8月3-9日 屋久島&九州ツアー
通潤橋の縁に立って手を振る非・高所恐怖症な人たち
長期の休暇はリタイヤまで望めない僕らの大急ぎの屋久島訪問もいよいよ終わり、屋久島を離れる朝を迎えた。魅力的な遊び場目白押しで、あと一日あればなぁ!次の予定をキャンセルして、時間の許す限りここに居たいってのが本音の僕らである。でもあと一日いればさらに後一日、一週間いればさらにあと一週間...天候が目まぐるしく変わり、同じ場所でも訪れるたびにその印象が激変する屋久島なのでキリがないのである。 『屋久島は一日居ればその良さに気付くけど、最低一週間、最高一生過ごさないと本当の良さは解らない。』つまりは屋久島を遊びつくすには永住するしかないってことなのである(そ、それは、ちょっと無理...笑)。 まんまるの猫ちゃんたちを一匹一匹抱いてお別れを告げ、日の出食堂で予約してある登山客用のおにぎり弁当を引き取って、ekワゴンで安房港へ。 9:30鹿児島FT到着。パーキングに停めたDisco(駐車料金は¥4600)に荷物を積み込んで九州道を北へ。桜島SAでサツマイモソフトクリームを食べた後は前回訪れた時にはまだ開通してなかった高速道路を一気に走って熊本入りだ。松橋ICからR218沿いに点在する二俣二橋や霊台橋など江戸時代の石造アーチ橋群に立ち寄りながら通潤橋を目指す。 通潤橋...実はこの日本最大の水道橋は僕にとって、とても思い入れのある橋である。あれは30年近く前のこと、詳しくは忘れちゃったけど、当時の学研の科学だか学習だか?それとも社会の副読本だったか?とにかく、そんな類の本にこの橋が詳しく紹介されていたのだ。写真とマンガで見る通潤橋は、雄々しく美しく気高く...幼い僕の心を強く捉えたのだ。いつかは行って見たい、ではなく今すぐ行きたい!確か、その日に本屋に出かけて国鉄の時刻表を立ち読みした記憶がある。 (でも小学生の僕にとって熊本は宇宙と同じぐらいに遠かった)それから30年。ずっと記憶の片隅に通潤橋はあり続けたんだけど、この通潤橋と肥後の石橋群が紹介された去年のBE-PALを目にして、小学生の時の気持ちが甦った。それで、今回の旅が実現することになったのである。つまり屋久島はオマケ(笑)。今回の旅の大本命は通潤橋なのだ! 13:20通潤橋に到着。 その女優さんが後光が射すほどに美しかったのにも似て、僕は深く感動を覚えたのだった。 ところが、キャンプ場が近づくにつれ空模様が怪しくなり、キャンプ場のゲートをくぐった瞬間にピカッ!ガラガラドッシ〜ン!な雷&ワイパーをHiにしても視界が確保できない夕立(涙)。とりあえずチェックインを済ませてサイトに入ったもののクルマの外には出られない状態。でも、今回の旅行はヤケにツイてる僕らはそこで暗い気分になることもなく、『ま、しゃぁないな。』とiPodで♪ロコローションなんかを聴きながら楽しく過ごす。30分ほどして一瞬空が明るくなり雨が小降りになったタイミングを逃さず4人で協力して10分ジャストで(!)テントとタープを設営(海山の半分以下のメチャ狭いサイトに面食らったけど、美しい芝生サイトだったおかげで雨中の設営でのグチャグチャにならずに済んだ。)ところがタープの下にガダバウトを広げた瞬間にまたドドドドと雨が降り始め濃霧に包まれ始める。 この豪雨ではキャンプ場にいてもしょうがないってことで、ちょっと早めに県境を越えて高千穂へ向かうことにする。
天岩戸神社に向う車窓より 子供の頃から父親に高千穂の神々の話を聞かされて育った彼女、でもこれまで訪れる機会に恵まれなくて『いつかは高千穂』ってな存在だったそうだ。そう、高千穂はともちゃんにとって僕の通潤橋のような憬れの場所なのである。 まずは天岩戸神社に参拝。辺りを包む乳白色の霧がとても神々しい雰囲気を醸し出す。伊勢神宮内宮と同じ天照大神を祀る拝殿(拝殿の向こうには川をはさんで天照大神がお隠れになったという天岩戸と呼ばれる洞窟が存在する。ちなみに伊勢にも同じものがある)に参拝を済ませ、さらに奥へと進むと天安河原への遊歩道が設けられている。天岩戸は禁足地で立ち入ることは出来ないけれど、八百万の神々が集い神議ををされたという天安河原は自由に入れるので、僕らは遊歩道を進む。屋久島とは違う種類の苔に覆われた深い渓谷を15分、眼前に天安河原がその姿を現す。言葉を失う僕ら。不信心な僕でさえ
“霊気”のようなものを感じる場所。生まれて初めての体験である。(祠にはカメラを向けてはいけない...瞬間的にそう感じた)この感覚は文章にするのは難しいけど、何か僕らの力が及ばない存在のようなものを感じたのは確かだ。 (*ちなみに旅を終えてMamaが一番印象的だったのは、屋久島よりもここらしい。ただ、これは渓谷が霧に包まれていたこと、そして観光客がほとんどいない時間帯だったからこそ感じられたのだと思うけど。) 天岩戸温泉で汗を流し、高千穂市街で夕食を済ませた僕らは20:00から執り行われる「高千穂の夜神楽」(国指定重要無形民俗文化財)を見学するため高千穂神社へと向かう。 本来ならば33番の題目を一昼夜かけて演じるんだけど、全部観るのは無理なので、観光客用に「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神躰の舞」の4番だけをピックアップして演じていただける。「夜」の「神楽」と聞いて子供たちが寝てしまわないか心配したけれど、心配無用。神々しさと抱腹絶倒がクロスオーバーで最高に楽しめたのだった。
深い霧に包まれてキャンプサイトの夜は更ける
高千穂峡を漕ぎ上がるMama&Maakunと真名井の滝
蘇陽町といえばブルーベリー狩(笑)
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