“Lover's
Lane=恋人の小径”のスタートポイントにて
3月2日 伊東四朗?シャーベットタウン??(ITOSHIRO
Charlottetown)
季節が過ぎるのは早いもの。カレンダーはついに3月。奈良・東大寺のお水とりも終わって、まさに四寒三温(?)が三寒四温に変わり日に日に春めいてくるのを実感できる季節がやってきた。これまでカヌーが出来ない間は“冬”でしかなかったのだけど、スキーを始めた今年は一週間、いや1日ごとに季節の移り変わりを感じられるから不思議だ。「そろそろスキーも終わりよねぇ。」体内カレンダーがスキーシーズンの終りを感じ取った僕らは、いよいよ今シーズンの『滑り納め』をどこで迎えるか選定作業に入ることになる。
●ちょっとお疲れモードだったので、比較的近い。(160km)
●ちょっと財布が軽いのでリフト料金が安い。(4人で¥9800)
●ちょっと暖かくなってきたので積雪が多い。(250cm)
●ちょっと慣れてきたので、中級コースが多くてAzu用林間コースがあること。(半分近くが中級)
以上の条件と、これまでに行ったことがないゲレンデということで、今回僕らが選んだのは岐阜県郡上郡白鳥町にある“イトシロ・シャーロットタウン”。
4:00a.m.、ワイパーをHighにしなくてはならないような大雨の中、出発。6回目ともなると馴れたもので、5分もしないうちに寝息を立て始める家族を乗せて、Discoは雨の高速を北に向け疾走する。
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センタ−ハウスから見たゲレンデ
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東海北陸道・白鳥ICを降り、R156をさらに北上し大日ケ岳の南麓を西に向かうR321に入ると♪雨は夜明け前に雪へと変わるだろぅ♪ってな感じで大粒の雪が舞い始める。
阿弥陀滝を過ぎ、標高の高いウィングヒルズ白鳥スキー場の峠は猛烈な吹雪。今年何回目なんだろう?なアイスバーン状態だ。6回目のスキーということで、その性能を把握し全幅の信頼を寄せるMICHELIN
4×4ALPINはしっとりと路面に吸付き快適な走行を約束して...ズルルル...!エッ?いきなり大きくテールスライド!逆ハンで事無きを得たものの油断大敵です。
(先週、行きつけのガソリンスタンドでタダで貰った(!)6分山ミシュラン付きLandRover純正ホイール4本をスタッドレスと交換しようかと迷ったけど、スタッドレスのままにしておいて良かったぁ!)
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6:30a.m.イトシロ・シャーロットタウンスキー場到着。駐車場の3m近い雪の壁に向かってクルマを入れ、降りしきる雪の中直ちに仮眠モードに入る。
一時間後。目を覚ますと雪は止んで青空が広がる絶好のスキー日和!手早く朝食と着替えを済ませゲレンデに向かうことにする。スキーを担いでMamaのお下がり24.5cmのブーツでロボットのように歩くMaakunが、センターハウス前で一言。
「イトシロって伊東家の食卓のオジサンと綴りが同じじゃん!」
イトシロ→ITOSHIRO→伊東四朗...なるほど。“ジャックニクラウスゴルフクラブ”とか“加山雄三記念館”みたいに、ここは伊東四朗監修のスキー場...なわけないよなっ!(笑)
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大日ケ岳を望む“Lover's
Lane”をひとりで滑るAzu
スキーを履いた僕らは、まずは第2ペアリフトで“WhiteSand(=白い砂)”なる初級コース(max.16°)で足慣らしをしてクワッドリフトで“Lover's
Lane(=恋人の小径)”なる初級林間コース(max.18°)へ。Lover'sにしては薄暗く陰気な雰囲気でここは一回でおしまい。その後は“Valley
of Violet(=すみれ谷max.24°)”“Haunted
Wood(お化けの森max.26°)”などの中級コースを連続して滑る。一緒にリフトに乗るだけで、あとは自分勝手にスイスイ滑ってゆくMaakun。プルークボーゲンから少しづつシュテムターンへ移行しつつあるAzu。ここへきてポ−ル(ストック)レスの方が滑りやすいことに気付いたMama...三者三様、それぞれが今日も着実に進化を遂げているのが頼もしい。
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激突→転倒するボーダーのオニイチャンを横目に滑るAzu
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“IdleWild=アイドルワイルド”は見てるだけ(笑)
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Maakun「オレさぁ、“お化けの森”で滑って来るからヨロシク!」
(*最近、Maakunの一人称が“オレ”に変わりました...笑)
Papa「ん?林間コースなんか行くのか?」
M「林間は“恋人の小径”だろ?」
P「そうだっけ?雰囲気暗いから、それがお化けかと...」...こんな調子でやたらめったら長ったらしくて“赤毛のアン”を意識したネーミングがオッサンとハナタレ小僧にはそぐわない気がするのは僕だけか?(涙)
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“Haunted
Wood=お化けの森”
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少しづつ足が揃ってきた!
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Maakun「どうして、こんな変な名前なんだろ?伊東四朗なのに!(笑)」
Papa「イトシロは伊東四朗じゃなくって石徹白(いとしろ)なんだってば!」
Azu「シャーロットってシャーベットみたいなお菓子なんでしょ?」
Maakun「もう雪が解けまくってるから“伊東四朗シャーベットタウン”なんちゃって(笑)」
Papa「違う違う!(笑)確か、シャーロットタウンっていえばプリンスエドワード島にある街の名前でな...そこがアンの故郷グリーンゲイブルズの近くなんだ。小倉にグリーンゲイブルズってケーキ屋があっただろ?」
Maakun
「えっ?赤毛のアンって小倉北区のお話なの?」
Papa
「じゃなくて、グリーンゲイブルズはケーキ屋で...」
Azu「イチゴのシャルロットって美味しいね。」
Papa「シャルロットってのはシャーロットのフランス語読みで...あれ?」
Azu 「やっぱりケーキ屋なんだね!」
Papa「だからぁ!シャーロットってのは王妃の名前で、フランスだからシャルロットになって、愛用の帽子がシャルロット式で、その帽子にカタチが似てるケーキがシャルロットで...あ”〜〜頭が変になりそうっ!」
中級コースを並んで滑りながら、親子の怒鳴り声での会話は続くのだった...笑
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白山に向け“Valley of
Violet=すみれの谷”をゆく3人
いつものように、早めのランチを食べた後も、休憩なし...怒濤のスキーイングは続く。お昼頃になって気温が10℃にもなるとさすがに雪質は“シャーベットタウン”な重い感じになってくる。スキー板にまとわりついて、ちょっと油断すると転倒の憂き目に遭う。ここイトシロはリフトは少ない(しかも1本は停まってた)ものの1本のリフトで何通りものコースが選べるところがGood!我が家のレベルに合った自然の地形を生かしたナチュラルなコース設定も楽しい感じで、来年はもう少し雪質の良い時期に来たいと感じる僕らだった。
2:00p.m.、6時間にわたって数え切れないほど滑った僕らは、今日最後の1本...すなわち今年最後の1本をどこにするか作戦会議。最後の最後に“お化けの森”はなかろう、ということで(笑)、今日一度も滑らなかった“White
Way of
Delight(=歓喜の白路max.28°)”を選ぶことになる。このコースはクワッドリフトをはさんで隣のコブ斜面“Rachel
Lynde(=レイチェルリンドmax.29°)”とともに、ここイトシロの名物バーン。PapaとMaakunにはちょっとスリルがあって楽しいけど、Azuには恐怖でしかない、というレベル。でも、今日のAzuはちょっと違う!「怖いけど、頑張ってみる...」そんな言葉を残してスタートするAzuだったけど...
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お天気は最高!
「だ、だ、だ、だめぇ、やっぱムリィィィ〜〜!」転倒したわけじゃないのに恐怖のあまり座り込んでしまうAzu。「ダ、ダメだ!座っちゃダメッ!横に倒れて!!座ったら止まらないぞっ!」そんな言葉もすでに手遅れ。ペッタンと後ろに座ったまま猛烈なスピードで直滑降を始めるAzu。「キャ〜〜!」杉が林立するコース右の森に向けて一直線の“音速の貴公女”Azu!Papaが大きく回り込んで受け止めようと試みるが、想像以上の勢いにPapaも転倒し「キャ〜〜!」(涙)
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“White way
of
delight=歓喜の小径”を下るAzuとMama
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ジタバタしながらやっと止まって立ち上がるとAzuが例によって...「いやや、もう滑るのいやや!スキーはいやや!」と涙ぐむ。30°近い急斜面の真っ最中にそんなこと言われても困ってしまうPapaとMama。恐怖感さえ克服できればAzuのレベルでも何とかイケるんだけどなぁ...そこで必死の説得大作戦。「コケたっていいのよ。恥ずかしくなんかないの!ね、ホラッ!」Mamaがわざとコケて見せるが...「キャァァァ〜〜!誰か止めてぇぇ〜!」Mamaは頭を下にしてそのまま麓までまっ逆さま!それを見て一瞬言葉を失うAzu...ドップラー効果の効いた悲鳴を上げ遠ざかってゆくMamaの姿を目で追いながら、彼女の目から再び大粒の涙が滾々(こんこん)と湧き出るのであった。「いやや〜〜、もう滑るのいやや〜〜!スキーはいやや〜〜!」(涙)
「今年はもうこれを履くことはないんだなぁ...。」妙に感傷的な気分でスキーを外し土産物のショップをひと回りした後、僕らは着替えを済ませて自宅に向けスキー場を離れる。最後の最後に泣いちゃったAzuだったが、土産物屋で買ってもらった“飛騨さるぼぼ飴”を舐めた途端、そんなことはすっかり忘れて遠ざかるゲレンデの頂上を見つめながら一言「ワタシ、スキ−うまくなったでしょ?あんなところから滑ったんだもの!」(笑)
...立ち直りが超・早いシアワセな性格は母親譲りなのでありました。
「今日は早く帰れそうだかから、予定通りワ−ナーマイカル(近所のシネコン)で“指輪物語
ロードオブザリング”のレイトショウだぁ!」「やった〜〜!」
センターハウス入口の屋台で買った鯛焼きをくわえたまま、雪のすっかり解けたワインディングをドライブしていると、サイドウインドウから射込む3月の陽射しですぐに汗ばんでしまうほど。シートベルトをあやとりのようにしながら器用にコマンドセーターを脱ぎ、ウィンドウを全開にすると、頬を撫でる風が山菜狩りの時と同じ匂いがした。「春だねぇ。」「春よねぇ。」
R156の左手に見えるのは、前夜の雨と雪解け水とでかなり増水したホワイトグリーンな長良川。『あの岩の右を抜けて次の瀬は中央突破だな...』川が目に入るたび、カヌーで下るコースを頭の中でトレースしている自分に苦笑しながら、春を感じる僕であった。「このぐらいなら私でも沈しないわよね。」ともちゃん、君もかっ!「もう長良川はゼッタイいやよっ!」Azu、おまえもかっ!(笑)
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ん?飛騨のさるぼぼ飴?ここは奥美濃のはずでは...
コース図はこちら(名前に注目!)
1本のリフトで何通りものコースが選べる!
自然の地形を生かしたコース設定も楽しい!
だけど...コース名をなんとかしてくれっ!伊東四朗!
オジサンが恥ずかしくないネーミングを!お願いだ、伊東四朗!
このスキー場は“伊東四朗シャーベットタウン”ではなく、
正しくは“イトシロ(石徹白)・シャーロットタウン”です。
お詫びして訂正させて頂きます(爆笑)
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コドモたちの滑りをQuickTimeでどうぞ!(笑)*重いので注意!
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