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August.2003

  

8月1-5日 サマーバケーション2003!


大王わさび園・水車小屋前を下るMama&Maakun

夏休みが始まって10日。7月後半になっても相変わらず雨が降り続く天候不順な2003の夏。毎日のように遊び回ってるMama&子供達に対し、僕は全く遊べない日々が続く。しかも今年も彼らは8月中旬から二週間Mamaの実家へ帰省することが決まっていて、このままでは家族揃って野遊びを楽しむことなく夏が終わってしまいそうだ。

で、急遽8月前半に休みを作り、家族でお出かけすることがなんとなく決まる。とりあえず今回の目的は“避暑”。以前から行きたかった上高地に狙いを定め本屋でマップル&るるぶを購入。ガイドブックの美しい写真を眺めながら連夜の家族会議が続く。その結果、4泊4日で安曇野・万水川ダウンリバー〜乗鞍・剣ヶ峰登山〜上高地・梓川トレッキングを楽しむことに決定。当然ながら一週間前にまだ詳しい計画が決まってない状況ではホテルorペンションの予約なんてのは無理なわけで、いつものように移動式カプセルホテル“カシータ・ホテル”の出動ということになる。

梅雨明け直後、暑くもないのに避暑の計画を立てるのは変だけど、キャンプ場ガイドを開いて信州・奈川高原の「ファインヴィレッジキャンプ場」を予約する。今回は完全なプライベート家族旅行なので誰にも行き先を告げずにおこうと思ってたけど、ついつい嬉しくて、それとなくBBSに書いたところ、すぐに“乗鞍フリーク”NESSYさんからアドバイスメールが入る。
『akiちゃん、上高地や乗鞍行くんなら、信州側からより飛騨側からの方が空いてるよ。僕は利用したことないけど、確か安房トンネルのそばにフリーサイトのキャンプ場があったような気が...』それからどんどん送られてくるNESSYさん情報のすごいこと!平湯野営場詳細、濃飛バス時刻表、白骨温泉ここがオススメ情報、ウマイ蕎麦屋はここだ!情報etc…果ては、濃飛バスに電話してくれてMTBが携行可能かどうかまで調査してくださった!そんなNESSYさんの情報を繋ぎ合わせるだけで、我が家の旅計画は完璧なのである。(NESSYさん、サンキューでした!)早速、「ファインヴィレッジ」をキャンセルして「平湯野営場」の予約を済ませ、無事8/1夜の出発に漕ぎつけることができた。前日7/31は鈴鹿サーキットで遊園地三昧、出発当日も鈴鹿山脈の麓・藤原町で鱒釣り&川遊びを楽しみ午後5時に帰宅したMama&子供達。それでも僕が帰宅した6時にはキャンプの準備は完璧。主要な装備はカシータに積みっ放しとはいえ、手馴れたものである。
あとはカヌーをルーフトップして夕食&お風呂を済ませ午後9:50出発。ちょっとエアを入れすぎピョコピョコ跳ねるカシータに悩まされながら東名阪〜名神〜中央道経由で豊科ICへ。インターから15分、明科町にある犀川河畔・龍門淵公園前河原に到着したのが午前1:30。
雨の中、手早くカシータを切り離しガウチョベッドを組み、ダイネットをダブルベッドに展開し、ワクワク感を胸にそのまま眠りについた僕らだった。


8/2 万水川ダウンリバー


これぞ、万水川!緑のトンネルを抜けてゆく

翌朝6:00a.m.、夏の強い日射しで目が覚める。青い空と白い雲。対岸に広がる雄大なアルプスの裾野を眺めながら携帯電話でアキヒロさんに連絡を取る。我が家と同じく家族旅行のアキヒロ家。目的地は白馬の大雪渓だけど、今日は一緒に万水川〜犀川をカヌーでダウンリバーすることになっている。辰野まで来てるとのことなので待ち合わせを9:30a.m.に決めて、昨日Mamaが藤原町のパン工房で買い求めた白ゴマパン&黒ゴマパンで簡単な朝食を済ませる。河原には我が家ともう1台トレーラー「ポルト6」を牽いた家族連れ。朝の挨拶を交わすと、とても感じの良い旦那さんの口から信じられない言葉...『ホームページ拝見してますよ。カシータとローバーの組合せでピンときました(笑)』TMLメンバーの方でした(笑)。堤防上から手を振る人影『おはようございま〜す。三重県のカナディアンのホームページの方ですよね?』は、はい、そうですが...こちらは偉大な草レース“にじますカップ”の立て役者にして有名な“安曇野カヌー”ウェブマスターさんでした。


犀川・龍門淵公園河原で朝を迎える
万水川に入るガールズ
万水川の速い流れに乗ってスタート

『初対面だけど知り合い』(?)の皆様と出会いつつ、僕らはカシータを置いてスタートポイントの県営豊科運動広場へ。お待ちかねのアキヒロ家と挨拶を交わし、ダウンリバーの準備やクルマの回送を30分ほどで済ませ、上流から流れ来る野菜拾いを楽しんでる(笑)子供達をカヌーに乗せ、9:45a.m.用水路のような万水川へ漕ぎ出す。漕ぎ出す、と言っても川幅からは想像出来ないような速い流れに任せて、ただドンブラコドンブラコと流れるだけなのだけど。

今日の万水川は2年前に比べて十数cm水位が高く、さらに快適な川下りが楽しめる。相変わらず生活臭が濃い水面。泳ぐのはちょっとご勘弁!ってな感じで水質だけ見ればカヌーを浮かべる気には決してならないんだけど、しばらく進むと両岸に広がる素晴らしい景観に、しばしうっとりする僕らだ。
大王わさび園の森を右手に見ながら100mほど下ると、水車小屋の並ぶ蓼川(たてがわ)の合流ポイント。ここで蓼川に入り結構な流れの中を漕ぎ上がる。2年前にはかなり真剣に漕いでいたMamaだが、前回よりも更に流れの強い今回は鼻唄混じり。やはり多くの川を下り、経験を積んだおかげかな?

(*注・ちなみに蓼川の「蓼」とは刺身のつまに出てくるピンクの花の咲く草で『たで喰う虫も好き好き』の蓼(たで)です。)。


水量はまずまず

3基の水車を越え、駐車場階段の上流にカヌーを着けて僕らは大王わさび園に上陸。一目散にわさびコロッケを目指す。ここに来たら、コレは外せない!ピリッ!ツ〜ン!なコロッケのあとは“Wasabi Green”の色鮮やかなわさびソフトクリームでお口直しをして、のんびりと園内の散策を楽しむことにする。前回はカヌーと初対面の関東勢の皆さんとのお話に夢中で、あまり観てなかったわさび園。今回は子供達を放し飼いにしてアキヒロさん夫妻とともにわさび田はもちろん、名水100選の湧水や洞窟の中にある祠を回る。

 

大王わさび園に上陸

シャチホコ?いえいえ、わさびのモニュメント

久々のツーショット?

わさびコロッケにツ〜ン!

アキヒロ艇も水車小屋を通過

森の中へ!

1時間半ほどをここで過ごした後、僕らは再び“水上の人”になる。観光客の向けるカメラのシャッター音に気恥ずかしさを感じつつ、50mほどの蓼川を下り、再び万水川に入る。ここから更に流速を増す万水川。両岸からの倒木を避けながら森の中を流れること10分、視界が一気に開けて犀川と合流する。合流ポイントは今回も穏やかな早瀬で、パドルをボトムに置いて後ろ向きにカメラを構えられる程度の流れだ。冬になると数多くの白鳥が飛来することで知られる御宝田白鳥池を右に見ながら犀川橋をくぐり、大きな中州でふたつに分かれる流れを右にとると、間もなく草むらの向こうに見慣れたカシータの白いボディが見えてくる。0:00p.m.ちょうど、僕らは龍門淵公園の河原にゴール。スタートから2時間15分、実際に漕いだのは1時間にも満たないショートトリップだったけど、真夏の泳げない川でのカヌーはこれが目一杯。僕らは大満足なのだ。


犀川に合流するとイッキに視界が広がる。ゴールは間もなく。

 

アキヒロさんのランカスターで県営豊科運動広場へDiscoを取りに戻り、再び龍門淵に戻ってカヌーを積込むと時刻は既に00:30p.m.。カシータを繋ぎ、明日の白馬大雪渓に向けてここでキャンプ泊するアキヒロ家に別れを告げた僕らは、長野自動車道〜R158経由でベースキャンプ・平湯野営場を目指す。この森にほとんど手を加えることなく作られた古き良きキャンプ場はフリーサイト。つまり場所取りは早い者勝ちということで、少々急ぐ必要があるのである。
松本ICから梓川村、安曇村を通るR158(別名・野麦街道)はいかにも3桁国道っぽい快適なワインディングロード。梓川の深い渓谷やどうも美しいとは言い難いダム湖・梓湖を眺めながら走ること1時間で、活火山・焼岳の山腹に掘られた命知らずなトンネル・安房トンネルを抜けると、そこは奥飛騨・平湯温泉郷。安房トンネル出口から左折、平湯大滝の向こうが目指す平湯野営場だ。予備知識もなく、NESSYさんの印象と乗鞍&上高地へのバスターミナルまで徒歩7分という立地だけで予約した乗鞍野営場。標高1300mの白樺林に広がるここは区画割りやサイトの制限がないフリーサイト。約250台の収容能力に対し、毎日200台の予約を受付て、『お好きなところでどうぞお楽しみください!』というスタイルだ。ペット、直火、花火(!)OKで、要するにキャンパーの自制心に任せた、本来あるべき姿の古き良きキャンプ場なのだろう。

R158の左側にある管理棟で受付を済ませ、道路反対側に広がるキャンプサイトのゲートをくぐると...そこは国道に面した場所とは思えない豊かな森が広がり、土地の造成はもちろん、立ち木さえもほとんど切り倒してないんじゃないの?ってなワイルドな雰囲気だ。う〜ん、さすがは“野営場”!(笑)細くダートで前後左右方向に傾斜の大きい道路はカシータを連れての進入はかなり苦しい状況ではあるけど進めなくはない感じで、複雑に入り組んだ周回路を回って今夜から3泊を過ごす場所を選定に入る。これまでのキャンプ場の基準からすればガラ空きの印象だけど、サイトとサイトの間隔がメチャ広いのでそう感じるだけで、実際は8割程度埋まっているようだ。
ダウンリバーキャンプでその日の夜を過ごす河原を物色するようなちょっと不安だけどワクワクするような気持ちで探し回ること10分、カシータを定置するのにぴったりのフラットで広いサイトを発見!

いまだに慣れないバックで定位置に寄せる。フラットに見えて実際は左右のホイールが10cmほどの高低差があるので、プラスティック製のレベラーを3段咬ませ水平を取り、前後30cmほどの高低差は揺れ止めジャッキで調整、無事カシータを停めることができた。休む間もなくサイトの設営を開始。サイドオーニングを開き、出発日夕方届いたばかりのおNEWのsnowpeakレクタングラータープをオーニングに少し重ねて設置(前回、海山で使ったレクタは430cm×500cmと団体キャンプには良くても、家族4人には大きすぎるので、旧々型SPの300cm×500cmを新たに買ったのです。sakaiya.comで¥2980!欲しい人は急げ!)する。このレクタタ−プ、短辺がサイドオーニングとぴったり同じ長さなので見た目も使い勝手も丁度良い“カシータ専用タープ”だ。雨樋のあるオーニングに重ねて設置することで雨の浸入の心配がなくなり、まるでオーニングが約4m延長されたような雰囲気になる。
子供たちの協力もあって30分ほどで設営完了し、そのままザックを背負って徒歩で温泉に向かう僕ら。

野営場管理棟で入浴券を買い求め(大人¥500子供¥400が、キャンプ場利用者はなんと20%OFF)徒歩7分で平湯温泉「ひらゆの森」に到着。原生林の中に位置する15000坪の広い敷地に点在する13の露天風呂を素っ裸で歩き回る気分は、もう最高!(但し混雑してる以外は...)平湯らしい少し白濁し湯の花がフワフワ浮かぶ泉質も素晴らしく、風呂上りのコーヒー牛乳のお味もgood!早風呂の僕らが珍しく女性陣を待たせるほどに寛いでしまったのだった。
温泉を満喫したあとは、夕涼みを兼ねて平湯温泉街をぶらぶらそぞろ歩き。バスターミナルで明日の乗鞍行き時刻表を確認した後は、土産物屋で“はんたい卵”なる温泉卵(¥50)をすすり、生ビールをグビグビやりながら奥飛騨の食材を贅沢に使った“奥飛騨宝ラーメン”をいただく。再び野営場に戻り、サイトのメインダイニングに座って高原の涼やかな夜風に吹かれながらアイスクリームを食べる。


Photo by Hirayuonomori

平湯野営場にベースキャンプを設営
(4人で3泊¥10500と格安)
キャンプで寛ぐMama&Azu。
温泉は徒歩でひらゆの森へ

「これはもはやキャンプじゃないな。」「そうね、これをキャンプなんて言ったら誰かに叱られそうね。」(笑)贅沢な夜はまだまだ続くけど、明日に備えて8:00p.m.にはベッドに入る僕らだった。キャンパーの自主性に任せたキャンプ場には、やはりマナーの良い人ばかりが集まるのか、それともレイアウトの妙なのか、8時を過ぎると物音ひとつしない平湯野営場...「なんだか快適よね、ココ。」室内外温度計のボタンを押すとインディグロライトにin23.5℃ out13.1℃の文字が浮かび上がる。15年モノの煎餅コールマンスリーピングバッグを首まで掛けて、僕らは幸せな気分で眠りについたのだった。

 
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3日目〜 乗鞍・剣ケ峰登山につづく

 

 

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