5月16-17日 鮎釣り解禁目前!気田川ダウンリバ−
痛快な瀬をゆくMama&Maakun艇 「いいよなぁ、気田川...。」久々に描いた川地図。GWに下った日置川や古座川のついでに気田川の地図を描いたのがいけなかった(笑)。パソコンモニターに浮かぶ気田川の川筋を辿ると、去秋の気田の軽やかな流れの記憶が蘇ってくる。僕の肩越しにモニターを覗き込むMaakun。僕が瀬のグレードを書き込む度に「あっ、また瀬だ。すごくクネクネ曲がってて、楽しそうな川だね。」と興味津々の彼に、僕が誘いを掛ける。「なぁ、今度の土曜日行ってみるか?」「日曜のまーちゃんのコンサートまでに帰って来られる?」「ああ、大丈夫だ。」「じゃぁ、行こうよ!」男性軍は即刻気田行き決定。女性軍は難色を示すかと思いきや...先週のショッピングが効を奏して(しかも、古座〜日置と2回連続のお気楽ダウンリバーを経験して、ちょっとカヌーフレンドリーな気分なのかな?)こちらもふたつ返事でOK。じゃ、予定がないって言ってたアキヒロ家も誘っちゃおうということで、またまたいつものメンバーでの気田川ダウンリバーが早々と決定したのである。(但し、これ木曜の夜のお話...笑) 前回は東名阪〜名古屋市内〜東名・名古屋IC廻りだったので225kmの距離があった気田川だけど、今回は伊勢湾岸道の開通で195km。これなら熊野川までとそれほど変わらないわけで...近くなった気田川が嬉しい。右手に見えるライトアップされた長島スパーランドの大観覧車やジェットコースター群、そして名古屋港のダイナミックな夜景を一望できる橋...片側3車線(しかも一車線が広い!)、間接照明が路面を照らす近未来都市のような光景の伊勢湾岸道はドライブするだけでデートコースにもなるようなカッコイイ道路だ。近い将来は岡崎まで繋がる湾岸道も今は豊明市まで。豊明からは東海道の名残りを色濃く残す、昔懐かしい国道1号で東名・岡崎ICへ...休憩なしで東名を走り続け浜松で東名を下り、あとは天竜川沿いを北へ向い、00:45、今回のベースキャンプとなる秋葉神社下キャンプ場に到着。(制限速度を守って3時間ちょっとってのはスゴイ!) 雨の中、ダイネットの窓を川に向けるためバックで川ギリギリにカシータを停め、安定ジャッキを下ろし、素早くガウチョベッドを展開し、子供をベッドに移し、冷蔵庫をLPGに切り替える...2年半30泊で繰り返し、今では目をつぶってても出来るようになった手順を終えた僕らは、ダブルベッドのシュラフに足を入れたまま冷蔵庫から出した冷え冷えの缶ビールをプシュッ!ル−フベントを叩く雨音をBGMにつかの間のゴクラクタイムを過ごす。
雨上がりの夜明け(秋葉神社下社前) 翌朝、ダブルベッドの足元のカーテンがピンク色に染まってるのに気付いて飛び起きる。な、何なんだ!?カーテンを開けるとカシータの右1mに昨夜はなかった真っ赤なクルマ(車種も判らないほどの至近距離)が停まってる。 外に出て見ると僕らのそばにはmont-●ellの大きなトラックが停まり、マキシマムなタ−プが幾つも連結され、スタッフらしき若者が忙しそうに働いているのが見える。聞けばモン●ル東京のツアーだという。僕らのカシータを取り囲むように参加者のクルマが停まり、黄色いステラリッジが整然と列を成している。川辺にはずらりと10艇以上並んだ赤いARFEQ。 アキヒロ家の準備を待って、コースの下見を兼ねてゴールポイント・気田川橋
までクルマを回送することに。イザとなったらカヌー3艇と大人4人子供4人・・・4+(4×0.66)=6.66<定員7・・・をいっぺんに積み込めるDiscoを河原に残して、ランカスターでベースキャンプへ。 川への階段に腰掛けて川地図や予めプリントアウトした“気田川パドリングガイド”で危険箇所等のブリ−フィングを済ませ、10:15、3艇のカヌーはバウを上流に向け漕ぎ出す。先頭は僕とAzu&Moeの乗ったオリ−ブCAMPER“観光舟”号、続いてMamaとMaakunのHUNTER“瀬では一番フォトジェニック”号、そして最後にアキヒロさんちのEXPLORER“ホントは一番速いぞ”号が続く。間もなくバウが本流に入ると左舷を押され川下に傾きながら大きな弧を描くように次々とストリームイン。 直後から僕らのカヌーは時速7〜8km/hで流れる蒼い本流に乗って有無を言わさずって感じでぐんぐん進んで行く。おNEWのi-modeでチェックしたところによると、本日スタート時点の水位は、ベースキャンプの上流・犬居の計測地点で+0.27m。去秋11/16の水位が+0.13で先々週のKevipaさんたちの下った5/4が+0.33だから秋より14cm高く、GWより6cm低いという感じだ。木曜と昨夜に雨がかなり降ったというのに、昨秋よりも透明度が高い気田川の流れ...この川独特の青白い透明感が紀州の川との違いを際立たせている。 『こんなイイ川にどうしてこれまで連れて来てくれなかったのさ!』Maakunが笑顔で僕に抗議(笑)。 いつもなら僕の航跡を忠実にトレースして進む彼らだが、今日は時折自分たちでコースを決め思いのままに漕ぐ姿が見受けられるのは嬉しい限りだ。水音に混じって、バウのMaakunがMamaに自分たちの進むべきコースをレクチャーしている声が聞こえて来る。『ママ、あそこにアップストリームVが見えるだろ?あの隠れ岩の左を回ってダウンストリームVの中央にカヌーを入れるよ。で、左の突き出た岩に返し波が見えないから注意して。』『返し波とボイルの境目に線があるだろ?あの線を辿って進もう。それが一番安定してるからさっ!』 ドクタ−ロック手前で左岸から倒れ込んだ竹のストレーナーを見つけると、僕が指示する前に右岸に寄っていきなりライニングダウンを開始するし、水深十分→安全と見るやいなやドクターロックのカーブで岩に向って突っ込んで行く...宮川の三ツ岩で水死の現場に出くわしたからだろうか?それとも自由研究の成果?とにかく「慎重で大胆」なのは“ダウンリバーラ−”には最も必要な資質ではあるのだけど。
蒼みがかった水、白い河原、狭い空...気田独特の光景
スタートから2回の休憩を挟んで45分ほど進むと、山の上を走る高圧線が見えて来る。マジコさんの“鬼門”高圧線の瀬が近づいてくる。昨秋は水量が少なく岩だらけで漕行不可能だったけれど、今日は充分な水量できっと楽しいホワイトウォーターになってるに違いない。瀬の全貌が見える地点まで接近してカヌーに立ち上がってスカウティング。隠れ岩は多そうだけど、典型的なダウンストリームVとそのVの頂点に出来た三角波、そしてその正面にそびえるマジコ岩...グレードは1.0、いや1.5ってところか?今日は漕行可能と判断し後続の2艇をバックストロークで待たせて、瀬の入口の隠れ岩の水深が充分なことを願いながら瀬に入る。...その瞬間僕の目の前で信じられない光景が...『あっちむいてホイ!』コレコレ、お嬢ちゃんたち、ココで“あっち向いてホイ”は止めようね(爆笑)。 目印にしたふたつの岩の中央少し左寄りをバウを右に振りながら進入。予想通りそこには水深の足りない隠れ岩。岩の右をすり抜けクロスで左に修正しながらVの頂点へ。 まずはMama&Maakunが指示通りふたつの岩の間を抜け瀬に入る。僕はひとつめのスローロープを構えレスキューの準備...ではなく、デジカメを構えて決定的瞬間を狙う(笑)。僕の手に黄色いロープではなく青いデジカメが握られているのを見て呆れたというふたりは、波をブレイスしつつ時折小刻みにバックストロークを入れながらネガティヴパドリング(*僕の作った言葉です。カヌーで瀬を下る場合、舵を利かせようと思ったら、1.流れより速く進むカヤック的な漕ぎ方=ボジティヴパドリングと、2.流れより遅く進むビルメイスン師が時折見せる漕ぎ方=ネガティヴパドリングがある、ような気がします。)でカヤックのように波頭でちょこまか向きを変え、慎重にコースを選びながらVの頂点へ。そこから一転、力一杯フォワードストロークでマジコ岩に一直線。岩直前で本流を少し外してカヌーと流れの速度差を作りそこでMaakunがオンサイドをスウィープ、Mamaは少しパドルを立てたスターンプライ...お見事!僕とは全く違う切り口で、しかも地味ぃ〜でベーシックな技術で下ったふたりに拍手!な気分(でも決定的瞬間はお預け...)。 続いてアキヒロ家は、同じコースを辿りながらも『何?そんなに頑張らなくてもフツーに行けるじゃん』ってな涼しい顔で一直線にマジコ岩へ。3艇で最もマジコ岩に近づきつつも、ヒョイって返し波にバウをぶつけてコースを変え、左にリ−ンさせて右舷〜右ボトムで波を受けてスピードを殺しつつ一番安定した姿勢で瀬を抜ける。(でも、僕は見た!いつもはシートにどっかり派のアキヒロさんのニーリングポジション!)みんな見事にマジコ岩の裏にエディインを果たしホッと一息...その瞬間...『キャ〜ァァァ!』お嬢さまたちの悲鳴が!『怖いぃぃ、いややぁぁ!』マジコ岩の裏に大量発生したイトトンボを蚊と勘違いした彼女たち(笑)『あ〜怖かった!瀬より怖かったわ、ホント。』Azuのつぶやきに大爆笑の一同だった。
ウォッヒョッヒョッヒョッヒョ!
花の香りが満ちるランチポイント お父さんは防水バッグからPRIMUSを取り出してお湯を沸かし、ランチの準備。お母さんは河原に座っておしゃべりに夢中、息子たちは上流側の急峻な岩場に上ったり川の中の流木を使っての水遊び、そして娘たちは...箱眼鏡で川の中を覗いて漁!(笑)思い思いに過ごすうち、時間はあっという間に過ぎ去ってなんとここで2時間近くを過ごしてしまうことになる。
表情豊かないずみちゃん “ピンボールの瀬”を過ぎると、下流右岸にカシータが定置された“小川の里キャンプ場”が見えて来る。で、そこはオーラスの瀬に向かうかそれともチキンルートに逃げるかの最後の分岐点でもある。「さて、中州に上陸してスカウティングしようか?」そんな僕の言葉に「そうね!」とMama。ん?スタート前は『私たちは“瀬が命!”ってんじゃないんだから安全なコースを下りましょうよ。』なんて言ってたんじゃ...どうやら気田川の痛快な瀬をいくつも越えてここまで来て、微妙な心境の変化があったみたいだ。 チキンルートへの分岐点を通りすぎ、中州の中にカヌーを着け全員で瀬の間近まで歩いてルートを確認。前回はバイパスだった岩の右への流れが本流になって拍子抜けするほど素直な流れになっている。「なんで、ここがそんなに特別なの?」Maakunが不思議がるのも無理はないほどにパワーもない感じだ。 「このまま右に進むんじゃ面白くないから、Mamaたちはそこで左にターンして岩の左に入ってみる?」 そのまま向かって右側に傾き、まずはMaakunが、次にMamaが落水。すぐにスターンのスローバッグを握るMamaだけど、そのまま流されてすぐ下流の岩に流れ着きボトムを上流側に向けて水圧を受け軽いブローチング(張付き)を起こしている。 Mamaの手を離れたロープバッグがスルスルと伸びながら岩の右側の本流へ...
気田川橋から望むゴールポイント 少年たちは、飽きもせず水遊びだ。
気田川は、あくまでも清冽でキレのある流れだ。
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