大宮町・木の実館で休憩して、元気にペダリング
6月12日 紫陽花サイクリング2004
『そろそろ、アジサイの時期だし、大宮町でサイクリングだよね!』
『明日は“ヘブンスそのはら”よっ!ラビットハウスに子ウサギが20羽だもん、行きた〜い!』
『いや、修学旅行で三十三間堂を見逃したから、明日は京都だぁ!』
折しも台風4号Conson君が通過中。推定風速15m、一時間雨量45mmの暴風雨が窓を叩いてる真っ最中に、我が家は早くも台風一過の土曜日の予定を話し合っていた。(家族の休日は家族みんなの総意で!という建前の我が家。でも最後は『運転するのは誰かなぁ?』という殺し文句でPapaの希望が通ることが多いけど...笑)
takaboo家との宮川DRを翌日に控え、できれば長野県(!)にまでは行きたくない僕。『台風直後のトレッキングが止めようよ、足元滑るしさ。ヘブンストレッキングはもっと暑くなってから避暑にしよっ!』などともっともらしい言い訳をして、雨が止んだら“紫陽花サイクリング“、雨が残ったら“修学旅行復習の旅・京都”ということに決定だ。
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大宮町サイクリングターミナルをスタート
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国道42号線を渡って...
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夜が明けると空は薄曇り。所々に青空がのぞく絶好のサイクリング日和。Discoのヒッチメンバーにドロ−タイトのバイクキャリアを差し込んで、4台のMTBを積込んで9:00過ぎに「あじさいの道」大宮町に向け出発だ。伊勢道からR42、宮川の下見も兼ねて田口大橋から宮川の右岸沿いを上流に向けて走る。今回の台風による最大水位を記録してからまだ4〜5時間だけど、早くも宮川の水は透明度を取り戻しているのには驚きだ。
途中のコンビニで昼食を買い込んで、10:15に大宮町サイクリングターミナル(OCT)に到着。MTBを下ろして数分でサイクリングに出発。
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阿曽から奥河内渓谷・あじさいの道へ
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“花より小魚”なAzu
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去年の“紫陽花サイクリング”みたいに、ふたつの峠越えを含む35.2km標高差360mってな我慢大会は止めにして、今日のコースはOCTを起点に、すでに車両通行止め(自転車は除く)になっている「あじさいの道」終点にある風穴を往復するお気楽コース(20km標高差100m)。OCTを出発して旧熊野街道を10分ほど走りR42の歩道橋を越え、大内山川・大滝峡沿いに阿曽の集落を目指す。去年はこのへんでAzuがメソメソ。“優しいPapa”が慰めタイムだったけど、今年は笑顔で坂をぐんぐん登ってゆく。体力ついたなぁ〜!って実感させられる瞬間だ。
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この種類が一番好きっ!
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さらに奥へと進む
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ランチの河原に咲き誇る紫陽花
JR紀勢線の踏切を渡ってR42旧道から左折し、さらにJRを渡ると奥河内川沿いの道に合流する。坂の途中、田んぼの畦に座って一回目の休憩。そこからさらに漕ぎあがりスタートから約45分で『ようこそあじさいの道』の看板に到着。
ここからは“あじさいの道”らしく、道路の両側のガードレールからはみ出すように紫陽花が咲き乱れている。去年よりも時期が早いからなのか、青〜紫系の花が多くてクールな印象だ。
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Azuの強い希望で河原でランチタイム
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冷てぇ〜!
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休日に限って車両通行止めを実施しているため(本来は町営のサイクリングロードなので自転車はフリーだ)、とても安全に走行出来るんだけど、歩行者も多いので少々気配りが必要。左右に咲く紫陽花を見物しながら進むこと5分、奥河内川べりに差し掛かった時、Azuが自転車を停めて渓流を覗き込む。
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渓流沿いの小径2.5kmに一万株の紫陽花が!
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様々な紫陽花がカルスト台地を覆う
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『あっ、魚がいるっ!』エライものを見せちゃった!漁師・ともちゃんを母に持つAzuは小魚専門の網漁師(笑)。すぐ上流に道路から下りられる河原を発見し、有無を言わさずに川に入ってゆくのだった。
川に入ると漁以外の思考能力が停止するのは我が家の血統(笑)。20分経っても30分経っても川から出る様子はない。『ねぇ、ここでお昼ご飯にしましょうよ。』ってことで、河原にThe
Butonを敷いて渓流を眺めながらのランチタイムとする。
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昼食を含め50分ほどを河原で過ごした後、再びMTBに乗ってさらに奥へ10分。
八重谷湧水の遊歩道手前でひときわ涼やかな空気を感じたら、そこが阿曽の風穴。奥行はたかだか15mほどの防空壕みたいな規模だけど、ただの洞穴じゃなくて阿曽カルストの石灰岩が水の侵食を受けて形成されたホンモノの鍾乳洞。小さいながらも地底湖(?)まであって、澄んだ水は細い地底水路を通って茶店下に湧き出しているのだ。
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天然のクーラー!
洞内の気温は年中18℃で一定
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神秘的な地底湖に入る子供達
(このためにTEVA履いてきたんだもん!)
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風穴で涼んだ後は、大勢の人がお弁当を広げている東屋前にMTBを停め、奥河内川に架かる橋を渡って遊歩道へ。良く整備された木製の遊歩道を豊かな水量の渓流沿いに5分ほど歩くと、突然渓流がぷっつり途切れる。八重谷湧水である。
去年は途中の八重滝までしか上がらなかったので、実は今回が初めての八重谷湧水。ここに来る前はチョロチョロ湧いてる小さな湧水なのだとばかり思ってたんだけど、実際にはスゴイ水量が湧き上がってて驚き。遊歩道脇の渓流の水量は100%湧水なのだ!とにかく量に感動する僕ら。
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MTBを置いて遊歩道沿いに湧水を目指す
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八重谷湧水。ここから突然渓流が始まる!
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キレイな水があるところ満面の笑み!
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湧水を飲みまくるAzu
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早速水辺に近寄って、自分の足元の水を飲んでみると...『う、うまいっ!』
エビ●ンや六●のおいしい水なんて、足元にも及ばないミネラル分が豊富で濃厚な風味なのである。僕が手のひらで水を汲んで飲み干しているのを見て、Azuが不思議そうに尋ねる。
『ねぇ、飲んでもいいの?』
『へっ?なんで?』
顔を見合わせる僕とAzu。
そう、よく考えてみるとAzuは川の水を飲んだことがないのか!
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小さく美しい八重滝...この滝は全て湧水!
『Papaの生まれた家はね、家の前に川が流れててさぁ...飲めるんだよ。喉が乾いたらいつも飲んでたよ。』そんな話をまるで外国かよその星の話のように聞くAzu。恐る恐る渓流の水を口にするAzu。ひと口飲んだら、あとは“ヤメられない止まらない”『美味しいぃぃぃ〜!』最後は渓流に顔を入れてゴクゴク(笑)。『そうかぁ、川の水飲んだことないんだぁ。』そう呟く僕に、『飲んだことないわけじゃないよ。えっとぉ、宮川でしょ、長良川でしょ、熊野川に...』とAzu。そ、それカヌーで沈した時にやむを得ず飲んだんじゃ...小学4年生にして七つの川の水を飲んだ女(但し、やむを得ず)...ある意味可哀想な女の子だよな、君(涙)。
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あじさいの道をダウンヒル
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木の実館の大猫「トノ」君 8kgオーバー
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湧水で喉を潤した後は遊歩道を東屋まで戻り、東屋の脇にある八重谷湧水から水道管で引いた水を飲んでみる。無味無臭、湧水から直接飲んだのとは大違い!やはり水は地底から湧き出た瞬間が美味しいようである。
再びMTBに乗って、あじさいの道を折り返す。茶店で“あじさい饅頭”を食べ“あじさい金平糖”を買った後は、ただひたすら下るだけの快適なダウンヒル。R42まであっという間だ。R42を渡ったところで大宮中学校の前にあるハーブ畑に囲まれたひときわ目立つログハウスが目に入る。町営“ふれあいの里・木の実館”である。
併設のハーブティールーム“Leaf”で休憩して、看板猫の“とのちゃん”(ナント、体重8kgオーバー!)をだっこさせてもらってあまりの重さに大笑いした後は、Maakunの希望で隣接の大滝峡キャンプ場の脇を抜けて大滝峡へ入る。
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大滝峡に到着。早速岩登り
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大きなウォーターポットホールが随所に
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昼なお暗い階段を下り川に出ると...そこは、Maakunのパラダイス!岩クライマ−にオイデオイデをしている手頃な岩だらけな河原なのである。ただ、台風による増水で川に落ちたら最後、そのまま宮川までサヨウナラァ〜!な感じなので『おい、充分気をつけろよ!』...と声を掛けた時に、もう彼の姿はそこにない。『お〜い!眺めいいよ〜!』早くも岩山のてっぺんで手を振ってるし(涙)。高所恐怖症のPapaはハラハラドキドキだけど、“猿とびMaakun”は止まらない。結局陸伝いで行ける岩のピークは全て制覇し、大満足。『いいね、ここ。今度はKoukunと来たいなぁ。』とPapaclimberさんちの息子さんご指名(笑)
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猿飛Maakunがいつの間にやら岩の上
大滝峡沿いに伸びる薄暗いサイクリングロード。木立の間から覘く大滝峡。暗い場所から覗くと眩しいほどに美しいその流れは、その名の通り大滝の連続。フツーの家族なら、『きれいだなぁ〜』って感じるだけだろうけど、我が家はカヌー家族なので、そこをカヌーに乗って下る自分の姿を想像してしまうのがイケナイ。『コワァ〜、見てるだけで気分が悪くなってきた。』とMaakun。僕も実は少し足が震えてる(笑)
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おいおい、Mamaまで!
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だから危ないって〜の!>Maakun
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Azuの希望でそのままOCTには戻らず、以前から
R42を通るたびに一度は入ってみたかった美しい庭園・カリヨン&フラワーパークへ。4年生のAzuはともかく、Maakunは6年生だというのに無邪気に公園内の遊具で遊び始める(こいつ、来年から中学生だけど、こんなので大丈夫だろうか??)。
間もなく降り始める雨。バシバシと当る大粒の雨を浴びながら、僕らは全速力でOCTを目指す。
レインウェアも持ってるけど、ゴールは間もなくなのでなんだかそのまま雨に濡れたい気分。今日は“カエル男”(=frogman)の衣装...ウェットスーツは着てないけど、普段から両生類の我が家は雨に濡れたぐらいじゃ風邪をひくことはない。『キャー!ずぶ濡れだぁ〜!』『目に雨が入っちゃったよ〜!』奇声を上げながらの楽しいサイクリング。ふと道路脇に目を遣ると咲き誇る紫陽花の無数の花びらがが雨を浴びてさらに美しく輝いていた。
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ゴールのカリヨン&フラワーパークにて