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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

September.2003 part2

 

 


青い空、緑の山、そしてジェット船とカヌー

 

9月14-15日 瀞峡ダウンリバー&和具の浜シュノーケリング

晴天の“敬老の日三連休”初日。忙しかった一日の仕事を終え、18:00少し前、僕は家に向けクルマを走らせていた。それなりに努力しないと暦通り休めることのない我が家。Mamaは『16日はパパのお誕生日だから、この連休は好きに使っていいのよ。』などと殊勝なことを言ってたけど、仕事にしようかなぁ?それとも明日日帰りで噂の和具の浜へシュノーケリングにでも行くかなぁ?...などと考えながら、ふと今日も仕事のご同輩・マジコさんの顔が思い浮かび、クルマを脇に停めて“お仕事お疲れサマ”コール。仕事の話から和具の浜、熊野川へとどんどん話の内容が南下(笑)。なんだかカヌーしたいぞ!そんな気分で帰宅すると...
『ほら、パパ、熊野川行くわよっ!準備して!』へっ?『明日は熊野川よ!キャンプよ!あなたの希望通り。なんたってお誕生日だもん(笑)』ナントも素早い決定なのである。

カヌーをカートップしてから19:00一応キャンプ場に予約電話を入れる。そしてその後参加が決まったマジコさんと連絡を取り(順序が逆でしょ?)、今回はジェット船運航前の北山川24kmをダウンリバーすることに決定。ジェット船の始発から逆算すると、集合は三和大橋・熊野川町役場前6:00a.m....ってことは、遅くとも2:30a.m.に起きて家を3:30a.m.出発...おいおい、あと6時間しかないよっ!

当然のことながらキャンプの準備は省略(笑)。ま、なんとかなるだろうナ、などと自分に言い訳をしながら、『世界不思議発見!』アイルランド特集を見てからベッドに入る。

予定通り3時起床、3時30分出発。当然のことながら、この30分はバスケットボールの試合並みの動きが必要(笑)。漆黒の高速を抜け、R42を南に向けひた走る現代の幌馬車Disco&Casita。古里ビーチで美しい日の出に感動し、晴れ上がった青空の下をさらに南下、穏やかな流れの熊野川を渡り和歌山県へ。R42を右に折れ、熊野川沿いを上流へ。目の前に広がるV字型の広い渓谷。飛雪の滝あたりで上流から猛烈な勢いで流れ下ってくる白い壁...そう、川霧の塊が見る見るうちに青い空を覆い尽くす。紀伊半島随一の大河・熊野川らしい壮大な光景である。


熊野川6:00a.m. 川霧が猛烈なスピードで流れ下る

6:15すでにマジコ家がお待ちかねの三和大橋下流にある熊野川町役場前に到着。朝食を食べてるマジコ家とともに、ここで着替えを済ませ、今日の予定を確認。スタートは下瀞ジェット船発着所・田戸。ゴールをどこにするか迷うけど、ジェット船に乗ってみた〜い!という子供たちの希望で、同じくジェット船の下流側発着所・志古をゴールに決める。


深い渓谷の底にはまだ太陽は届かない

田戸〜志古の区間は距離24km、カヌーマラソンペースなら2時間半、普通に漕いでも4時間余り。しかもゴールのあと片道切符のジェット船でスタートポイントに戻ればいいのでクルマの回送は不要。蛇行を繰り返す川は24kmだけど、山中をウネウネと走る道路も同じぐらいの距離になるので、Papaたちは非常に有難い計画だ。

そうと決まれば我が家の着替えルーム・カシータを志古ジェット船乗り場前の広大な観光駐車場(無料)に駐車して(ウェットスーツでのジェット船乗船はマナー違反なので着替えが必要。大荷物&ウェットは乗船拒否されることもあるとの未確認情報も。)、二台のクルマは田戸へ。
1.5車線幅の山坂道と長く狭い田戸トンネルを抜け、一時間ほどで田戸に到着。
駐在所前にクルマを停めて、瀞ホテル横の地獄の階段を荷降ろし。

瀞ホテルの軒にカヌーをぶつけないように注意しながら急傾斜の階段を一歩一歩注意深く下りる。この階段のクランクは裏返しにしたカヌーをふたりで担ぐと通れないという狭さ。あくまでひとりで運ぶしかないのだ。2艇のカヌーを下ろすのは確かにとても辛い作業だけど、1艇なのに5往復した前回の家族川下りに比べれば、今回は3往復。少しだけ大人になった息子の存在が光るのである。(サンキュー!>Maakun)


田戸に勢揃いしたカヌー

8:30スタート

クルマを郵便局前の広い駐車場に移動し、ジェット船発着所の河原へ下りると、8:30、いよいよダウンリバースタートだ。Sevylor RIVER X-K2をシングルパドルで操るマジコさん、初スターンのnokoさんはギンギングラマン(バウははるちゃんとひよちゃんの交代で)、Mama&MaakunのHUNTER、そしてPapa&Azu&かれんちゃんのCAMPERという4艇の船団だ。

両岸にそそり立つ岩壁のせいで、8時半だというのにまだ仄かに暗い瀞峡はジェット船運航前の静けさ。パドルから落ちる水滴の音が響き、水琴窟のよう。


ようやく朝の光が射す

Maakunも真剣に漕ぐ

この峡谷独特の白っぽい緑色の水面をしばらく進むと、左岸に巨大な崩落岩が見える。岩壁と寄り添うようにもたれる崩落岩の間には僅かな隙間があり、条件の良い時にはトンネルのようにくぐることが出来るのだが...今日の水位は岩くぐりにぴったりで、全幅91cmのCAMPERがギリギリ通れる。全艇が岩くぐりを楽しみ、亀岩をはじめとする奇岩を眺めながらなおも瀞峡を進む。


瀞峡独特の色彩が僕らを包む

 

スターンママたちのカヌー


崩落岩のトンネルを抜ける

両岸にそそりたつ岩壁の幅が広がり流速が増し始めると、ここからは痛快な瀬と美しい瀞場が交互に現れる本格的なダウンリバーの始まりだ!
ところが今日はいつもとちょっと様子が違う。初めての瀬に差し掛かると、瀬の両岸に人影...
ん?釣り師?鮎の友釣りの釣り師が両岸に10人ほど立ち、いきなり釣り竿のトンネルが出来ている!北山川に竿トンネル??そ、そんなバカな!?
...でも目の前の光景は紛れもない現実。夢なんかじゃない。瀬が現れるたびに竿のトンネルをくぐり、なんだか信じられない気持ちのまま下地の瀞の郷キャンプ場前に到着。船着き場で出港準備中の民宿「はるや」のおじさんに状況を尋ねることにする。
『鮎釣り大会?ちゃうちゃう(笑)あのでっかい台風が行ってからっちゅうもん、鮎が好漁なんよぉ。』そ、そんなんですか?
『今日はジェットも増発やから気〜付けてなぁ。』

そうこうしてるうちにウゥゥゥ〜!重低音が谷に響く。船体は見えないけど、河原の向こう側に黄色い旗が移動しているのが見え始める。ジェット船の一番船登場だ。河原から姿を現すと、そのエンジン音はウゥゥゥ〜!からブロロロロに変わる。左岸寄りでバウをジェット船に向ける“対ジェット船ポジション”で通過を待つ。

僕らを視認したジェット船はスロットルを戻しスピードを落としてくれる。すれ違い際にジェット船の運転士さんが右手を小さく上げ「サンキュー」の仕種を見せる。僕もパドルを掲げて『どういたしまして』の合図。実は僕はこのやりとりが大好きだ。
きっと彼らにとって僕らカヌーイストは邪魔以外の何者でもない存在だと思う。きっとカヌーイスト&カヤッカーの中には、早めの退避を心掛けている僕らのような人ばかりじゃないわけで、油断してる人、技術的に未熟で避けきれない人、そしてジェット船に対して悪意を持ってわざと避けない奴もいるだろう。運転士さんの多くは正直うんざりしてるに違いない。熊野川でジェット船は10tダンプであり、カヌーは自転車なのだから。


瀞峡をゆくお嬢さまたちと執事

早くも観光ジェット船一番船登場!

それなのに彼らはあくまで紳士なのである。今回すれ違ったジェット船のほとんどが僕らの直前で徐行し、そのうちの半数近くが手を上げたり短く汽笛を鳴らして「サンキュー」の意志を表して通り過ぎてゆく。
もし僕が逆の立場だったら...出来るだろうか?
たぶん...
「ファ〜ン!ファ〜ン!ファ〜ン!(警笛)ウロチョロすんな!ボケッ!」だろうな(涙)。


ジェット船からの波にバウを向けて待機するMaakun&Mama

 


滑り台石を横目に漕ぎ進む(後方に竿が見える?)

ジェット船の好意に少し感動していると、早くも僕らの前には鮎釣り師の竿のトンネル。可能な限り本流を避け釣り師の背中を通るよう心掛けてはいるけど、それでも狭い瀬ではトンネルをくぐらざるを得ない場合も多い。さすがに本流を行く時は釣り師に話し掛けるワケにもいかないけど、先頭で背面を通過する時はアレコレ会話も弾む。『台風の後、好漁ってホンマですかぁ?』苦笑いしながら指で×の人、『オジョウちゃん、頑張りや〜!』振り返ってAzuたちに手を振ってくれる人、『なんやぁ、前通ったらええんよぉ〜!』とトンネル通過を勧める人...概ね雰囲気は悪くない。最初は少し緊張気味だった僕らも、瀬のたびに現れる竿のトンネルに徐々に大胆になってきて、♪バァ〜ス釣り・じゃ・な・い、ア〜ユ釣り・な・の・よ、釣〜り竿のトンネル、ぬけてゆくぅ〜♪(「バスバス走る」の曲で)などと替え歌を口ずさみながら、遠慮がちに、時には堂々と本流を下る(笑)。

そんな鮎釣り師のトンネルをかすめるようにジェット船が往来する。ジェット船通過の際には、さすがの釣り師達も竿を上げるものの決して避難する様子はなく、ジェット船のそば数mの釣り師はジェット船の波を肩まで浴びるほどだ。

『ここはな、ジェットが通る川やからな、糸でも切らん限りニイちゃんらの静かなフネに文句つける奴はおらんのよ。』
初めてここを下った時の釣り師の言葉を思い出し、それでもボウズでイライラしてるかも知れへんし、と自分を戒めながら可能な限り側流を下る僕らだった。

適時休憩を取りつつ、16kmポイント竹筒手前の河原でランチタイム。河原に座っておにぎりを食べながら『ねぇ、今日は全部で何キロなの?』ちょっとお疲れモードのMamaが尋ねてくる。『う〜ん、20kmもないよ。』(ホントは24kmだけど...笑)実は彼女、ソロでの最高距離は時速7〜8kmで流れる熊野川下流部の20km。それでも15kmを超え流れが止まる辺りで不平不満ブーブー(笑)『ワタシ、15キロの女だからね!』という彼女の言葉に、♪そうよ、ワ・タ・シは15キロのオンナァ〜♪(by Kenichi Mikawa)という曲が頭の中で鳴り響く僕なのだった。


休憩中も泳ぎ続け休憩にならない

ランチタイムの間も目の前をジェット船が何隻も通過する。これまで下ったなかでも一ニを争うほどの大増発。通過するたびに、50cm程度の大波が岸辺を洗う。はるちゃんとひよちゃんは、カヌーのバウに乗って波を受けて大きく揺れるカヌーで“バウ・ロデオ”を、Maakunはジェット船を背にして波に乗る“ボードレス・ボディボード”をそれぞれ楽しむ。


ジェット船の波でバウロデオを楽しむ

Azu&かれんちゃんは、Mamaの帽子に留まった美しい蝶に首っ丈!この美しい蝶はとにかくMamaが大好き。Mamaが帽子を取っても何をしても彼女から離れることはない。しかも渦巻き状のストローを伸ばしてMamaにキスし始める始末(笑)。Mamaに10分ほどしても離れないので『ほら、ワタシは花だもんね!』などとワルノリしてたら、ひらひらと飛んで、今度はAzuやかれんちゃんの手に留まり“手のり蝶々”状態。早くも娘たちはこの蝶に“キョン”ちゃんと名前を付けて大喜び。ちょっとお疲れモードだった女性陣も、この蝶に癒されて元気を取り戻すのだった。

一時間ほどをこの河原で過ごした僕らは、再び川の上の人になる。下流に進むにしたがってさらに多くなる鮎釣り師とジェット船。でも、僕らの気分はそんなに悪くはない。


人懐っこい蝶

ストロー伸ばしてるよっ!

お嬢さまたちの手にも!

私のお気に入りは、このオバサン

ジェット船に水を掛けるMaakun(バカ?)

迫り来るジェット船とブローチのような蝶

*ちなみにこの蝶の名はコムラサキ。
想像通り、鱗粉が青く光る(幻光)から♂なんだそうだけど、花に留まることは稀でクヌギの樹液を吸うそうだ。...ってことは日本酒にメロメロになって集まるカブトムシと同じってこと?そういえば、誰かさん、ランチタイムにビール飲みまくってたなぁ...笑

←ピンぼけを無理矢理シャープにレタッチしたので見づらいかも知れないけど、ムラサキの幻光が見えますか?

ただ心配なのはゴールへの到着が何時になるかだ。いつもなら4時間ほどのコースなので昼過ぎにはゴールするはずなのに、スタートから5時間が経過した時点で、いまだ十津川合流点はおろか九重にも達していない。しかもジェット船の最終便は...『4時頃まではあるんじゃないの?たぶん。』(by Mama)とかなりいい加減。まさかこんなに時間が掛かるとは思わなかったので時刻表を確かめることもせずに出発したことを後悔する僕ら(涙)。ジェット船最終便に乗り遅れると、Discoとギンギンリバティが置き去りにしてある田戸へ戻る術がなくなることを意味するのだ。


九重の早瀬をゆくnokoさん

そんなわけで、ちょっとペースを早めて漕ごうとするけど、林立する鮎釣り師&“動く2級の瀬”ジェット船を避けるために、本流を漕がせてもらえず側流&エディばかりでは一向に距離が稼げない。『何かカヌーマラソンみたいな雰囲気だなぁ...』そんな感じで苦笑しつつ、とにかく先を急ぐ。

15:00、北山川は十津川と合流して熊野川と名前を変える。ここまで来ると急にジェット船が上って来なくなる。お、おかしい!僕は先に行くことをMamaに告げ、急いで志古を目指す。合流点から10分、志古発着場が見えて来たところで2隻のジェット船が上流に向け出航するのが見える。その10分後、僕が志古発着場に到着。船着き場に着岸の際『カヌーのお客さんは57番船の上流に小さな流れ込みがありますから、そちらへどうぞ〜!』と誘導のアナウンスに従って支流にカヌーを着けると、搭乗口のエスカレーターを駆け上がり、乗船券売場へ...『本日の運航は終了しました』ガ〜ン!最終便は15:10だったのだ...肩を落としてトボトボとカヌーに向け歩く僕。そこへジェット船のユニフォームを着た男性が声を掛けて来る。


狭い瀬ではこんな至近距離ですれ違うことも

『どうしよったん?』『いや、田戸行き乗り遅れてもぅて。』『そりゃ大変やな〜、今日は日曜やからバスは玉置口までしか行かへんしよ...タクシィーしかないなぁ。ほんまここは不便なとこやから、タクシィー呼んでも来〜ひんかもなぁ。新宮から呼ぶと回送料かかるし...よっしゃ、本宮のタクシー問い合わせたるから待っときよぉ〜』と事務所に入り熱心に何軒も電話してくださるジェットの運転士さん。一本、ニ本...電話を切る度指でペケ印。『あかんわぁ〜、出ぇへん。』そして三本目。しかめ面の彼の顔が緩み、OKサイン。『カヌーのお客さんがよ、フネ乗り遅れてしもてよ、田戸までなんやけどよぉ...』熱心に交渉してくれたおかげでタクシーが来てくれることに。『10分で黒塗り来るそうやわ。ちいと高いけど、まぁ良かったな。』ホッと一安心の僕とマジコさん。ほんと、熊野の人情に触れ感動の一瞬だ。


小口家族キャンプ村の夜

Mamaたちにカシータのキーを渡して着替えるよう伝えていると、10分きっかりでやってきたタクシー。僕らは“黒塗り”で田戸へ。(タクシー料金は¥5950。家族全員でジェット船に乗ったのとほぼ同額でした。)田戸から山坂道を飛ばして志古に戻り、駐車場横のスロープで発着場に降りてカヌー&装備を積み終えたのが17:30。
さて、ココでまたまた心配なことがひとつ。忘れてたけどキャンプ場のチェックインって17:00までじゃなかったっけ??慌てて赤木川沿いを小口家族キャンプ村へ急ぐ。恐る恐るゲートを越えると、エンジン草刈り機を肩に掛けたおじいちゃんがニコニコ顔で近づいて来る。『○○さんですねぇ?』は、はいそうですけど...遅れまして申し訳ありませんです。『いえいえエエんですよ。お待ちしとりました。今日は空いとるけぇ、あ、いや、いつでも空いとるんやが...どこでも好きな場所選んでください。』そんなわけで無事キャンプ場に入ることができた(ホッ!)

日没と競争するかのように設営を済ませた僕らは、熊野川温泉へ。食事を済ませ、温泉でゆったりリラックスした後は、ロビーで美味しいコーヒー牛乳を飲む。プハァ〜!さっぱりスッキリな僕らは、そのままキャンプ場に戻り、ガダパウトに腰掛けてビールを飲む。プハァ〜〜〜!さて、お楽しみの大人の談笑タイムだ...と思ってたら、急に眠気が(涙)そ、そういえばすでに起きてから20時間経過してるんだった。
タフなマジコさん&nokoさん&Mamaはその後も何やら楽しい時間を過ごしたらしいけど、どうしても眠気に勝てない僕は先にオヤスミなさいすることにして、シュラフに入って5秒で爆睡...何も覚えてないのであった。ZZZZZ....

 


ガシガシ漕ぎ進むスターンママたち(バウキッズはお昼寝中)



小口家族キャンプ村の朝

昨夜は10時にはシュラフにもぐり込んだというのに、朝までぐっすり...7:00過ぎに目が覚める。キャンプで9時間も寝てたらモッタイないとは思うけど、家より寝心地が良いんだからしょうがない。サイドオーニングの下に干したウェットスーツやラッシュガードを、日当たりの良い、英国・Land Rover社製物干台(笑)に移し朝食の準備に取りかかる。今朝の朝食は準備不足ということもあって、ハムとチーズのホットサンド、焼きスパム、そしてフルーチェ(笑)。


アクティブキャンプは最小限の道具で

LandRover社製 物干台

朝食を終えると、すぐに撤収に取りかかる。今回は到着も遅く、キャンプそのものを楽しむわけではないので、道具も最小限。広く美しい芝生のサイトのごく一部しか使わなかったこともあって短時間で撤収が完了する。撤収の最中にトイレのブラックタンクに消毒用薬品の溶液を満タンにしたままだったことに気付く。(慌てて出発してきたからなぁ...Casitaが妙に重く感じたのはそのせいかな?)撤収がほぼ完了してから、管理棟へチェックインの手続きに向う(チェック“イン”ですよ...笑)。広く手入れの行き届いたサイト、過不足のない設備、マジメそうで意外と愛嬌のある管理人さん、そして濃〜い熊野の自然...家族4人、カシータ、電源付で¥4500+税は納得プライスだ。(まだキャンプ場前の赤木川で遊んだことないけど、ここがまた素晴らしい雰囲気!もしかしたら宮川・某支流よりもキレイかも?)


広い芝生サイト

SPAMをかじるMama


夏のような日射しでラッシュガードもすぐに乾く


10:00、僕らは今日の遊び場である海山町・和具の浜に向けて出発。
熊野川沿いの道の駅「熊野川」内の“かあちゃんの店”で名物・めはりずしをテイクアウトし、途中のコンビニ(ビーチで戴くデザート購入)や釣り具店(魚を突くヤスを4本購入)に立ち寄りつつR42を北上する。「相も変わらず美人な」銚子川を渡り、R42とお別れし、島勝漁港方面へ。トンネルを3つ越えた瞬間、僕らの前に広がる光景に度胆を抜かれる。美しく整備されたロータリー、広いパーキング、そして美しい芝生の中に建つオレンジの洋瓦とベージュの壁がおしゃれな建物...ココハ、ドコ?ニース?コスタ・デル・ソル?...いいえ、ここは和具の浜(笑)。海山町営の海水浴場なのである。

 


和具の浜。気分は南欧?

まるで運転が下手なトレーラー乗り(つまり僕)のために造られたかのようなパーキングは、さすがの僕も一発車庫入れ完了。Discoを切り離し、その場でラッシュガード&ウェットパンツに着替え、マスク&シュノーケルを身に着け海に飛び込んで行く!うおぉっ〜〜!ブクブクブク...口にくわえたシュノーケルノマウスピースを吐き出してしまいそうになるほどの驚きが僕を襲う。ナ、ナンナンダ!コレは!確かに施設は素晴らしいけど、ビーチはそんなに広くなくて、どこにでもあるフツーな感じが漂うのに、一旦水中を覗くと、そこに広がるのは水族館のメイン水槽!!透明な水の中を手を伸ばせば届きそうな至近距離を色とりどりの魚が舞い泳ぎ、派手な色合いの海藻が揺らめく...そこはまさに珊瑚がない亜熱帯の海!子供の頃、絵本で見た竜宮城を連想させる雰囲気に、僕は自分が肺呼吸であることも忘れて魅入ってしまうのだった。


ここは何処?通勤圏内にこんな海がある幸せ...

これはもう見てるだけで充分に満足なんだけど、前日ここを訪れた友人から、イルカと泳ぐ“ドルフィンスイム”ならぬ“イカスイム”を楽しみ、タコを始め獲物多数!ってな情報を得ているママ漁師とその息子はヤスを手に沖へ出て行く。
(ちなみに:Mamaはカナヅチ。プールでは25mはおろか10mも泳げない。でも竿やヤスを持つとカナヅチが木鎚に変身し、イルカのようにスイスイ泳ぐ...これ、我が家の七不思議)

青や黄色の派手な南方系の魚に混じって回遊するベラやボラ、かなり大型のサヨリ(針魚)を見つけた僕もデジカメをヤスに持ち替え、漁に励む。ところが!カメラがヤスに変わった途端、僕のまわりは全て熱帯魚に埋め尽され、慌ててヤスをデジカメに持ち替えると、今度はボラやサヨリが寄ってくる...う〜ん、ヤツら俺の脳波を読んでるな!そうとしか思えない現象だ。


僕の脇をすり抜けてゆくボラ

(ちなみに2:先日銛で負傷し救急車で運ばれる事故がありヤスや銛のビーチでの使用は禁止されています。あくまでビーチ内ではキャップを外さず、岩礁の外でのみ使用しましょう。)

一時間ほどほとんど顔を上げずにプカプカ浮かんでたせいで、身体が冷えきってしまったので、ラッシュガードにウェットトップを重ね着して、さらに漁&シュノーケリングに励む。あんまり好きじゃないけど、食べられるし大物ということでボラを狙うけど、どうもコントロールが上手くいかず必ず尾ビレに当たってしまうので、デジカメでの撮影に専念することにする(涙)。
デジカメを構えていると水流を感じるほどの至近距離をボラが追い越してゆく。しばらくしてマジコさんがベラをゲット!極彩色の派手な姿だけど美味しいらしい。
(正直なところ、山の生まれの僕は海の魚は詳しくないので、写真をお楽しみ下さい...)

和具の生き物たち

和具の生き物たち その2


ルリスズメダイ

ボラ

マアクン

ウニ

ベラ

サザナミフグ

和具の浜到着から3時間。太陽が西に傾き、水中が少し暗くなり、僕のバタ足がヘロヘロで全然進まなくなったところで(笑)、今日の海遊びは終わりにすることに。非常にキレイなシャワールーム(¥200 65歳以上&中学生以下無料)でさっぱりした後、カシータをDiscoに繋ぎ、僕らは家路を急ぐ。マジコさんちともここでお別れだ。
Mama『ねぇ、また来たいわね!』Maakun『また来ようよぉ〜!』Papa『じゃ、来週また来ようか?』Mama&Maakun『やったぁ〜!』Papa『また来よう、熊野川。』Azu『えっ!?』

来週は天気が良ければ運動会翌日に10年以上前からカヌーに乗りたいと言ってた九州ばーちゃんを連れてカヌーイング&キャンプ(母&娘&孫娘、親子3代カヌーイング実現か!?)の予定だけど、和具の浜も立ち寄ってみるかな...いつになく来週の遊び計画早期決定の我が家であった。

無計画なプランにおつき合い頂き有難うございました。>マジコ家

 


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