4月28日 “日本最古の街道”山の辺の道サイクリング(奈良・天理〜桜井)
ここのところ仕事が忙しくて当分は暦通りに休めない可能性が高い。あくまで“可能性が高い”ってことで、完全に休めないことが確定してるなら諦めれば済むお話なんだけど、もしかしたら休めるかも?ってのが僕のココロをザワザワ波立たせていて非常に精神衛生上悪い。どうせ休めないならこの際ってことでDiscoveryを車検に出して、この際だからってことでETCの取り付けやらリアラダーの注文。そんなこんなでカヌーに(は)行けない四月後半なのである。ところが!突然今日、休みになった。平日なので、子供たちは学校。Azuは学校帰りにピアノのレッスンに行くので夕方まで家に戻らない...となれば、『鬼の居ぬ間に夫婦deデート』の好適日ではあ〜りませんか!(笑)
ウヒヒヒ...と笑ってしまいそうになるのをこらえて、『気をつけて行って来いよ!』などとオトナの顔で子供たちを学校へ送り出し、子供の姿が見えなくなった瞬間にハタチと18歳の恋人同士に大変身(気持ちだけ、ですが...笑)。小走りでお出掛けの準備に取り掛かる。
今日向うのは、日本最古の街道とも言われる奈良・山の辺の道。かつての平城京から三輪山を結ぶ古代の大動脈。ここをMTBで走破しようという計画である。 以前から行きたいとは思っていた山の辺の道。駅前にレンタサイクルもあって自転車の乗り入れが可能なことは下調べが済んでいる。とは言え、休日はハイカーがメチャ多く自転車の乗り入れは事実上不可能。しかも飛鳥のように巨石遺跡や観光客向けの土産物屋もなく、子供にとっては地味ぃ〜な場所なので、子連れだとAzuが不満タラタラは必至。
平日、しかも大人だけで行けるなんてチャンスは滅多にない。行くしかないデ!なのである。
昨夜Discoはディーラーから戻ってきてはいたんだけど、僕とともちゃんの2人+MTB2台にはちょっと大きすぎるので、ともちゃんの愛車・FIAT Puntoに去年オークションで落札したバイクキャリアを取付けて、僕のSPECIALIZEDとともちゃんのママチャリ(改)PEUGEOTを積み込んで8:40出発。(車幅をオーバーするので前輪は外して...笑)
久々の休日は抜けるような青空!...と言いたいところだけど、ワイパーをHighにするほどの豪雨。いつものように天気図の読みだけが頼りなんだけど、名阪国道・R25を通って伊賀の国に入った途端に雨が止み、大和の国に入る頃には雲間から太陽が顔をのぞかせてくれる!!9:40天理市・石上神宮(いそがみじんぐう)に到着。 まずは万葉集にも詠われた古社に参拝して、10:20ここをスタートに境内から延びる山の辺の道に漕ぎ出す。
日本初のナショナルトラストの森を左手に見て、東海自然歩道でもある山の辺の道を南下する。舗装路、土の道、石畳...路面の状況が目紛しく変わり、MTBでギリギリ登坂可能な上り坂や階段のある下り坂を両脇にミカンや柿の木を眺めつつ、東西ふたつの乗鞍古墳を横目にひたすら走ると20分ほどで夜都伎神社に到着する。そこからは、ただの田園風景...のようにも見えるけど、実は歴史的にも非常に貴重な環濠集落(中世に外敵の侵入を防ぐ目的で周りに濠を廻らせた集落)である萱生&竹之内地区。宗教施設以外は基本的にスクラップ&ビルドな日本の街並の中で中世の様式が残ってるというのは驚きである。
無数にあるこんもりとした古墳らしき独立丘の間をすり抜け、柿本人麻呂の歌碑を過ぎると、右手に三角縁神獣鏡33面出土で一躍有名になった黒塚古墳。そして左手に空海開基の長岳寺。どっちを見ようか迷ったけど、パープルピンクのヒラドツツジの生垣が見事すぎる長岳寺へ。最初は素晴らしすぎて言葉もなかったけど、あまりに派手な色合いのツツジだらけで悪酔いしそう(笑)。
山門から数分で「トレイル青垣」(旧名・天理市トレイルセンタ−)。ここは山の辺の道の歴史をメインに野鳥や草花などこの近辺のトレッキングにに必要な情報を得られる(無料の地図やパンフも多数)ばかりか、無料休憩スペースも完備したトレッカー&MTBikerの憩いのスペース。平日なのにパーキングは満車だったので、ここをスタート&ゴールにするハイカーも多いみたいだ。ただ、同時に中高年ハイカーの楽園(=ランチポイント)でもあるので、早々に退散するのが得策(笑)。
快適な下り坂をしばらく進むと正面に巨大な崇神天皇陵。そして左には4世紀構築の櫛山古墳、雰囲気の良い民家脇の階段を登ると景行天皇陵と古墳目白押し。かなりアップダウンが激しくてちょっと疲れる区間でもある。古い民家の間をすり抜け、相撲神社っていう変わった名前の神社を過ぎ、巻向川を越えると間もなく桧原神社に到着。珍しい注連縄のような鳥居(三ツ鳥居、という名前らしい)をくぐりキレイに均された玉砂利を踏んで奥に進むと、賽銭箱の向こうに石垣に囲まれた一本の木が立っている。社殿等は一切ない珍しい神社...後で茶店で聞いたところによると、その木が御神体ではなく、その後ろにある三輪山全体が御神体なのだそうだ。別名「元伊勢神社」とも呼ばれているそうで、伊勢の民の僕には少々縁がありそうである。
桧原神社にお参りした後は、門前にある桧原御休処(ひはらおやすみどころ)という茶店で休憩。店先には手作りのワラビ餅や草餅が並び、有名な特産の三輪そうめんが食べられる。今日は60/40パーカが離せない気温だったので、僕らはホットなそうめんである“にゅうめん”を注文。あっさりした出汁に細くコシのある麺、筍など季節の野菜もたっぷり入った上品なお味が嬉しい。昼食には少し物足りないので草餅を注文し、若奥さん手作りの柿パウンドケーキもお土産に買って、僕らは再び山の辺の道を漕ぎ進む。
桧原神社からの山の辺の道は、それまでに比べて若干、道が細くなり、天理→桜井方向で初めての上り階段や幅50cm程度しかない細い部分、木の根道など、MTBでないと少々キツイ部分が連続する。そんな道を走ること20分。右手に巨大な鳥居が見えるとで間もなく大神神社(おおみわじんじゃ=三輪明神)に到着。 大和一の宮でもあり、日本で最も古い神社である大神神社。ここも桧原神社と同様に拝殿奥にそびえる三輪山が御神体。造酒屋のシンボルである杉玉はここから授与されるというだけに、お酒の神様でもある(某・wave2000の校長さんやパパパドラ−さんの奥様のための神社ってことですな...笑)。 ともちゃんが入院した時に知人から戴いたお札のお礼参りということで(ホントは今日はこれが目的)大神神社と隣接の狭井神社にお参りを済ませ、大神神社からR169へ。
あとは山の辺の道とは全く雰囲気の違う“ただの3桁国道”をただひたすら走ること1時間。変化に富んだ山の辺の道とは全く違う距離感に戸惑いながら、僕らは14:10、無事スタートポイントの石上神宮に到着したのだった。
石上神宮でMTBをPuntoに積み込む頃には、少々風は強いものの朝の雨や昼前までの寒さがウソのように気温があがり、せっかくだからってことでPuntoのソフトトップを開けてフルオープンドライブを楽しむ。
Puntoはイタリアンらしく安全よりも快適さを追求した、いわば快楽主義“車”なので、他のオープンカーみたいに不粋なバーなどの頭上を遮るものは一切ない。
青い空に浮かぶ月、緑のトンネル、そして鳥のさえずり...まるでカヌーと同じ感覚を味わうことができる。実際、イタリア製の箱型小型オープンカーは“バルケッタ”(barchetta=フェラーリに代表される1950年代に好んで用いられた名前だ)と呼ばれるのだが、その意味はイタリア語の“小舟”。Puntoはロードゴーイング・カヌーなのである(なんちゃって。なんかNaviの記事みたいな表現だなぁ...笑)。 カヌーで人工的な直線の水路を下っても面白くないように、バルケッタは自動車専用道路よりも森を抜けるワインディングが気持ち良い。伊賀上野で大ファンの和菓子屋さんに立ち寄った後、僕らはわざと山坂道を選んでドライブを楽しみ、自宅へと戻ったのだった。
16:30、自宅に到着。散々遊んで疲れたMaakunはお昼寝中。そんなに待ちわびた様子もなく、淡々とした感じでちょっと拍子抜けだけど、逆にこれからもこうやって夫婦だけでの野遊びもいいなぁ、なんて感じる僕らなのだ。
石上神宮10:00…2.5km…10:20夜都伎神社10:21…3.1km…10:49長岳寺… …長岳寺11:02…0.2km…11:06トレイル青垣11:12…0.4km…11:15崇神天皇陵… …崇神天皇陵11:17…1km…11:21景行天皇陵11:22…2.5km…11:50桧原神社(昼食)… …桧原神社12:20…1.5km…12:40大神神社13:10…一般道12km…14:10石上神宮
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