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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

May.2003 part.2

 

5月16-17日 鮎釣り解禁目前!気田川ダウンリバ− 


痛快な瀬をゆくMama&Maakun艇

「いいよなぁ、気田川...。」久々に描いた川地図。GWに下った日置川や古座川のついでに気田川の地図を描いたのがいけなかった(笑)。パソコンモニターに浮かぶ気田川の川筋を辿ると、去秋の気田の軽やかな流れの記憶が蘇ってくる。僕の肩越しにモニターを覗き込むMaakun。僕が瀬のグレードを書き込む度に「あっ、また瀬だ。すごくクネクネ曲がってて、楽しそうな川だね。」と興味津々の彼に、僕が誘いを掛ける。「なぁ、今度の土曜日行ってみるか?」「日曜のまーちゃんのコンサートまでに帰って来られる?」「ああ、大丈夫だ。」「じゃぁ、行こうよ!」男性軍は即刻気田行き決定。女性軍は難色を示すかと思いきや...先週のショッピングが効を奏して(しかも、古座〜日置と2回連続のお気楽ダウンリバーを経験して、ちょっとカヌーフレンドリーな気分なのかな?)こちらもふたつ返事でOK。じゃ、予定がないって言ってたアキヒロ家も誘っちゃおうということで、またまたいつものメンバーでの気田川ダウンリバーが早々と決定したのである。(但し、これ木曜の夜のお話...笑)
金曜夕方、天気予報と水位情報をチェックしてアキヒロさんと決行を決め、準備に取りかかる。最近は慣れてきたのでカヌーもカシ−タも独りでセットアップ。いつものように夕食を済ませお風呂に入って9:30、スタートだ。


伊勢湾岸道の夜景

前回は東名阪〜名古屋市内〜東名・名古屋IC廻りだったので225kmの距離があった気田川だけど、今回は伊勢湾岸道の開通で195km。これなら熊野川までとそれほど変わらないわけで...近くなった気田川が嬉しい。右手に見えるライトアップされた長島スパーランドの大観覧車やジェットコースター群、そして名古屋港のダイナミックな夜景を一望できる橋...片側3車線(しかも一車線が広い!)、間接照明が路面を照らす近未来都市のような光景の伊勢湾岸道はドライブするだけでデートコースにもなるようなカッコイイ道路だ。近い将来は岡崎まで繋がる湾岸道も今は豊明市まで。豊明からは東海道の名残りを色濃く残す、昔懐かしい国道1号で東名・岡崎ICへ...休憩なしで東名を走り続け浜松で東名を下り、あとは天竜川沿いを北へ向い、00:45、今回のベースキャンプとなる秋葉神社下キャンプ場に到着。(制限速度を守って3時間ちょっとってのはスゴイ!)

雨の中、ダイネットの窓を川に向けるためバックで川ギリギリにカシータを停め、安定ジャッキを下ろし、素早くガウチョベッドを展開し、子供をベッドに移し、冷蔵庫をLPGに切り替える...2年半30泊で繰り返し、今では目をつぶってても出来るようになった手順を終えた僕らは、ダブルベッドのシュラフに足を入れたまま冷蔵庫から出した冷え冷えの缶ビールをプシュッ!ル−フベントを叩く雨音をBGMにつかの間のゴクラクタイムを過ごす。
幼稚園に入った頃から自分の部屋で眠るようになった子供達。今ではこうしてひとつの部屋で眠る機会は滅多にないけど、カシータの丸くて何故か落着く室内でみんなの寝顔を眺めながら飲むビールはまた格別だ。あと何年こんな風に一緒に遊べるのかな?先日一緒に鉄棒をした時、急に逞しくなったMaakunの太腿に違和感を感じたことを思い出し、少し淋しいような嬉しいようなビールのホロ苦さにも似た気分を味わいつつ、気田の夜は更けていった。


 


雨上がりの夜明け(秋葉神社下社前)

翌朝、ダブルベッドの足元のカーテンがピンク色に染まってるのに気付いて飛び起きる。な、何なんだ!?カーテンを開けるとカシータの右1mに昨夜はなかった真っ赤なクルマ(車種も判らないほどの至近距離)が停まってる。

外に出て見ると僕らのそばにはmont-●ellの大きなトラックが停まり、マキシマムなタ−プが幾つも連結され、スタッフらしき若者が忙しそうに働いているのが見える。聞けばモン●ル東京のツアーだという。僕らのカシータを取り囲むように参加者のクルマが停まり、黄色いステラリッジが整然と列を成している。川辺にはずらりと10艇以上並んだ赤いARFEQ。
言葉を交わす限りは、スタッフも参加者も皆、感じの良い溌溂とした人たちなんだけど、“数の暴力”ってのは言い過ぎにしても、何とも威圧感&閉塞感を感じる僕なのだった。
僕らが昼食の準備と並行してホットサンドの朝食を食べ、Discoからカヌーを下ろして、ダウンリバーの準備を進めていると、アキヒロ家のランカスターが河原へのスロープを下りて来るのが見える。


リバーフロントのスウィートルームより(笑)

こんなギリギリに停めなくても...

アキヒロ家の準備を待って、コースの下見を兼ねてゴールポイント・気田川橋 までクルマを回送することに。イザとなったらカヌー3艇と大人4人子供4人・・・4+(4×0.66)=6.66<定員7・・・をいっぺんに積み込めるDiscoを河原に残して、ランカスターでベースキャンプへ。

川への階段に腰掛けて川地図や予めプリントアウトした“気田川パドリングガイド”で危険箇所等のブリ−フィングを済ませ、10:15、3艇のカヌーはバウを上流に向け漕ぎ出す。先頭は僕とAzu&Moeの乗ったオリ−ブCAMPER“観光舟”号、続いてMamaとMaakunのHUNTER“瀬では一番フォトジェニック”号、そして最後にアキヒロさんちのEXPLORER“ホントは一番速いぞ”号が続く。間もなくバウが本流に入ると左舷を押され川下に傾きながら大きな弧を描くように次々とストリームイン。

直後から僕らのカヌーは時速7〜8km/hで流れる蒼い本流に乗って有無を言わさずって感じでぐんぐん進んで行く。おNEWのi-modeでチェックしたところによると、本日スタート時点の水位は、ベースキャンプの上流・犬居の計測地点で+0.27m。去秋11/16の水位が+0.13で先々週のKevipaさんたちの下った5/4が+0.33だから秋より14cm高く、GWより6cm低いという感じだ。木曜と昨夜に雨がかなり降ったというのに、昨秋よりも透明度が高い気田川の流れ...この川独特の青白い透明感が紀州の川との違いを際立たせている。
0.5級クラスの早瀬を幾つか越え、写真を撮るために振り返ると、満面の笑みを浮かべたMama&Maakun号がみるみるうちに追い付いて来るのが目に入る。
『いいわねぇ〜、この川!一番だ〜いすき!』スタートから15分でMamaは気田川に“マイ・ベスト・リバー”の称号を与える(笑)。


スタートポイントにてブリーフィング中

今日はヘルメット持参です。

川面は僕ら3艇だけ

『こんなイイ川にどうしてこれまで連れて来てくれなかったのさ!』Maakunが笑顔で僕に抗議(笑)。
「パドリングの手を休ませる暇を与えてくれない“忙しい”川はキライなのかなぁって思ってさ。」そんな僕の声を無視するように『お先に失礼〜!』気田川の緑に映える赤いHUNTERが、僕を追い越して瀬に入って行く。

いつもなら僕の航跡を忠実にトレースして進む彼らだが、今日は時折自分たちでコースを決め思いのままに漕ぐ姿が見受けられるのは嬉しい限りだ。水音に混じって、バウのMaakunがMamaに自分たちの進むべきコースをレクチャーしている声が聞こえて来る。『ママ、あそこにアップストリームVが見えるだろ?あの隠れ岩の左を回ってダウンストリームVの中央にカヌーを入れるよ。で、左の突き出た岩に返し波が見えないから注意して。』『返し波とボイルの境目に線があるだろ?あの線を辿って進もう。それが一番安定してるからさっ!』
のちに『まるで、自動車教習所の教官が同乗してるみたいだったわ。』とMamaが苦笑するほどのハリキリぶりに驚くやら頼もしいやら(笑)
『でもね、Maakunってすっごい慎重なのよ。前は瀬になったら何でもカンでも波に向って行ったでしょ?でもね、この前の日置川ぐらいからは、慎重というより怖がりで...』


ワザと三角波を狙うMaakun

おいおい、ママゴトは止めてよ(涙)

ドクタ−ロック手前で左岸から倒れ込んだ竹のストレーナーを見つけると、僕が指示する前に右岸に寄っていきなりライニングダウンを開始するし、水深十分→安全と見るやいなやドクターロックのカーブで岩に向って突っ込んで行く...宮川の三ツ岩で水死の現場に出くわしたからだろうか?それとも自由研究の成果?とにかく「慎重で大胆」なのは“ダウンリバーラ−”には最も必要な資質ではあるのだけど。
カヌーというフネで川を下る本来の楽しみは自由なことだ。もちろん気田川のような狭い川を安全かつ快適に下ろうとすると自ずとコースは限られて来るのだけれど、常に他人の背中を眺めながらではなく自分でコースを判断すると、更に楽しみが大きくなり思い出も大きくなる。(誰かの後ろに付いて運転してると道を覚えられないってのとちょうど同じかな?マムシは3番目の人が噛まれやすいけど、野鳥や魚、猿や鹿に遭遇するチャンスが多いのは、いつも先頭を行くフネだしね。)そんな感覚に彼らが気付いてくれたってことが何よりも嬉しい僕なのであった。
そんなMaakun&Mama艇とは大きく状況が違うのが僕のフネ。透明度が高い早瀬では「キッレェ〜イ!」と歓声を上げるものの、それ以外はバウシートに置いたお皿に石を載せて“水上オママゴト”にいそしむAzu&Moe。あまりに2人の世界に夢中になり過ぎて、ドクタ−ロックの瀬の最中に“あっちむいてホイ”なんかやってアウト側に身を乗り出したりして...「瀬の方に行ったら、あずチョップ100回よっ!」なんて言ってちゃぷちゃぷの瀬でキャーキャー悲鳴を上げて涙ぐんでたイタイケなお嬢ちゃんたちは何処へ...ってな感じなのだ(涙)。


蒼みがかった水、白い河原、狭い空...気田独特の光景

 

スタートから2回の休憩を挟んで45分ほど進むと、山の上を走る高圧線が見えて来る。マジコさんの“鬼門”高圧線の瀬が近づいてくる。昨秋は水量が少なく岩だらけで漕行不可能だったけれど、今日は充分な水量できっと楽しいホワイトウォーターになってるに違いない。瀬の全貌が見える地点まで接近してカヌーに立ち上がってスカウティング。隠れ岩は多そうだけど、典型的なダウンストリームVとそのVの頂点に出来た三角波、そしてその正面にそびえるマジコ岩...グレードは1.0、いや1.5ってところか?今日は漕行可能と判断し後続の2艇をバックストロークで待たせて、瀬の入口の隠れ岩の水深が充分なことを願いながら瀬に入る。...その瞬間僕の目の前で信じられない光景が...『あっちむいてホイ!』コレコレ、お嬢ちゃんたち、ココで“あっち向いてホイ”は止めようね(爆笑)。


1.よっしゃ〜行くでぇぇ〜!

目印にしたふたつの岩の中央少し左寄りをバウを右に振りながら進入。予想通りそこには水深の足りない隠れ岩。岩の右をすり抜けクロスで左に修正しながらVの頂点へ。
最初の大波!頭から大波を喰らって、さすがに前を向いたお嬢ちゃんたち。でも手放しバンザイの姿勢で大笑いのふたり(笑)何度も水をかぶりながらマジコ岩の数m手前で左の波を捉えてクロスドロー...はい、一丁上がり!でそのままマジコ岩の裏へエディ・イン。岩の窪みにバウを引っかけて素早くスロ−ロ−プを2本(...とデジカメ...笑)を手にマジコ岩に登って、瀬の入口で待機してる2艇に両手の黄色いスローロープバッグで手信号を送る。

まずはMama&Maakunが指示通りふたつの岩の間を抜け瀬に入る。僕はひとつめのスローロープを構えレスキューの準備...ではなく、デジカメを構えて決定的瞬間を狙う(笑)。僕の手に黄色いロープではなく青いデジカメが握られているのを見て呆れたというふたりは、波をブレイスしつつ時折小刻みにバックストロークを入れながらネガティヴパドリング(*僕の作った言葉です。カヌーで瀬を下る場合、舵を利かせようと思ったら、1.流れより速く進むカヤック的な漕ぎ方=ボジティヴパドリングと、2.流れより遅く進むビルメイスン師が時折見せる漕ぎ方=ネガティヴパドリングがある、ような気がします。)でカヤックのように波頭でちょこまか向きを変え、慎重にコースを選びながらVの頂点へ。そこから一転、力一杯フォワードストロークでマジコ岩に一直線。岩直前で本流を少し外してカヌーと流れの速度差を作りそこでMaakunがオンサイドをスウィープ、Mamaは少しパドルを立てたスターンプライ...お見事!僕とは全く違う切り口で、しかも地味ぃ〜でベーシックな技術で下ったふたりに拍手!な気分(でも決定的瞬間はお預け...)。


2.ウへッ冷てぇ〜〜!

3.返し波かぶるでぇぇ〜!(エイペックスで水ブネに)

4.ホッとした背中 その壱(Mama&Maakun艇)

続いてアキヒロ家は、同じコースを辿りながらも『何?そんなに頑張らなくてもフツーに行けるじゃん』ってな涼しい顔で一直線にマジコ岩へ。3艇で最もマジコ岩に近づきつつも、ヒョイって返し波にバウをぶつけてコースを変え、左にリ−ンさせて右舷〜右ボトムで波を受けてスピードを殺しつつ一番安定した姿勢で瀬を抜ける。(でも、僕は見た!いつもはシートにどっかり派のアキヒロさんのニーリングポジション!)みんな見事にマジコ岩の裏にエディインを果たしホッと一息...その瞬間...『キャ〜ァァァ!』お嬢さまたちの悲鳴が!『怖いぃぃ、いややぁぁ!』マジコ岩の裏に大量発生したイトトンボを蚊と勘違いした彼女たち(笑)『あ〜怖かった!瀬より怖かったわ、ホント。』Azuのつぶやきに大爆笑の一同だった。


高圧線の瀬・エイペックスでドローを入れる

ホッとした背中 その弐(アキヒロ艇)

「最高よねぇ、いずみちゃん!」「すっごく考えて漕いだのよ!」Mamaはいつになく(...いつも通り?)饒舌になって興奮気味。「ねぇ、ねぇ、HUNTERが飛んだのよ、見た?見た?」はいはい見ました見ました。それより何より、あなたの“変則X脚シーティングポジション”でしっかり身体を固定してたのに驚きましたよ、僕は(笑)。10年選手なのに1.5級の瀬でここまで興奮出来る僕らは、ナニモノなんなんだろ...などと悲しいような得した気分のような...まるでビールをコップに一杯で酔っ払って女の子のお尻なんか触っちゃう下戸のオジサン...みたい?(例えが悪いかな?...笑)

 


ウォッヒョッヒョッヒョッヒョ!

 


 

 


ゴキゲンな流れをゆくアキヒロ艇

バウガールズ

高圧線の瀬を過ぎた左岸は前回のランチポイント。「ここで昼飯にしたんだよな。」なんて言ったら、いきなり子供達の“ハラへったコール”が始まる。まあ、待てよなどと言いながらも、砂利採取場の数百mに及ぶ隠れ岩だらけの三角波の立つ瀬を越えた頃には、カヌーの中にたっぷり水が入ってやむを得ず河原に立ち寄ることになる。ボトムの水抜きをするために立ち寄った河原。正面に人家、対岸に真新しいコンクリート護岸...決して美しい河原とは言えないのでここをランチポイントにするのは賛成しかねるのだけれど、ハラへりキッズたちはそれを許してくれない。しかも、Mamaたちは、何故かこの河原がお気に入り。「だって、お花の良い香りがするんだもの。自然の中で天然のアロマテラピーなんて贅沢よねぇ。」河原の後方の崖に咲く白い花から漂うジャスミン系の香り。香りでランチポイントを選ぶなんて、女性らしい選択だ。


花の香りが満ちるランチポイント

お父さんは防水バッグからPRIMUSを取り出してお湯を沸かし、ランチの準備。お母さんは河原に座っておしゃべりに夢中、息子たちは上流側の急峻な岩場に上ったり川の中の流木を使っての水遊び、そして娘たちは...箱眼鏡で川の中を覗いて漁!(笑)思い思いに過ごすうち、時間はあっという間に過ぎ去ってなんとここで2時間近くを過ごしてしまうことになる。


少年たちはいつも水中(涙)

隠れ岩やっちゅうてんねん!

13:30、まだ遊び足りない息子たちを無理矢理カヌーに乗せ、午後の部スタート。ここまで来ると瀬に慣れてしまい松間橋手前のストレートな1級の瀬は横になったまま通過。左岸で重機が河原を掘り返しているのを横目に見ながら、中島の “ピンボールの瀬”へ。
ここは本流の中に2m間隔で小さな隠れ岩が点在し、まるでスマートボールやパチンコのように細かく岩を避けなければならない。カヌーを流れに正対していれば難なく通過出来るのだが、一旦横向きになると即、岩に張付いて動けなくなってしまう。で、運悪くアキヒロ艇が浅い隠れ岩に乗り上げて立ち往生(笑)。あーでもないこーでもないとカヌーを押したり引いたり...アキヒロ艇がやっと岩から開放されたのは15分後。お疲れさまでした。


表情豊かないずみちゃん

“ピンボールの瀬”を過ぎると、下流右岸にカシータが定置された“小川の里キャンプ場”が見えて来る。で、そこはオーラスの瀬に向かうかそれともチキンルートに逃げるかの最後の分岐点でもある。「さて、中州に上陸してスカウティングしようか?」そんな僕の言葉に「そうね!」とMama。ん?スタート前は『私たちは“瀬が命!”ってんじゃないんだから安全なコースを下りましょうよ。』なんて言ってたんじゃ...どうやら気田川の痛快な瀬をいくつも越えてここまで来て、微妙な心境の変化があったみたいだ。


わ〜キッレ〜イ!(オ−ラスの瀬直前)

蝶が川の水を飲んでいた

チキンルートへの分岐点を通りすぎ、中州の中にカヌーを着け全員で瀬の間近まで歩いてルートを確認。前回はバイパスだった岩の右への流れが本流になって拍子抜けするほど素直な流れになっている。「なんで、ここがそんなに特別なの?」Maakunが不思議がるのも無理はないほどにパワーもない感じだ。

「このまま右に進むんじゃ面白くないから、Mamaたちはそこで左にターンして岩の左に入ってみる?」
そんな僕の提案に「沈したらどうしてくれるのよ?」などと言いながら完全否定しないMama。むむ、やる気だな?(笑)
「Papaが『沈したら一億円あげる』ってさ!」Maakunが勝手に金額を設定(笑)
コース取りを再確認した後、僕がその素直な流れに乗って岩のエディに入り、例によってスローロープを片手にレスキュー体勢に入る。ホイッスルを合図に遥か上流からスタートするヘルメット姿が凛々しいMama&Maakun艇。そうそうそのまま、左岸に寄って大きく回りこんで瀬に入るんだよ!アレレレ?左岸だってば!おわっ!僕の視界からMaakunとMamaの姿が消え、HUNTERの真っ赤なボトムが空に向かって飛び上がるのが見える。


オーラスの瀬をスカウティング

そのまま向かって右側に傾き、まずはMaakunが、次にMamaが落水。すぐにスターンのスローバッグを握るMamaだけど、そのまま流されてすぐ下流の岩に流れ着きボトムを上流側に向けて水圧を受け軽いブローチング(張付き)を起こしている。


ヘルメットを被ってオーラスの瀬に飛び込む

Mamaの手を離れたロープバッグがスルスルと伸びながら岩の右側の本流へ...
ここで一句『撃沈やカヌーは左へロープは右へ』(オソマツ!)
岩を巻くようにロープが絡まってしまったわけで、今、まさにPFDに付いてるリバーショーティ(レスキューナイフ)の出番!...なのだけどスローロープ$30をカットするのは忍びなく、僕はCAMPERに乗り込んで右側の本流を漕ぎ上がり、ぐるりと岩を半周してロープを回収したのでありました(笑)。
大事な大事なスローロープを無事回収した後、次に岩によじ登って待機してるMaakunを回収し、最後に張付いたHUNTERを必死で剥がそうとしてるMamaに近づき下流から艇を引いて岩から引き剥がし下流へ流す。岩場で水を抜き、再び上流のMamaの元に戻し彼女の再乗艇のサポートをして無事レスキュー完了(ホッ!)


2年ぶりの緊急事態発生(笑)につき放送休止中

緊急事態後、岩に取り残され苦笑するMaakun

レスキューしてあげたのに、何故か仏頂面のMama。「私は止めておこうと思ったのに、Papaが行け行けって言うから、また沈しちゃったじゃないの!だいたい、私は岩のある所は大嫌いなんだから!」不平不満をぶつぶつ...「バカ!これで上手く漕ぎ抜けたら『思い切って挑戦してよかったわ!』なんて笑顔で言うくせに!」そこで「ともちゃん、瀬に向けてスタートする時、いってきま〜す!って気合充分やったやん!」とアキヒロさん。「えっ?アハハハ...バレた?(笑)」あくまで「失敗は他人のせいに。成功は自分の手柄に」なMamaなのであった。

 


気田川橋から望むゴールポイント
少年たちは、飽きもせず水遊びだ。

オーラスの瀬を無事(?)漕ぎ抜けると、ゴールはもう間もなく。大きな左カーブを回ると正面に赤い気田川橋、そしてその向こうに気田川の澄んだ流れが天竜川の茶色い濁流に吸い込まれているのが見えてくる。左岸に停めたDiscoのそばにカヌーを寄せて、ゴール!
いつものように、Mama&子供達に荷揚げを頼んで、PapaはDiscoでスタート地点へランカスターを取りに戻ることにする。5時間も掛けて下った行程もクルマでは20分ほど。再び2台のクルマでゴール地点に戻ると気田川橋から広い河原に3艇のカヌー、そしてMaakunとKoukunが飽きもせず水遊びをしているのが見える。


SAにて休憩中

河原にクルマを下ろし荷物とカヌーを積込んで、更にベースキャンプへ(カヌーツーリングは、クルマの回送が大変なのです...涙)。
カシータに戻るとキャンパーは更に増えている。でも他にいくらでも空いたスペースがあるのに、何故かカシータの周りだけがギリギリにクルマが並んでいる。カシータの右側だけでなく、サイドオーニング側にもボンゴフレンディが頭を突っ込んでいて、Discoを停めるどころかオ−ニングを展開するスペースもないほどだ。
「これじゃ、キャンプになんないなぁ。」
今夜のモン●ル村は賑やかになりそうだし、ボンゴフレンディのドライバーを探してまで移動をお願いするのがなんだかバカバカしくなった僕らは「帰ろっか?」「帰りましょ。」ってことで急遽帰宅することを決意する。

気田川漁協「憩いの家」で夕食を食べた後、アキヒロ家と別れ、カシータを繋ぎ家路を急ぐ僕ら。

「それにしても悔しいわねぇ...あの“沈”ポイントまでは思い通りにカヌーを動かせて『もしかしてワタシ上手くなったかしら?』なんて思ってたのに...あ〜悔しい!」
すっかり暗くなった伊勢湾岸道を快調に飛ばすDiscoの車内で、いつまでもいつまでも悔しがるMama。
「2年ぶりの激沈だな。」そんな僕の言葉に猛然と抗議するMama。
「半沈よハ・ン・チ・ン!カヌ−が横向きになっただけなんだから!ホームページに“激沈”とか書いたら承知しないからね!」
「失礼しました。“ちんぽいんと”で“粗チン”と書かせて頂きます(笑)」


伊勢湾岸道路の夜景

Discoのフロントスクリーンにはライトアップされた木製コースター“ホワイトサイクロン”の美しい姿がいっぱいに広がる。そんなムードある夜景を眺めながら走るDiscoの車内に響くのは“ちんぽいんと”“半チン”“粗チン”という言葉...。下ネタ大好き家族の気田川キャラバンはこうして幕を閉じたのであった...。

 

 

気田川は、あくまでも清冽でキレのある流れだ。

 

補足其の壱 Azu&Moeちゃんがカヌーの上でやってたのは『あっち向いてホイ』ではないそうです。で、何をやってたかと言うと...Azuの説明では意味不明です(涙)

 

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