunにちょっとジェラシーを感じてしまうほどだ。
Azu&Moeちゃんも、そのちょっとシャイで“女の子女の子した”雰囲気を見事に裏切って、果敢に瀬を下り、淵を泳ぎ切る。小さな滝を見ると滝に飛込んでその裏側に入り、ウキャキャキャキャ(笑)。学校じゃ、こういう姿は見せないんだろうなぁ...同級生や担任の先生がこんな姿見たら、驚くに違いない。
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相変わらずふたりのMamaはヤスやタモで魚を狙いつつ川を下る。良く見れば、Mamaの髪型は珍しくおサゲ。ちょっとばかり歳を喰ってるけど、田舎の女子高生風でセーラー服も似合いそう(50mほど離れたら、という条件付きだけど...笑)
『この髪型が一番、漁しやすいのよ。ホントは柔道のヤワラちゃんみたいなのが一番なんだけど、女は捨てたくないし(笑)』
なんと、漁をやりやすくするために髪型も変えてしまう気合いの入れよう!スッゲェ〜...
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小さな滝に入るAzu&Moe
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『滝の裏に部屋があるわよ〜!』
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4:30、アキヒロさんのランカスターが停まってるゴールポイントに到着。
全員がヘトヘトで第三者から見れば遭難者のような風体だろうけど、僕らの心は大満足。
『いいねぇ。』
『ヤッパ、夏はコレですな。』
小さな中州に上がって大人は暖かいコーヒーを、ムラサキクチビルなお嬢様たちには緑茶を煎れて冷えた身体を暖める。家ではエアコンなしではいられないこの季節に震えながら飲む暖かいコーヒー...これは何にも増して贅沢な避暑なんだよなぁ。
暖かい飲み物で身体を戻した後も、まだまだ泳ぎ足りない子供たちをそのまましばらく遊ばせておいて、大人は我が家の屋久島の話、アキヒロ家の北山川ラフティング初体験の話などで盛り上がる。
蜩の声が少し物悲しい晩夏の夕暮れ、宮川・某支流のあくまでも清らかな流れを眺めながら、僕らは時間の許す限り贅沢な休日を楽しんだのだった。
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小魚を追って泳ぐふたり
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水中はこんな感じ
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