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February.2004

 

 

 

 

乗鞍岳をバックにゴキゲンスキー!

2月21-22日 雪遊び合宿 in 乗鞍

週末に休めなくなって一ヶ月。「平日会員」の魅力にちょっとハマりつつも、やっぱり子供と一緒にお出かけする楽しさも捨て難い...要するに、まだ子離れしきれない僕らである。月末も近づき、ようやく仕事の方も落着いて、今日は久々に家族で1泊2日のお出かけ。
NESSYさんが校長を務める『WAVE2000〜夢の学校アウトドアスクール』の雪遊びプログラムに参加すべく、朝4:00に家を出発して飛騨乗鞍『国立乗鞍青年の家』に向う我が家である。
日本海側や北国の人にとってみれば、雪なんて邪魔者以外のナニモノでもないんだろうけど、雪なんてほとんど降らない太平洋側の住人の僕らにとっては、そこに雪があるだけで、ワクワクドキドキ...まるで少年のようになってしまう。
38歳になった今も全く変化がないってことは、たぶん70になっても80になっても♪a〜kiは喜び庭駆け回り...♪なんだろうなぁ。雪を見て庭を駆け回るおじいちゃん...イイ感じかも(笑)


午前8時。ドアミラーに映るのは“穴掘り少年少女”

ヲイヲイ、いきなりかよっ!

東海北陸道を北上し、飛騨清見ICから高山市内へ。夜が明けたばかりの閑散とした高山市内からR156〜通称・青年道路を経て7:00過ぎに青年の家に到着。駐車場はフロントガラスが凍り付いたクルマばかりということで、我が家が一番乗りのようだ。駐車場に人影がないのことを確認して車内で着替えを済ませると、ジェットバッグから取り出したスノーショベルを手に子供達は駐車場脇の雪山でいきなりの穴掘り。

Maakunは前々日に買ってもらったばかりの青いVoileのショベルの使い心地を確かめるように、白い雪面にショベルを突き立てる。
しばらくして、NESSYさんとソブリンさんの2台のRANGE ROVERが到着、続いてAokiさん、アキヒロさんちも勢揃い...青年の家の入所手続きまで談笑しながら時間を過ごす。
9:00から青年の家入所手続き&オリエンテーションを済ませて、青年の家の利用者であることを示すゼッケン(!)を受け取った僕らは、隣接の飛騨高山スキー場へ。林間コースで足慣らしをして、センターハウス前のリフト券売り場でリフト券を買って(青年の家利用者は一日券¥2000と超・お値打ち)、第二ペアリフトでスキー場唯一の中級コース・もみのきゲレンデを繰り返し滑る。


手前から弟と双子の兄

去年はスリル満点だったカブト山山頂からのパノラマコースも、今年の僕らには鼻唄交じり。Azuでさえもキャッキャッキャッ!とおサルさんのような声を上げて笑顔なのである。


終始笑顔のAzu

10:00スキースタート!(アキヒロ家の4人)

二時間ほど休まずに滑って、一旦青年の家に戻って昼食。

ここ乗鞍青年の家は国立の研修施設ということで、宿泊は無料。食事代(朝¥370昼¥530夜¥700)とシーツ代(¥140)だけで利用できる夢のような場所だ(つまり家族4人が1泊4食付で¥9000)。
もちろん研修施設で決してホテルではないということで細かな規則もあるわけだけど、一般常識を持ち合わせた人であれば気になるほどではないし、逆に一般のホテルのような甘ったるいサービスがないぶん気楽だとも言える。食事は “好きなものを好きなだけ”といういわゆるバイキングスタイル。部屋は基本的にウッディな二段ベッドが備わった8人部屋で非常に手入れの行き届いていて清潔だ。
ホテルで過ごすリゾートタイムって期待をしなければ、これ以上何を望む?って感じである。


パラシュートのようにフードに風をはらませもみの木コースをゆく“かっとびMaakun”

バイキングらしからぬ出来立てホカホカの昼食を楽しんで、再び僕らはゲレンデへ。AzuとMoeちゃんが白樺ゲレンデでの滑りを楽しんでいるうちに、僕とMaakun&Mamaは、午前に引き続いて気楽に“もみのきゲレンデ”を楽しむ。午後1時の気温はプラス6℃。標高1500m超の乗鞍岳中腹とは思えないほどの暖かさで、寒がり揃いの我が家(Maakunを除く)には有難いのだけれど、雪質はどんどん悪く重くなり、滑走中に前につんのめる場面が増え始めた。午前中はスピードが上がりすぎて怖いほどだったパノラマC〜もみのきGも、それほどスピードが乗らなくなって、普通に滑ってるだけじゃ面白くない感じだ。そこで、もみのきGの鞍部・うぐいす谷コースとの合流点に設けられたジャンプ台にチャレンジしてみようかという気になった僕とMaakun。


山頂からノンストップで飛ばすMaakun&Mama

「やってみる?」「うん、やってみよう!」ってことでジャンプにチャレンジすることに。
まずは年長者が見本を見せなくてはってことで、僕がスタート。ペアリフト降場からほとんどエッジを効かせずに直滑降で一直線にジャンプ台へ。でもチキンハートな僕は直前で思わずブレーキングしてしまって、中途半端なスピードでジャンプ台を離陸!へっ?ナニ?これ?飛び出したものの、空中でそういえばジャンプって初めてだったことに気付き、しかも予想外の高さに驚いたもんだから上半身が先に行っちゃって、スキーの先端から雪面へ...グサッ!ドテッ!イテッ!突き刺さったスキーを必死で抜いて周りをキョロキョロ...誰にも見られなかったみたいだ、ホッ!

続いてMaakun。
怖さ知らずの“ロケットボーイ”は身体を小さく丸めた直滑降スタイルを保ち、ノーブレーキどころか途中でポールを突いて加速しつつジャンプ台へ...
ジャァァァ〜ンプゥゥゥ!
おおっ!見事な空中姿勢!縮めた身体をジャンプの瞬間にピンッと伸ばし高さをかせぐ余裕も。着地前にまるで飛行機の着陸姿勢のようにスキーの先端を少しだけ上げ、ひざで着地の衝撃を上手く吸収して転倒せずにジャンプ成功!あまりにも見事であっけない成功に、本人もご満悦。
『ねぇ、写真撮ってよ!』我が家で一番カメラ嫌いなMaakunが珍しく、撮影を要求(笑)。ただ、このジャンプ台はもう一度リフトに乗って上まで行かないと充分なスピードが出ないので、親子でリフトに乗って再びスタート地点へ。


ジャンプ!の虜になるMaakun

再び僕が先にジャンプ!今度はスピードに乗って思い切って飛び出したのだが、スキーを上げ過ぎて、アッと言う間に後方宙返り(しかも半回転...涙)『あ〜青い空、キレイだなぁ〜!』ってな感じで視界は100%青空...そしてその直後にドシンッ!背中に強い衝撃。『ん、ん、ん、ん...』こ、呼吸がで、できない。
涙を浮かべながらジャンプ台の脇に這いつくばっていると、稜線にMaakunの姿を確認。とんでもない速さでジャンプ台めがけて一直線で飛び込んで来る。ジャンプ!!ところが勢い余って空中でバランスを崩し、まるで“足を開いたスーパーマン”(ウルトラマンじゃなく)状態で飛んでゆく。『だ、大丈夫かっ!』壊れたロボットのようにスキーやゴーグルや帽子をまき散らしながら止まったMaakunに駆け寄り安否の確認をする僕。すると...雪まみれの顔を上げてMaakunが一言『写真撮れた?』(笑)

助け合いながらカニ歩きで坂を登るAzu&Moe
16:00までスキーを堪能する

思わずシャッターを切るのを忘れてしまったことを告げると、雪面を叩いて悔しがる彼。『もう一回跳ぶから、ちゃんと写真撮ってよね!』3回目以降はさすがに少々怖いのかジャンプの高さが明らかに低いけど、確実に着地成功。でも僕は元・F-2レース専門に写真を撮ってた(高校生の頃ね。一応某・写真誌の月例コンテストも入賞したのです。ちなみに入賞作品のタイトルは“Nothing but Nakajima!”被写体はF-2デビュー戦の中島悟)とは思えないほど、ことごとくシャッターチャンスを逃し続け...結局息子を10回もジャンプさせ(着地成功率は80%!)、最後はデジカメのムービーでの撮影に切り替えるという情けなさ(涙)。


夜はお酒を飲みながら暖炉の前で寛ぐ

本人は10回のうちで一番迫力のないジャンプしか画像に残らなかったことが不満げだったけど、もう足がガクガクになっててこれ以上跳べなくなってたので渋々納得するMaakunだった。目一杯滑って足首から太腿までの広域が一挙に腓返り(こむらがえり)したのを合図に(涙)16:00、今日のスキーはおしまい。

青年の家に戻り、混む前にお風呂に入って、夕食。夕食の後は、18:00頃から子供達を体育館で遊ばせておいて、大人だけで暖炉の前に陣取って消灯時刻の22:30までお喋りを楽しむ。
消灯後は部屋に戻って3時起きなのに最後まで“撃沈”しなかった妙に元気なオッサン3名(NESSYさん、ソブリンさん、僕)で、さらに硬軟まぜまぜなお話を楽しみつつ、乗鞍の夜は更けてゆくのだった。


青年の家から眺める夕焼け(白山連峰方面)

 

 


 


スノーシュ−を履いてバックカントリーをゆく

2日目

翌日、目覚めると窓の外は曇天。天気予報によれば、昼頃から雨(!)も降り出す見込みである。青年の家恒例の「朝の集い」と「清掃作業」を済ませた僕らは、室内で乾かしたウェアを着込んで、スノーブーツとスパッツを履いて外に繰り出す。今日は青年の家のバックカントリーの雪原を歩くスノーシュートレッキングなのである。売店で買い求めた1/10000のオリエンテーリング用地図を見ながら、目的地を日影平山山頂(1595m)に定め、初心者用スキーゲレンデを横切って白樺が点在する美しい森へと分け入ってゆく。


日影平山山頂(1595m)に向けスノーシュ−トレッキング

今回は我が家以外はみんな青年の家でスノーシューをレンタル(ちなみに無料です!)してるということで我が家が唯一のスノーシュートレッキング経験者。
『今日のツアーリーダーはakiちゃんだから、みんな彼の言うことをよ〜く聞いてね!』などとNESSYさんが茶化すけど、僕も“なんちゃって”なんだってば!
リーダーという言葉にプレッシャーを感じつつ、地図と目の前の地形を見比べつつ、みんなを先導してゆくけど、実際には森のなかに数多く案内板が設置されていて迷いようがないってのが実際のところ(笑)。
ゲレンデから森に入って10分ほどの場所で縦に長く伸びた隊列を整えるために立ち止まる。

そこに僕らが見たものは、...周囲を森に囲まれ、子供たちの姿を見失うような障害物もなく、適度な広さの盆地状の雪原。

唯一の崖の向こうには明るく開けた笠ヶ岳を始めとする北アルプスの絶景、しかも吹きだまりになっているからか、他よりも雪が深そうで斜面のたっぷり積もった雪が『掘ってぇ〜ん!』とおいでおいでをしてるように思えたので(笑)、一応メンバーの了解を採って急遽、日影平山登頂を断念して、そこで雪遊びを楽しむことに決める。
スノーシューを履いているときは、かなり堅く締まった感じに思えた雪面も、ブーツだけになるとふくらはぎまですっぽりと沈む感じ。おもむろにPatagoniaのウォータプルーフデイパックからスノーショベルを抜いて(このザックはカヌーでも便利だけど、スノーシュートレッキングにも最高!三本のスノーショベルがワンタッチで固定できる。)、MamaとMaakunに2本を手渡し。3人並んで雪洞掘削開始!まずは積雪量を調べながら緩斜面に縦穴を試掘し、地表面を確認してそこから横に掘り進む。


でも、すぐに雪洞掘りにハマって登頂断念

Papaの雪洞完成!

早速オジョウサマたちの遊び場に

不自然な体勢でショベルを動かし続けているとゴアテックスのウェアでも放散しきれないほどに汗びっしょり。雪洞掘りは立派なスポーツなのである。全く無口になって、ただひたすら雪のブロックを切り出すことに専念すること30分、幅2m奥行1.5mの控え目な雪洞が掘り上がる。入口付近に積み上がった雪のブロックを除去し、縦穴に3段の階段を切り出すとPapa雪洞の完成だ。その後しばらくして僕の右隣にはKoukun&Maakunの少年雪洞、左隣にはアキヒロさん&ソブリンさんの玄人雪洞(笑)...と3つの雪洞が並び、笠ケ岳を望む崖にはスノーダイニングといずみちゃんのイグル−(製作途中)も出来上がり、この雪原の一画はまるで南極の昭和基地のような佇まいを見せている。


ケツ圧で雪のブロックの椅子が崩れ悲鳴を上げる
Mamaとそれを見て笑うNESSYさん&Ruriちゃん

雪洞の換気窓からオコジョのように
顔をのぞかせる少年たち...イイ目をしてる!

3ケ所の雪洞

雪のテーブルでチョコパイを食べるGirls

楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。みんなの作品や中央アルプスの絶景を眺めながらNESSYさんに煎れてもらった暖かいコーヒーをご馳走になっていると、時間は12:00前。昼食のために青年の家に戻らなくてはいけない時刻である。『えぇ〜、もう帰るのぉ!?』Maakun&Koukunの抗議を無視して、再びスノーシューを履いて森を抜け青年の家に向け戻ることにする。森を抜けた瞬間、空から雨粒が落ち始め、それまで無音だった森に雨が雪を叩くザワザワという音が響き始める。『いやぁ〜、ホントにツイてるね!』『誰の心がけがいいんだろ?』軽口を叩きつつ、僕らは雨の雰囲気を楽しみながら青年の家裏のゲレンデを横切るのだった。


イタズラを見つかった子供のような照れ笑いを浮かべる僕(笑)

昼食を終えると、楽しかった青年の家での雪遊びプログラムはいよいよ終わりに近づく。クルマを正面玄関前に回して、家族で協力しながら雪遊びの道具を積み込み、最後に退所手続のためのチェックを受ける。青年の家のスタッフの皆さんの見送りを受けて、雨の青年道路を高山市内へ...。何がなくても高山観光は外せないという高山フリークのNESSYさんとは中橋近くで別れ、僕らはそのまま東海北陸道・清見ICへ。


濃霧の高速。見えるのは先行のALFAリアフォグだけ

清見入口の電光表示板は『高鷲〜美濃 渋滞16km』の表示。『ま、しゃあないな、楽しかったしね。』日帰りスキーとは違って全然疲れてない僕らは余裕の表情だ。清見から荘川へ向う途中で徐々に霧が濃くなり、荘川を過ぎたあたりからフロントスクリーンが白一色になってゆく。
先行のPEUGEOT307がテールランプ右側にリアフォグランプを点す頃には、そのリアフォグだけが頼りの状態。そして高鷲では割り込んできたAlfaRomeo156スポーツワゴンの大きく明るいリアフォグさえもほとんど視認できない。
最悪の道路状況に少し緊張し始めた、その時、車内のiPodから♪Every day,I listen to my heart...♪ホルストの組曲「惑星」“木星”の美しい調べに乗せて囁くような平原綾香の歌が流れ始める。

 

♪Everyday I listen to my hart / 一人じゃない / 深い胸の奥で繋がっている
果てしない時を越えて 輝く星が/出会えた軌跡 教えてくれる
Every day I listen to my hart/一人じゃない この空の御胸に抱かれて/
私のこの両手で何が出来るの/痛みに触れさせて そっと目を閉じて/
夢を失うよりも悲しいことは/自分を信じてあげられないこと/
愛を学ぶために孤独があるなら/意味のないことなど起こりはしない/
心のしじまに 耳を澄まして/私を呼んだならどこへでも行くわ/
あなたのその涙 私のものに/今は自分を抱きしめて 命のぬくもり感じて/
私たちは誰も 一人じゃない/ありのままにずっと愛されている/
望むように生きて輝く未来を/いつまでも歌うわ あなたのために ♪

“JUPITER”(by 平原綾香 )

ミルクを満たした水槽の中を泳いでいるかのような目前の光景に、あまりにもマッチした荘厳な曲と詞...僕らは言葉も忘れてこの曲に聞き入るしかなかった。


QuickTime Movie “JUMPING MAAKUN” 


 


富士見台高原に沈みゆく月

 

2月11日 ベストコンディション!(ヘブンスそのはらスノーワールド)

先週はふたりっきりでスキーを楽しんだ僕ら。ラブラブかどうかはともかく(笑)、大人だけのスキーってのは普段の1/100と言っても過言ではないほど気楽で、ちょっと癖になってしまいそうである。スキーでもこんなに楽なのだから、カヌーやキャンプともなれば、もっと気軽なんだろうなぁ...と、子供のいないor子育て卒業されたご夫婦を羨む僕らだ。...そうは言っても、我が家には紛れもなく2人の子供がいるわけで、たまには子供とも遊ばなけりゃならないのは宿命みたいなもの。今週の水曜日は僕の休日と祭日が重なったので必然的に家族でスキーということに決定だ。


キティちゃんがお出迎え

積雪豊富、休日、好天、...と来れば、みんな考えることは同じ。日帰りスキーヤーが殺到してスキー場銀座周辺は大渋滞が予想されるので、我が家は奥美濃&木曽はパス。(もう少し掘り下げて分析すると...1日だけのお休みだと、翌日の仕事&学校を考えて家族連れでスキーに行く中高年は少ないかも?→体力の有り余る若者が多いんじゃないか?→スノボ禁止のスキー場は空いてるゾ!)で、選んだのは、中央フリーウェ〜イ♪薗原ICから2km・5分のスキーオンリーゲレンデ“ヘブンスそのはらスノーワールド”。そう、去年アキヒロ家と一緒に行った“キティちゃんに会える”スキー場である。
お得意のJAF割引券を握り締めて4:30a.m.出発。ヘブンスまでの200km近い行程の中で一般道はたったの4kmということで、新しく買ったApple iPod&iTrip2から流れる音楽を楽しんでいるうちに、6:00すぎに第一駐車場に到着。本来、雪が少ない恵那山東麓なので、駐車場まで全くノースノーなのは有難い。
リフト券発売開始の7:45までクルマで仮眠をとり、8:00のオープンとともにゴンドラで標高800mの山麓駅から1400mの山頂駅へ一気に上がる。山頂駅でキティちゃんにお出迎えを受け、そこでスキーを履いてエンジェルコースと言う名の連絡路を滑ってセンターハウスへ。

ここは長野県だけど静岡や愛知に近い最も南に位置するスキー場。でも、標高が高くて気温が低いだけにいつもその雪質の良さには感動させられる。整備も行き届いていて、体重移動をするたびにキュッキュッと小気味良い音が鳴る“うぐいす張り”ゲレンデは、僕ら初心者にはとっても滑りやすい。


まずは林道コースで足慣らし

ガードレール&カーブミラー有り

『キャ〜、うさちゃ〜ん!』センターハウスに到着するなり、ウサギ小屋(ウサギが放し飼いになってて自由に触れあうことができる)に突進しようとするAzuを阻止して、2ndクワッドリフトでスキー場のトップ・標高1600mへ。まずは足慣らしということで“林道コース”をダラダラと下る。

 


頂上から南アルプスの眺望を楽しむ

『え〜、こんなに緩かったっけ?ツマランなぁ〜!』前回はスキーを始めて2回目(マイ・スキーを買って初スキー)だったこともあって、この林道コースがMaakunのお気に入りだったけど、10回目の今回ともなると全然物足りないみたい。そこで、次は再びクワッドに乗ってパノラマコースへ。ここは前回Azuを連れてったら、まっ逆さまに滑落して大泣きさせた曰く付きの場所。ところが...へっ?何コレ?Maakunはもちろん、Azuまでもがあちこちで転倒して泣いてる去年のAzuのような子供たちを器用に避けながらスイスイ滑っていくじゃないか!去年は滑りに精一杯だった僕も、カメラを構えたままで全然ヘーキ。ヤッパリウマクナッテルンダ...ココロから実感したのである。
パノラマCを何度かと、7thペアでサウスウィングCの下半分を一回滑って調子に乗った僕らは、良いイメージを残したまま、10:00、ちょっと早めのランチタイム。


リフトで影絵遊び(うさぎ)


かなりのスピードで大きく弧を描いてカービングを楽しむMaakun

 


稜線をゆくAzu&Mama

約束通りウサギ小屋でウサギと戯れた後は、3rdペアに乗って去年は『まるっきり壁じゃん、くわばらクワバラ...。』なんて感じてたサウスウィンドCのav.28°のトップへと向う。天然雪コブ斜面のチャンピオンC(本日、というかほとんど閉鎖中)を除けば、ヘブンスで最高斜度のこのコースだ。実際にトップに立つと決して“壁”なんかじゃなく、我が家でも問題なく滑れそうだなぁ〜、なんて思ってたらMaakunがさっさと滑り切って、下で手を振ってる(笑)。
Azuも意気揚々と滑り始めるけど、プルークファーレン(ハの字ブレ−キ)&後傾姿勢ではコブで跳ねた瞬間にエッジが効かなくなって、すぐ転倒。一回転倒すると、それまで張詰めていた気持ちがブチッと切れて見る見るうちに涙が湧いてくる。
『いややぁ〜、スキーはもういややぁぁぁ。』いつものパターンである(涙)。

シクシクメソメソなAzuを何とかセンターハウスまで連れて行くけど、彼女のご機嫌は斜めのまま。スタスタとエンジェルコースの4thペアリフト、つまり“お帰りはこちら”方面とへ歩き始める。『もう、帰るもん。』

母親に似て頑固なAzuだけど、こういうタイプのオンナの取扱いには慣れてる僕(笑)。いつもは優しく猫撫で声でホメるんだけど、いつもいつもだと図に乗るので、時には強く厳しくってことで強く叱ることにする。
『帰れ帰れ!ひとりで帰っちゃえ!でも、そんなんじゃ、もう、2度とスキーなんか来ないぞ!』
再び涙ポロロン→号泣なAzuを確認し、ここぞとばかりに耳元で囁く。
『せっかく上手になったのになぁ。パパ感心してたんだぞ、ホントは...』
ここでAzuのおめめにキラ〜ン♪と光が宿る。
『ワタシ、上手になったって思う?』
『ああ、去年はエンジェルコースでも怖がってただろ?なのに、パノラマコース上手に滑ってたじゃないか!』
『ホントにホント?』


Azu、メソメソの後、悔しさをバネに...

『うん、でもハの字でまっすぐ滑ってるだけじゃ、さっきのコースは怖いだけだぞ。前に教えたように、ゲレンデの幅をおお〜きく使ってギ〜ザギ〜ザって進んでごらん。それで、ハの字は曲がる時だけ。曲がろうと思ったら内側の足を少し上げてペッタン!って鳴らして外側の足に揃えてみるとキュッて曲がれるよ。』
『うん、やってみる!』はい、一丁上がり!(笑)


Azu、サウスウィングコース(28°)に飛び込む!

再びサウスウィンドのトップへ。
『よ〜し、行こうか!』『うん!』
最初は傾斜とほぼ直角に、徐々に角度をつけてスピードを上げるAzu。
『そ〜だ、よ〜し、上手いぞ!よし、曲がれ!』
僕の指示に合わせて大きくターン。
『いいねぇ〜!いいぞ〜!』
まるで撮影中のシノヤマキシンのように褒めちぎると、徐々に後傾が改善され、視線が足元から少しづつ遠くに移り始める。
『よしよし、いいねぇ〜!ペッタンやってみようか?よ〜しペッタン!』
安全に曲がれたAzuの小さな笑顔を見逃さずに、さらに続ける。
『ホラ、スキーがハの字じゃなくても怖くないだろ?さあ、ギ〜ザギ〜ザをギザ!ギザ!って早く曲がってみようか?よ〜し、ギザ!はい、ギザ!』
僕の掛け声に合わせてステップを加えた小さなターンを繰り返すAzu。

すぐに両方のスキーの山側エッジから雪煙が上がり、2本のスキーが平行に揃う。
『じゃあ、ペッタン!やめて内側をシュッシュッ!ってズラしてやってみようか?』
ザッザッという規則的なエッジ音とともに雪煙を上げ、Azuのシュテムターン完成!
『なんか、横に滑ってキモチいいっ!』
Azuちゃんゴキゲン!
シュテムターンでパノラマCを楽々で滑り、もう一度サウスウィンドCで自信を深めたところで、午後になって少し混雑してリフト待ちの列が伸び始めた14:30、今日のスキーはオシマイにする。ここで欲張るとまた再び落とし穴に落ちるので、良いイメージを残したまま終えるのも大切な心掛け。え?終わり?もっと続けたいのにぃ!ってな小さな落胆を感じさせるのがこのタイプのオンナを落とすミソだしね(しつこい?...笑)


突然シュテムターンが出来るようになったAzu


MamaをアオるMaakun

山頂駅横のマウンテンロッジでキティちゃんのステッカーを買ってもらって最高にゴキゲンなAzuと、もう少し滑りたくてちょっと不満げなMaakun、ワタシだけ進歩がなかったわ。きっとスキー板が悪いのよ!とつぶやくMama...それぞれの感想を語り合いながらゴンドラで山麓に降り立った僕ら。山麓の屋台で信州名物・おやきを幾つか買い込んで、スキー場を後にする。

上達したのはAzuばかりじゃない!(^^)

テキパキと片付けを済ませたおかげでまだ15:00過ぎってこともあって、そのまま薗原ICを通り過ぎて、5kmほど先にある昼神温泉へと向う。ヘブンスのコースマップを提示すると入浴料が¥1000→¥500にディスカウントされる“リフレッシュinnひるがみの森”の円やかなお湯で疲れを癒し、長風呂の女性陣を待ちつつロビーのソファでウトウト居眠りな僕。
そんな時...
『あったぁ〜!』
突如、Maakunがロビーの客がみんな振り向くほどの大声を上げる。
『無添加!無着色!これだよぉ〜あったよぉ〜見つけたよぉ〜!』
感涙に咽びそうになりながら、彼がピョンピョン跳ねている。な、なんだ!?何があったんだ?


ちょっと早めにゴンドラで山麓へ

この色の悪さがホンモノの証し

彼の手にあるもの...それは...干しイチゴ!去年のモンデウスで大ファンになって以来、探し続けること1年間。のべ50軒以上もの土産物屋で尋ね回ったあの、伝説の干しイチゴが売ってたのだ!
『最高!もう、最高!幸せすぎるよ!』
Maakunの芝居がかったような、でも本気の喜び方に小さく微笑んで、僕は再びフカフカソファに身体を沈め、心地よい眠りに入るのだった。う〜ん、極楽ゴクラク...


今日はヘブンスそのはらの全コースを制覇。自信がついたよね。

 

 


 

2月4日 子鬼の居ぬ間に...(ウィングヒルズ白鳥リゾート) 

 


もうこの道路状況にも慣れました(涙)

先月の後半から諸般の事情によりしばらくは土日が休めなくなってしまった。これまで散々お出かけしてきただけに急に行けなくなるとその落差は大きいんだけど、何事も前向きに考えないと先に進めないので「週末に休めない」んじゃなく「平日に休めるのだ!」と考えることにする。
で、休みが取れた水曜日、久々に平日スキーに行ってみようかと思い立つ。
“鬼の居ぬ間に”じゃないけど、我が家の子鬼たちが学校に行ってる間にふたりでスキーに行くというイケナイ計画なのだ。

何事もないかのように『いってらっしゃ〜い!』と子供を学校に送り出した後、大急ぎで準備をして、ちょっとここに書けないようなスピードでぶっ飛ばして、奥美濃にある“ウィングヒルズ白鳥リゾート”へ。
なんでウィングヒルズ?...かと言えばMaakunのMTB買った時に景品で平日無料リフト券をゲットしてたから。つまりタダなワケです!
ウィングヒルズと言えば僕らが若い頃には会員制だったか予約制だったかで、キャパに合わせて一日の入場者数を制限してた、いわば“一見さんお断り”なスキー場だったので、ちょっと敷居が高い感じで(学生時代に先輩に連れて行ってもらった祇園のお茶屋さんで超・緊張したイヤな思い出が蘇るなぁ...)これまで敬遠してたけど、最近は大型スキー量販店の傘下に入ってごく普通のスキー場に変身したみたい。


新しいスキーたち

覚悟していた平日の通勤ラッシュにも巻き込まれず、クリスタルKの英語バージョンなんかをガンガン流しながら晴天の高速を快調に飛ばして北に向かう僕らだけど、やっぱりイケナイことは出来ないもの(笑)。
岐阜県に入った途端、青空はみるみるうちに真っ黒な雲に覆われて雪が降り始め、郡上ICからの路面は完全に真っ白な状態。チェーン装着のためにテンでバラバラに路肩に停まった無法地帯状態のクルマを避けつつ、なんとか白鳥ICまで辿り着き、そこからアイスバーンに新雪フカフカな急峻な山坂道をスキー場へ。
さすがのDisco&Michelin4×4Alpinを持ってしても滑りは止まらず、ヘアピンカーブの度にテールスライド&カウンターステアの連続。
『スキー場に着く前からスキーしてどうするのよ!』などとのたまう助手席のお気楽パッセンジャーに少々怒りを感じつつ、峠の向こうは青い空!の期待に胸を膨らませながら慣れない雪道をドライブ。

ところが...現地は吹雪でホワイトアウト状態(涙)。最後に駐車場入口でTC(トラクションコントロール)アラートが点灯し、グガガガガとABSの作動音を響かせつつ僕らはスキー場に到着。ワイパーを止めると吹きすさぶ雪が積もって誰にも見えないよん!な車内で手早く着替えを済ませ、ゲレンデへ。

平日だというのにかなりの人出だけど、ほぼリフト待ちはない状態だ。ゲレンデはほぼ90%がスノボ。しかも子供や中高年の姿は全くなく、良く見ればカップルも若い女の子もほとんどいない...つまり20代前半の野郎ばかりで、どこかと同じ雰囲気だなぁって、よくよく考えてみたら...ビデオレンタルのアダルトコーナー状態なのである(涙)。
『ねぇ、ここはYoung Boy ONLYゲレンデなの?それとも、今日は25歳以下の男性感謝デーだったりして(笑)』
ともちゃん、若い男性に囲まれ、込み上げる嬉しさを隠して戸惑ったふフリをして一言(笑)。
今回はふたりともオークションで落としたおNEW(中古だけどね...)のスキーなのでまずは“アトリウムゲレンデ”(1000m/max.15°/av.12°=以下G)で足慣らし。ところが視界は数メートルで、自分の滑ってる雪面が良く見えないようなブリザードが吹き荒れてるので、いくら初級者ゲレンデでも気が抜けない。


冷た〜い!

容赦なく吹き付ける雪が頬を叩き痛いほど。それでも...
『いやぁ〜、子供に内緒で親だけスキーなんて、やっぱバチ当たっちゃったわねぇ〜。でも楽しいなぁ〜!』頬に積雪させてもなお、ニコニコ顔の僕ら(笑)だ。


ホワイトアウト状態のゲレンデ

2本目は2300mのゴンドラに乗って尾根に沿って3.5kmのロングクルージングが楽しめる“スカイフロントコース”(3500m/max.15°/av.9°=以下C)へ。そして、そこから枝分かれした“ビアンコガーデンC”(350m/max.23°/av.18°)、“シャンデリアの丘C”(400m/max.25°/av.18°)など、上級者が猛スピードで技を競っている“タワーリングDH”や“ダイビングC”以外の中級コースを順番にひとつづつ滑ってゆく。
雪が深いのと視界が悪いので太腿に変な力が入って非常に疲れるんだけど、『今日はオレ達、デートだから、それらしいコースも滑んないとな。』などと言い訳をしつつ“グリーンシェードの小径”(1000m/max.12°/av.9°)なるお気楽コースで老体を休ませることもできる。元気を取り戻すと、美しい白樺林を縫うように設定された快適な“クルージングC”(2000m/max.23°/av.13°)を楽しむ。


ほとんどスケートのように滑れるFUNDRIVE

転倒!(^^)

『このコース、Azuでも大丈夫だわね。』『Maakunだと物足りないかもなぁ。』PapaやMamaであることを忘れてラブラブ・モードを楽しみにやってきたはずだけど、やっぱり子供達のことが気に掛かる僕ら。どうやら、まだ子離れは時期尚早みたいだ(笑)。
淋しくない程度に混んでいるレストランでのランチをはさんで、ガンガン滑る僕ら。午後になって更に雪が激しくなってコンディションは悪化の一途だけど、子供を気にせず純粋にスキーを愉しむことが出来てココロの中はウヒヒヒ状態。


帰る時刻になっても降り止まぬ雪

東海北陸道からの景色

もっと滑ってたい気持ちは山々だったけど、僕らは若いカップルじゃなく30代後半のPapa&Mamaなわけで、シンデレラじゃないけど、子鬼(♀)がピアノのレッスン、そして子鬼(♂)が友達の家から帰宅する前に何事もなかったかのように、いつもの小ウルサい両親に戻らなくてはならない運命である。
僕らは夫婦なので、一宮ICを日没後に通過(この時刻が肝心!...笑)しながら『疲れただろ?ちょっと休憩していこうよ。』なんて言わなければならない“何故か疲れちゃうんだ一宮”計画(コレが解るアナタはワ・ル・イ・ヒ・ト...笑)もあるわきゃないので、15:00で今日のスキーはThe End。着替えもそこそこに、前夜にiTuneで編集した“My Favorite FEB.2004”なるオンナゴコロを蕩けさせる(...はずの)“イチコロ”CDの音楽とABS&TCのグガガガガァ〜ってな不粋な音が響かせながら、僕らのドリフトマシン・Discoは家路を急ぐのであった。
『来週は子供達と一緒に来ましょうね。』『そ〜だね。』
トンネルを抜けるとそこからはオヤジとオバハンだった...次にこのタイムトンネルをくぐることができるのは何時のことだろう...。


パウダースノーを満喫

 

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