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 April.2004 part.3

 

 

 


明日香寺・蘇我馬子首塚そばのレンゲ畑

 

4月17日 歴史探訪ポタリング(飛鳥)&長谷寺フラワーハイク

『なんだか、カヌーより自転車って雰囲気よね。』
雲ひとつない青空を見上げて、ともちゃんがぽつりと一言。今日は一泊二日で熊野詣(...というのは熊野川ダウンリバー&熊野観光を意味する。我が家の場合...笑)の予定だったのだけど、前夜に何一つ準備が出来なかったこともあって“今から熊野ぉ〜?”って億劫な気分。いくらお手軽カシータキャンプとはいえ、熊野は遠いわけで、何一つ準備してない上に寝坊して9時にパジャマな僕らがちょっと二の足を踏んでしまうのは当然である。
で、どうする?そこで間髪入れずに浮上した行き先は奈良(我が家から三桁国道を80km、一時間半足らずで行ける。)。
ほんの5分の間に『山の辺の道は平日じゃないとMTBで走れないらしいからなぁ。』『じゃぁ、今日は明日香村に行こうか?』『いいわねぇ、橿原昆虫館に行ってハチドリも見たいわ!』と大盛り上がりのMama&Maakun。何という豊富な予備知識...君たちはナニモノ!?
...実は我が家、結構歴史モノが好きな家族である。良く語り合うのは邪馬台国が北九州か畿内かって話題。僕も高校生の時に『邪馬台国の秘密』(高木彬光著・角川文庫)を読んで大分県・宇佐神宮が女王・卑弥呼の墓陵であると信じるようになったし、僕以外の3人も北九州生まれってこともあって、我が家では邪馬台国=北九州説が定説なのである。
スペイン人が新大陸に故郷・スペインの地名を使ったり、江戸の都市計画の際、担当者が伊賀藩出身だったために伊賀上野市内の町名が使われたりしたとか...と同じように邪馬台国を継ぐ統治者は新天地・奈良の地に九州の都を再現したんじゃないか?(実際、似た名前が多いし)AzuはともかくMamaとMaakunはよくそんな話題で盛り上がってたりする。そんなわけで我が家にとって大和の国は歴史的事実を歪曲した征服者のイメージなんだけど(笑)、歴史好きにとって、奈良の地はやっぱり興味津々。特にMamaは以前から一度は訪れたいと思ってたらしく “るるぶ・奈良を歩こう”を密かに準備してたのである(笑)


まずは待望の橿原市昆虫館へ

レベルの高い展示に夢中の子供達

そんなわけで急遽カヌーをMTBに積み替えて、奈良・飛鳥へのサイクリング...というか無目的なのでポタリングに予定変更。9:30に4台のMTBをのせたDiscoで出発。
一時間半のドライブを楽しんで飛鳥に程近い橿原市昆虫館に到着。ここは日本で唯一ハチドリが放し飼いにされていて(Maakun情報)、鳥かご越しでない“生”ハチドリが見られるのだ。素晴らしく充実した展示(標本ではなく数々の昆虫が実際に飼育されている)でお勉強した後、いよいよ巨大なドームのような温室へ。
二重になったドアを入ると、そこはもう色とりどりの蝶がヒラヒラハラハラと乱舞するパラダイス!その数に圧倒されて言葉を失う僕らだ。
『わぁ〜カワイイ!』一番喜んだのはAzu。


わぁ〜ワタシに留まったぁ。

あっ、何か吸ってる

ヒヒ〜ン!2羽になっちゃったぁ〜!

ああっ、イヤ!イヤ!

ぎゃぁ〜ヤメテ〜(Azu泣叫ぶ!)

帽子を被って逃げるAzuと追い掛ける蝶

一応蝶に触ることは禁止なんだけど、ここの蝶は人を恐れないフレンドリーな性格なので、蝶の方から人間に留まろうと近づいてくるのだ。一匹の蝶がAzuに付きまとい、彼女の頭に留まる。Azu大喜び!二匹目、三匹目、四匹目...最初は喜んでたAzuだけど蝶たちが殺気だって彼女の頭を奪い合ってることに気付くと半泣き状態。そして10匹近い蝶がストローを伸ばして彼女の頭を突付き始めた瞬間...
『いややぁぁ!』ついに半狂乱。

どうやら彼女が毎朝カールした髪をブラッシングする際に使ってる“肌水”という化粧水に含まれる成分が蝶の♀のフェロモンと似ているために蝶の♂が『うひひひ、タマランわぁ〜!ネエチャン、エエ匂いやん!』と群がったというのが真相のようである。(笑)

 


まるでヒッチコックの“鳥”状態になってしまい、Azuは蝶恐怖症に!(笑)

 

Maakunのキャップを目深に被り頭を完全防備したAzuを守るように温室を歩きながらハチドリを探す僕ら。この広大な温室に3羽しかいなくて滅多に見られないと聞くと、ますます見たくなるから不思議だ。餌場を中心に探すこと10分『あっ、いたっ!』川でまっ先にカワセミを発見する視力2.0&動態視力サンコンさん並み(笑)のMamaがハチドリ発見!しかも、僕らの目の前で一秒間に70〜80回羽を動かして空中停止する高速ホバリングまで見ることができてラッキー!なのである。『いつも野鳥を見つけるのは私よね!』と鼻高々!(笑)

 


温室に3羽しかいないハチドリ発見(放飼いは日本で唯一)

美しい蝶が乱舞する

昆虫館を堪能した後は、DiscoからMTBを下ろして、いよいよ飛鳥ポタリングに出発だ。地図を見ると5km四方に見どころがバラバラと点在しているので、特にコースを定めずに適当にブラブラ走るのが良さそう。昆虫館から米川の流れに沿って明日香村へ入り、飛鳥坐神社(“あすかにいます”じんじゃ、と読む)を右折すると道なりで中大兄皇子が造営した日本最古の水時計・水落遺跡に着く。そこからレンゲと菜の花が美しい畑の間を伸びる散策路(ベージュにカラー舗装されていて判りやすい)を進むと、蘇我馬子造営の日本最古の寺・飛鳥寺だ。(ここの鐘楼堂は自由に鐘がつけて子供達は大喜び。)


昆虫館にクルマを停めて...

ポタリングスタ−ト!

飛鳥寺から飛鳥で最も新しく発掘された(1999)ホットなスポット(笑)亀形石造物までは10分ほど。MTBをおりて石段を登って酒船石を見学した頃には、目が爛々と輝き、本で読んだ古代史に出てくる名前が目白押しで大興奮!メッチャハイな状態のMaakunに対してAzuが『ツマラン!』を連発してグズグズ言い始める。(そりゃ、予備知識の全くないAzuにはツマラナイだろうなぁ。)で、いつものようにMamaとMaakunを先に行かせて、“優しいパパ”はAzuと酒船石に座って猫撫で声で励ましタイム(笑)。『ほぉら、Azu、これは昔の人がお酒を作った台だって言われてるけど、Azuは何に見える?Papaは何か女の火星人に見えるけどなぁ...』『棒人間みたいね』(クスッ!)『重さはどれぐらいあるの?』『う〜ん、計算してみようか。長さ5.5m、幅2.3m、厚さ約1mだから...えっと...37トンだな。角が丸いから0.8を掛けて...30トンだ。Azuが1000人と同じぐらい』(何で僕は見ただけで重さが判るのでしょう?...笑)『へぇ〜ワタシが1000人!』...ってことで、興味を持たせることでAzuのご機嫌修復成功!(笑)『さぁ、頑張って次の石舞台ってとこに行こうよ!有名なトコだからお土産物屋さんがあるかもよ。』『オミヤゲモノヤサン?』(目がキラ〜ン!)...ご機嫌取りの仕上げは物欲作戦で(笑)


水落遺跡の次は日本最古の寺院・飛鳥寺へ

4年前に発見された亀形石造物の次は酒船石。

20分ほど走ると飛鳥を代表する観光地である石舞台古墳が見えてくる。僕の予想通り、お土産物屋さんが立ち並び、かなりの坂道なのにAzuは大興奮で先頭をぐんぐん(笑)。見学料¥250を払い真近に見る石舞台は想像以上に小さい。蘇我馬子のお墓ってことらしいけど、予想通りMaakunが『登っちゃだめかな?』(ダメダメ!...笑)


いよいよ石舞台古墳が見えてきた!

石舞台古墳。登りた〜い!

石舞台内部

石室内はひんやりと涼しい

石舞台そばの茶店で香ばしい風味が絶品の“古代米アイス”を食べ(僕は間違えて『古米アイスください!』って言っちゃった。古米はヒドイよなぁ...笑)、飛鳥川沿いに西を目指す。一応るるぶの地図をコピーして持ってるけど、道路脇には非常に分りやすい案内板が建ち、自転車に乗ったままでもはっきりと視認できるので地図なんて全く必要なし。また各施設には全て駐輪場が設けられていて、サイクリングを楽しむ環境が整っていて嬉しい。


桃の花と石舞台古墳

交通量が多い車道を避け、裏道に入り手頃な石柱に自転車に乗ったまま足を預けてひと休み。ふと見ると、石柱には『聖徳皇太子御生誕地』の文字。きゃっ!思わず声を上げて足を放す僕(畏れ多いもんねぇ)。何てことない路地裏の石に日本史に登場する第一級の有名人所縁の名前が普通に見られる不思議...飛鳥はそんな場所なのである。元々は東を向いてたのに今は南西を向いてるという不思議な亀石(真西を向くと大洪水...つまり人類滅亡が起きるという伝説がある。何だか冷戦時代によく話題になった“核戦争まで何分”って時計を連想しちゃったなぁ)横の売店でAzuに何故か瓢箪(\100也)を買わされ、さらに鬼の雪隠、鬼の俎(“マナイタ”。ここで西部警察に出演の個性派俳優・苅谷俊介さんに出会う。確か考古学に夢中だとか。)などの巨石構造物を見学しながら、かの有名な高松塚古墳へ。


「下馬」の意味を理解してMTBをひくMaakun(橘寺)

亀石は愛嬌たっぷり

鬼の雪隠

高松塚古墳へ

隣接する「壁画館」で歴史の教科書にも登場する女子群像など壁画のレプリカを観たんだけど、それまで『石ばっかり見てつまんな〜い!』と不機嫌でお土産物屋さんにしか興味のなかったAzuが、ここでは大喜び。壁画も見てないくせに団体でガイドの説明をつまらなそうに聞いてる中高年軍団をかき分けるように壁画の正面や副葬品のショウケースにカブリつきで『ステキ〜!キレ〜イ!』連発。女の子はやっぱりアートや光り物に目がないんですよね(笑)高松塚古墳本物は、文化庁の手によって厳重な保存管理がなされているらしいけど、その防水工事がどう見てもお粗末。科学的には是なんだろうけど、ただ防水シートを被せただけで、まるでどこかの土建屋さんの資材置き場を連想してしまい、美観ポイントは0点。あれはないんじゃないの?って思うのですが...。


もう少しマシな保存法法はないのか>文化庁

飛鳥のサイクリングロードをゆく

古墳を堪能した後、僕らは天武・持統天皇陵を眺めたり、飛鳥坐神社に参拝したりしながら昆虫館に向けて走る。僕とMaakunのサイクルコンピュータが18.3kmを示したところで昆虫館に到着。約4時間のポタリングを終えた僕らは、MTBをDiscoに積んで飛鳥を後にする。


『小学生ふたりを伴ってのポタリングにちょうどヨカッタね。』『クルマだと近すぎるし徒歩だとちょっと遠いし...自転車が最高だったわねぇ。』『古米...じゃないや、古代米ソフト美味しかったぁ。』『コフンから出てきたネックレス、キレイだったぁ。チョウチョはこわかったけど。』家族で口々に感想を語り合いながらこの季節は色々な花々に彩られた“花街道”と呼ぶに相応しいR165を走る...と、その時、道路脇に“長谷寺ぼたん祭にともなう渋滞にご理解を”という立て看板が。
『うちの牡丹も満開だし、キレイなんでしょうねぇ。長谷寺って行ったことないのよ。有名なのに』というMamaの言葉に思わず『行ってみようか?』と言ってしまう気弱な僕(涙)。土産物屋が立ち並ぶ参道をDiscoのキャリアバーを引っ掛けないように気を遣いながら、参道の終点にある駐車場へ。


長い階段の回廊(登廊)を駆け上がる子供達

長谷寺本堂から舞台を望む

昼間は観光客で賑わう長谷寺も少し暗くなり始めたこの時間には人影もまばら。399段の階段がある回廊を通って山内を散歩すると静かな凛とした雰囲気が素晴らしい。牡丹の見頃はまだまだこれからみたいだけど、満開の八重桜やシャクナゲが咲き誇り、散り始めたしだれ桜なども趣きがあって美しい。『私ね、長谷寺ってこんなに大きなお寺だと思わなかったのよ。飛鳥寺みたいなのを想像してたから...』花より団子のMaakunはともかく、MamaとAzuは美しいお花にウットリなのであった。


本坊前から牡丹越しに本堂を望む

本堂は清水の舞台に似ている

参道で名物の草餅を買って(和菓子、特に餡子が苦手な僕でさえ、際限なく食べられる美味しさ)、僕らはホントに本当に家路を急ぐ。時間が許せばR165近くにある室生寺とかも行きたかったけど、タイムアップで行けなくて少し残念。ま、おかげで、また行く理由ができたって考えるべきなのかな?(笑)

『今日は楽しかったわねぇ〜!熊野よりもヨカッタって思うでしょ、ね、ね、ね、』
Mamaがイヤミたっぷりに同意を求める。
『ああ、今日は飛鳥にしてよかったよな、ホント。』
『で、明日はどうするの?ガ−デニングショップに行きましょうよ。』
『苗木屋さんで瓢箪の種も買おうよ』
...そこで僕はニヤリと笑ってひとこと。

『何、バカなこと言ってるの?明日は4時起きで日帰り熊野詣に決まってんじゃん!』
『...』家族一同、寝たフリ(笑)。
『えっ?何か言った?聞こえなかったんだけど...』

聞こえなかったんじゃないだろ?聞かなかったことにしてるだけだろ?(笑)

 

 

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