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May.2004 Part.1

 

 

  

5月2-4日 紀伊半島南端ツアー(古座川)

 

古座川・少女峰前の河原で朝を迎える

5/2(1日目)
突然なのである。5月に入って突然ゴールデンウィーク後半に休みが取れることが決まった。ま、このパターンは今年に限ったことではなくて、カヌー日記を読み返してみると毎年“予定は未定”でGWに突入するのが我が家の習わしみたいだ(涙)。あまり期待してなかっただけに家族みんなの喜び方といったら、もう!...とはいえ、予約も何も入れてない僕らが今さら遠方に出かけるわけにもいかず、またもや例年通り『紀伊半島清流を訪ねて』になっちゃうんだよなぁ。
そんなこんなで好天が続くGW前半を恨めしい気持ちで過ごして迎えた5/2。午前中に残ってる仕事を片付けて、バタバタとキャンプとカヌーの準備を整えて14:30、Go!south!南に向けて出発だ。


初日の夕食は予めサーマルクッカーに仕込んだカレー

高速に乗ると間もなく恒例の雨が降り始める。『まただよ!』自嘲気味に呟くけど南下を止めるつもりはサラサラなく、雨にけむるR42をひたすら南に走り続ける。古座川に着いたのは19:00。楽しみにしていた月野瀬温泉はGWということもあって18:00でCLOSE。ちょっと落胆しながらさらに上流に向い、キャンプ予定地・古座一枚岩キャンプ場にクルマを乗り入れると...なんとクルマ一台を入れる余裕もないほどの大混雑状態!(涙)。当然、カシータを牽いたままUターンする場所は全然なく、大勢のギャラリーが見守る中でカシータの切り離し作業を実演することになってしまった。去年のGWには全くの貸切だったこともあり、ほとんどパニック状態のまま慌てて一枚岩を後にして、少女峰を眼前に望む月野瀬の河原に流れることにする。19:30、綺麗なトイレが整備された月野瀬パーキングに到着。

本来は駐車場でのキャンプは禁止されていて、河原に降りて設営すべきなんだけど、闇に包まれた河原にカシータを牽いて降りる勇気もないし、雨が強く降り出したので、とりあえず駐車スペースでこっそりオーニングを開いて、予めサーマルクッカーに仕込んできたカレーで夕食。降り続く大雨にビールを飲んでそのまま眠りにつくしかない僕らだった。


5/3(2日目)
カシータを揺らす強風と弾けるような雨音...紀伊半島南端・古座川の河原で眠れぬ...はずなく、ぐっすりと眠って朝を迎えた。

カシータのダイネットの大きな窓のカーテンを開くと、目の前に伝説の奇峰・少女峰が圧倒的なスケールでそびえている。
急峻な山容、峰の中腹を流れる雲、そしてその背景は...期待してなかった青空!!。昨夜iモードで調べた天気予報では5/3は雨だったのに奇跡的な青空!
嬉しさのあまり裸足で外に飛び出す僕。でも先週火曜日の増水以降の古座川は水位が下がった今もなお、濁りが続いてる。もちろん濁っているとはいえ清潔感はある古座川なんだけど、水面下10cmが見えない川にはどうしてもカヌーを浮かべる気になれないので、すさみからこちらに向ってるNESSYさんと新宮からのアキヒロさんと連絡を取りあって、海へ。
今日のフィールドは“世界一豊か”とも評される、紀伊半島南端の磯なのである。


天窓から覗く少女峰山頂

見るからに楽しそうな磯に長期戦を覚悟した僕は身体の冷えを防ぐためにウェットスーツの2枚重ね(笑)。先月“漁のために”ロングのウェットパンツを買ったMamaも子供達の着替えを待ち切れず、クルマの前で早くもシュノーケリングセットをスタンバイ(笑)。


場所を海に移して磯遊び

大人も子供も忍者のような黒装束に身を固めシュノーケルを空に向けて突き立てた異様な集団はまだなお泳ぐには早いはずの海へ。『寒いから濡れちゃだめよっ!』などと子供を注意しながら磯でなるべく濡れないように怖々遊んでる何組かの家族連れを尻目に、ズンズン海に進んで行く僕ら。ザブン!ザボン!ビシャン!早くも少年達は泳ぎ始めている。『暖ったか〜い!3月の宮川に比べたら、こりゃ温泉だぁ〜!』波間に漂いながら“河猿”コンビ・Maakun&Koukunが叫ぶ。Mamaといずみちゃんの“Team Kama(川女。海女じゃなく...)”はマスクで水面下を覗き、海山・和具の浜よりもさらに亜熱帯色...極彩色の竜宮城のような海に早くも言葉を失っている。アキヒロさんは早くも沖の岩礁の向こうに泳ぎ着き、岩陰に姿を隠しているであろう様々な生き物を狙っている。怪しい、思いっきりアヤシイ家族連れな僕らである。


海の中は原色が溢れ、まさに竜宮城

あれ?泳げないはずの人まで沖の岩礁に...

お〜い!その岩より先には行くなよぉ〜!は〜い!

ストップをかけないと、たぶん数時間このままだろうな

『喰えるモノ見つけてもいきなり喰うなよ!』ここは豊かなだけに漁で生計を立てている人も多いので密漁に厳しい土地柄。ウェットスーツ着て海に入るだけでも密漁と勘違いされかねないので、注意が必要なのである。『オレ達なんて一年に一回しか来ないんだから、捕って食べてもさほど影響ないんじゃないの?』Maakunはそう言うけど、別人のそういう“オレ”が毎日入れ代わり立ち代わりここにやって来たら...制限を設けることもやむなしなのかも知れないな。(ただ、放流することで漁が成立する鮎釣りなんかとは違って、全てが天然モノだけに、観光客が出入りする場所だけは柔軟かつ限定的に対応できればいいのに、とは思うけど。具体的にはイチゴ狩りのように届け出制&有料(清掃協力金等)にして『獲物は堤防の外に持ち出さない。食べるだけ捕る』ルールにするとかね。)


早速アキヒロさんがナマコをゲット!

Mamaがウミウシゲット!カワイイ、らしい(笑)

こういう生き物も波間に浮かぶ

協力して漁に励む母と息子

もし許されるならば基本的にキャッチ&イート、その場で食べられるだけ捕るのが僕らの方針だけれど、決まりは決まり。今日は頭の中から食欲を省いて臨まなければ(笑)。
少し遅れて到着したNESSY夫妻も加わって一通り磯場の状況を観察した後は、一旦浜に戻ってアキヒロさんが買ってきてくれた蛸を解体し、串に刺したものを左手に、網を右手に再び磯場へ。知らない人が見たら完全なる密漁スタイルだけど、見回りの漁師さんが見れば僕らが本気かどうかは理解してくれるはず。だって、この蛸は冷凍なんだもん!(笑)この海で一番高価な獲物である“アレ”は、天敵である生きた蛸にしか反応しないはずで、冷凍のいわば死んだ蛸に反応するのは蛸を餌とする生き物...カニやウツボだから。
でも、ただ漫然と潜ってるだけじゃなく、実際に“なんちゃって”密漁スタイルで海中を覗くと色々な“獲物”が見えてくるから不思議だ。


タコの足で川女は海女に変身して“なんちゃって”漁

上の方に見えてる触覚は、さて何でしょう?(笑)

間もなく“アレ”発見。波に揺れる海藻の奥の岩穴からおヒゲがちょろり。思わず手を伸ばすと逃げるには岩穴の深さが足りないのか、簡単におヒゲを掴めてしまう。傷つけてはいけないので慎重にクィッ!クイッ!と引っ張ってみるとビンッビンッと反応が返ってくるのが面白い。泳げないはずのMamaもいつの間にやら岩礁に渡って、ウミウシをダッコして『キャーカワイイ〜!』などと大喜び。ウミウシを可愛いと感じる感覚はちょっと普通じゃないけど、ぷっくりオメメが得も言われぬ可愛さなんだとか(?)。AzuとMoeちゃんはタイドプールに座って小エビ漁。でも、さすがMama&いずみちゃんの娘たちだけに、信じられない数の小エビを次々と捕まえてる。挙げ句の果てには目が青くて可愛い小さなフグまで捕まえてご機嫌。


ベラの仲間を始め、魚の宝庫

Azuがゲットした可愛いフグ

浜に戻って少し早めの昼食を食べた後、さぁ本格的に漁に励むゾ!と海を見たら、さっきまでよりも岩の数が減ってる...満潮に向っているのだ。(海で遊ぶのに潮時を確認しなかった僕ら...涙。反省材料である。)それでも“山登り河童親父”アキヒロさんを先頭に海女に変身した“川女”ふたりは果敢に海に入ってゆく。間もなくアキヒロさんはおヒゲの主を次々発見。アキヒロさんが左手に持った蛸足に理性を失ったウツボが鋭い歯で喰いつき、海中綱引きしてるの場面を見た子供達は大興奮!


Maakun&Koukunのパラダイス

この岩はスフィンクスなのだそうです

午前中に休みなく2時間以上海に漂っていた少年達は、間もなく海から上がり磯場にそびえたつ岩山クライミングを楽しむ。見ているとヒヤヒヤハラハラな高さの岩山に登頂成功して手を振り大喜び...ナントカの高上がりだな、これ(笑)『深くて怖ぁ〜い!』と海から上がった、ぶりっ子な少女達は(スイミング歴9年のAzuはプールではクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライ、いずれも100m以上泳げるのに!..笑)、僕が教えてあげた美しい貝殻がどっさりある秘密の場所でビーチコーミング。こんな感じで世界一魚種が豊富とも言われる串本にほど近い磯場で一日中、シュノーケリング&磯遊び&キャッチ&リリースの漁を楽しんだ僕らだ。


オジョーサマたちは貝殻拾い

ホレ、あそこまで行ってみよか?波荒いデ

海から上がって、僕ら以外の家族の好奇の目を浴びながら冷水シャワーでさっぱりした僕ら(この季節に一日海に入ってキャーキャーな家族連れは非常に稀なようだ...笑)は、月野瀬温泉で身体を暖め、一旦キャンプサイトに戻ってカシータを河原に下ろしてキャンプサイトを設営する。設営完了とともに降り出す雨。『このタイミングで雨が降り出すなんて...なんてツイてるんでしょ!』雨が降り出したというのに大喜びのMama。アナタのポジティヴな思考には頭が下がりますです、はい。


タイドプール温泉で寛ぐ女性陣


 

全ての仕事を終えた僕らは、古座川に行ったら必ず立ち寄る屋台“一雨のつくし”へ。3年前の大改装、というか全面建て替えで、もはや屋台とは呼べない“つくし”だけど、変わったのは建物だけ。シェフとマダムのお料理の味はあの頃と全く変わらない美味しさなのである。満員御礼なので、少年達は川を望むテラスでアウトドア宴会をさせて、僕らはリーズナブルなこのお店で約3万円分(これはスゴイ量である)飲み食い大宴会を楽しんだ。


磯遊びの後は古座川に戻って定番「一雨のつくし」で夕食

上げ膳据え膳でゴキゲンの女性陣

ウマイ料理にこちらもゴキゲン

少年達はやはりアウトドアで(笑)

大雨を避けるテルテルガールズ 

2時間ほどを“つくし”で過ごした僕らは、更に強く降る雨の中サイトに戻って、カシータのオーニングの下で二次会。NESSYさんの用意してくれた芋焼酎“もぐら”、アキヒロさんちの“じゃばらワイン”等々飲み放題喰い放題で、さっき“つくし”であんなに飲み食いした直後だというのに、こちらも大宴会...一日中泳いでた疲れもあって23:00頃にお開きにはなったけど、うちのMamaが居眠りを始めるほどだから、相当な宴会だったのね(笑)
とにかくカヌーは出来なかったけど、カヌーしなくてヨカッタね!な一日だった(笑)


キャンプサイトに戻って大雨の中、酒盛り

 


5/4(3日目)


少女峰と古座川の濁流

5/4(3日目)
日本海を通過中の低気圧から伸びる前線のせいで、台風並みの暴風雨に見舞われた夜。アキヒロさんによると風をはらんだテントのウォールが顔に押し付けられるほどの風だったらしい。目覚めると、やっぱり大雨。眼前の古座川は相変わらず濁流だし、カヌーを浮かべようなんて思いもしない雰囲気なので、朝食を食べながら10時頃までサイトでのんびりと過ごす。天気が好転する兆しもなく特にmustな遊びもないので、とりあえず古座駅前の観光協会に行って、今後何をするか決めようということになる。


夜が明けても、やっぱり大雨

くじら浜公園の遊歩道をお散歩

たまたまそこにいた古座町の海賊倶楽部のスタッフさんによれば、古座川は今日中に再びダムの放水が始まってさらに濁りが増すであろうとのこと。この時点で今日明日のDRを完全に諦め、観光客に大変身!(笑)することを決める。観光協会の豊富な情報の中で僕らが選んだのは太地町の落合博満記念館...ではなく(笑)くじら博物館。Maakunが2歳の頃に熊野川DRの帰り道に立ち寄って以来10年ぶりの訪問である。


岩のトンネルに立つNESSY夫妻

この裂け目を見ると登るしかない

裂け目を抜けると大平洋!

くじら博物館を一通り見学し捕鯨のお勉強をした後は、くじら浜公園〜平見台園地の周遊歩道の散歩。観光施設のオマケみたいであまり期待してなかった海沿いの遊歩道なんだけど、完全舗装されてはいるものの全長は10km近くあるとのことで、入り組んだリアス式海岸を縫うように進むとMaakunにオイデオイデをする洞窟や奇岩が立ち並び、なかなか楽しめる。もちろん、こういう楽しめる岩を見て黙ってられないMaakunは30cmほどの岩の裂け目を登りくぐり、喜々としてケイビングとクライミングを楽しむ。今回はそれなりの装備を持ち合わせていなかったので“なんちゃって”で終わったけれど、今度はせめてヘッドランプとグローブだけでも持参して洞窟探検をやってみみようと思う。途中から再び雨が激しくなったので下見程度の散歩に終わってしまったけれど、また次の機会にじっくりトレッキングしたいなぁって思うなかなかの場所だった。


アクアリウム前のシャチ

アクアリウムのトンネル水槽にて

くじら浜に戻った僕らは水族館と仕切られた湾内で気ままに泳ぐシャチを見学し、博物館前の屋台でくじら丼を食べたところで解散。アキヒロ家、NESSY家とはここでお別れとなる。我が家は再び古座川のキャンプサイトに戻ったものの、川は少し増水し濁りは更に酷くなっている。ここでもう一泊するという選択肢もあったけれど、天気はともかく川の状態が良くなる確率は限りなく低いと判断。そうなると古座で粘るのがバカバカしくなった僕らはさっさと撤収して、渋滞知らず(普段よりクルマが少なかったかも?)の4時間ほどで帰宅した次第。
とりあえずカシータは車庫に納めたものの、カヌーはまだDiscoの上。そして、ただいまウェットスーツをバスルームに吊るし、ビルトイン乾燥機をONにして強制乾燥中...ということは明日も?? (マ、マジ?)

 


雨のR42をゆくDisco&カシータ

 

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