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April.2003

 

 

4月2-5日 西表島エコツーリズム体験(Part4)

 


シーサーとハイビスカス

ホテル11階の窓のカーテンを開けると、曇り空の地味な色彩の街に真っ赤なデイゴの花だけが浮き立って見える。深夜の雨は上がって空の雲が徐々に薄くなるのが感じられる、八重山の旅、最終日の朝。西表で果たせなかったシュノーケリングが出来たらいいなぁ...そんな淡い期待を胸に、僕らはキャプリーンの下着を着込んで、各自のデイパックにウェットスーツとゴーグルを詰め込み、8:00少し早いチェックアウト。ホテルの送迎バスで離島桟橋に向かう。足元は揃いのTEVAサンダル...でも雨上がりの低い気温と強い風でマウンテンパ−カを脱ぐことはできない。
フェリー会社のオフィスで赤いスーツケースを預け、8:30発の八重山観光フェリー竹富島行きに乗船する。荒れる珊瑚の海。フェリーは大きくピッチングし、バウが着水するたび、ガツン!ミシミシとイヤな音を立てる。でも我が家の子供達は満面の笑みを浮かべてキャッキャとお猿さん笑い(笑)

 

 

竹 富 島

10分ほどのジェットコースタ−体験でフェリーは竹富島に入港し、桟橋で小さな看板を手に出迎える各種観光業者の中からレンタサイクル屋さんを見つけ出し、そのワンボックスカーに乗って竹富島の中心部に向かう。
この竹富、古くは八重山の中心となる行政府が置かれていた場所であり、八重山の歴史と文化の中心地であったところだ。八重山諸島は石垣島の石垣市と与那国島の与那国町以外は全て“西表”町でも“小浜”町でもなく、“竹富”町であることからも、この竹富島がいかに八重山で重要な島だったかを物語っているだろう。とは言え現在の人口は300人足らず。島の中心にある集落全体が国指定重要伝統建造物保存地区に指定されていることで分るように、古き良き琉球の風情を今に残す美しい島なのである。

レンタサイクルで竹富の街並を巡る
コンドイビーチから集落へ

さて、問題。それでは竹富町役場は現在どこにあるのでしょうか?A.人口が最も多い西表・大原地区 B.町内の真ん中に位置する小浜島 C.町内唯一の空港がある波照間島...答は...全部ハズレ。実は役場は竹富町内にないのだ。僕もコレを初めて聞いた時は意味が良く分らなかったけど、実は竹富町役場は石垣市の離島桟橋近くにある。理由は各島からの船便が石垣島に集中しているため「住民にとって最も便利な場所」だから。石垣に竹富町の飛び地があるのかと思いきや、役場の住所は「石垣市美崎町」。その上、町長も、140人の役場職員の60%も、石垣市民(笑)。分かったようなワカンナイような...でも、再来年西表島・大原に移転するそうだけど。


カイジ浜

 

さて、話が横道にそれてしまったが、集落中心部のレンタサイクル屋さんで自転車を4台借り出して、僕らは島西部にあるカイジ浜〜コンドイビ−チを巡る。周囲9.2km標高差20mあまりのこの島は自転車が一番便利な乗り物なのだ。
もしかしたら泳げるかも!?と期待して行ったコンドイビ−チだが、気温が低く強風が吹き荒れる状況の中では、海に入ったが最後出られなくなることは必至(水温は充分泳げそうだったが)なので、そのまま中心部へ戻ることにする。真っ白な砂が敷き詰められた細い路地(なんと、どこの路地も竹ぼうきの細かい線が残っている。島の景観を守るために島の人たちが自主的に掃除しているのだそうだ。)を通って、Azuがよく鼻唄で歌ってる沖縄民謡♪安里屋ユンタ♪の主人公・安里屋クヤマさん(絶世の美女!)の生家をはじめ、昔ながらの赤瓦の民家を見て回る。♪一匹シーサー屋根の上ぇ〜一匹シーサー踊ぉってる〜♪まーちゃんの唄を口ずさみながら、表情豊かな家の守神・シーサーを眺めてるだけで、泳げなかった悔しさも青い海の彼方へ...(笑)


安里屋クヤマの生家

水牛車に行く手を阻まれる

ちょ、ちょっと怖い

郵便局

本土にある●●風の街並を再現しました!ってんじゃなく、ここは現在も人が住んでいる集落。なのにこの美しさはどうだ!まるで、沖縄が琉球と呼ばれていた頃にタイムスリップしたかのような感覚に陥る完璧な街並...恐れ入りました!と言うしかない。
「パパ、竹富島に来てヨカッタね!泳ぎたかったけどさ、でも帰ってから宮川でも国府浜でも泳げるよね。でもこんな場所に来れるのは今日だけだもん。」とMaakun。...超・ポジティブスィンキング(笑)のMamaの息子だけに、頭の切換えは超一流(笑)なのだ。

うわっ!噛まれるぅ!
楽しさが顔に出てます(笑)

自転車で2時間ほど竹富島内を回ると、11:30。そろそろ帰りの時間が近づいてくる。そう、今日は14:30の飛行機で家に帰る日なのだ。レンタサイクル屋さんで自転車を返却し、竹富港へ。11:45発石垣行きで石垣に戻り、念願の具志堅用高記念館へ...というのはウソで(笑)離島桟橋近くでお土産のお買い物を楽しむ。


ヤマネコちゃんと水牛ちゃん、買わされました(涙)

最初に入ったショップ。「キャ〜!」Azuが絶叫を残し全速力で店の奥へ走ってゆく。な、なんなんだ!?彼女が抱きかかえて来た茶色の物体...何?ナニ?「まりんちゃん!」とAzu。
ん?何と水牛のぬいぐるみ。(ホントは枕だと思うけど...)「探してたのよ〜、ゆぶしまで乗ってからず〜〜っと!」ハイハイ、そんなに言い訳しなくても買ってあげますよ(涙)
そんなわけで、背中のディパックにイリオモテヤマネコの“いりんちゃん”(インリンちゃんじゃないです。>おじさま方)、胸には水牛の“まりんちゃん”を抱えたまま石垣空港へ。
いんりんちゃん、じゃなかった、いりんちゃん&まりんちゃんをX線検査機に通すのを嫌がってゴネたらどうしよう?と心配したものの、何とか無事搭乗手続きを完了。通過中の低気圧のせいで20分遅れで搭乗開始になったANK451便に乗り込む。

14:55、僕らを乗せたボーイング737-500スーパードルフィンは大きなジェットタービン音を響かせて、石垣空港を離陸する。
急角度で上昇し大きく右旋回。右の窓からは宮良湾の淡い青色の海が雲の切れ間から射す太陽の光を受けて光るのが見える。素晴らしい珊瑚礁は白保か?窓にカメラを向けた瞬間、ジェット機は雲の中に突入し、窓は白一色になってしまう。僕がいつまでも見ていたかった八重山。それは一瞬にして白い幕は下ろされてしまった。
「きっとまた来れるわよね。」Azuはそう一言呟いて、Mamaの肩に当てた“まりんちゃん”を枕に眠りについた。
Maakunはといえば...「小牧に着いたらさぁ、キン●ルに行ってビーダマンの部品買いに行くんでしょ?やっとだねぇ、嬉しいなぁ〜!」相変わらず妙にタフなガキなのであった。


石垣空港送迎デッキにて

737-500スーパードルフィンは雲の中を急上昇して、まるで雲の海を跳ねるイルカのように青い空に飛び出す。高度が35000ftであることを告げる機長のアナウンス。
小さな窓から強烈な陽光が射込んでくる。何という名前の島だろう?雲の切れ間から見える珊瑚礁に囲まれた美しい島々。窓の外を熱心に見つめる僕の気持ちを遮るように、窓際のスーツ姿のビジネスマン風の男性がサンシェードを下ろす。

この瞬間、僕らの八重山の旅は終わりを迎えたのだった。


低気圧の通過で20分遅れのANKに乗り込む。さようなら、八重山!

 

シーサーいろいろ

 Special Thanks ! 

僕らに西表へ行くきっかけを与えてくれた南ぬ風人・まーちゃん
星砂の集め方を教えてくれた由布島の親切なおじぃ
美味しい料理でもてなしてくれた海の家・南ぬ風
営業時間外にお店にいれてくれたうめ工房
お礼の言葉もありませんロビンソン小屋
我が家のうるさい子供達に優しく接してくれたHさん
僕が忘れた免許証を島を半周して届けてくれたORIXレンタカ−の方
西表島で出会った皆さん 西表の自然
...そして4日間もひとりで留守番できたChicho
(一部敬称略・順不同)

 

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