3:30 a.m.起床〜4:00
a.m.出発...
大台ケ原ドライブウェイの朝焼け 6:12 a.m.
10月27日 大台ケ原“リハビリ”ハイキング
宮川をMaakunと下った日、カヌーなお友達・まきまきさんが大台ケ原に行かれたことを知り、僕の“大台ケ原フィーバー”に再び火がついた。以前アキヒロ家が行った時の話を聞いて以来、1度は家族で行きたいと思っていたのだが、なかなか行く機会がなくて...。
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まきまきさんのWebサイトのレポートを読むと“散歩コース”とか“お☆さま♪シカさん♪なおこちゃま大喜びコース”とか、とてもMama好みの言葉が並んでる。“シオカラ谷からの地獄の上り”とか“総延長9km”とかは内緒にして(笑)、彼女のリハビリを兼ねて紅葉真っ盛りの大台ケ原に行くことに決める。
京都から戻って眠りについたのは深夜11:00だったけど、翌朝の起床は3:30。遊びの時だけ低血圧が治ってしまう僕らに、目覚ましは不要。手早く準備を済ませて4:00に出発。
真っ暗な峠をいくつも越えて奈良県へ。途中でコンビニに立ち寄った他はひたすら走り続けて一時間半ほどでR169から大台ケ原ドライブウェイの入口に到着。“紅葉の季節には大渋滞で身動きが取れなくなる”と聞いていたけど、そこはただの林道への入口。
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大台ケ原ビジタ−センタ−駐車場
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ホンマにここでエエんかいな?と不安になりつつ、ドライブウェイとは名ばかりの“舗装された林道”を落石を避けながら上がり続けること30分、目の前に立派な駐車場が見えてくる。大台ケ原ビジタ−センタ−だ。(6:30到着)
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左“青空隊”(Mama&Maakun)
右“紅葉隊”(Papa&Azu)
それぞれがコンビを組んで大台ケ原ビジタ−センタ−前をスタート!
7:00
a.m.(標高1580m/距離0m/気温3℃)
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100台程度駐車可能なビジタ−センターの駐車場は、すでにほとんどが埋まっていて、空きスペースを探すのに苦労するほど。噂通りだなぁ、なんて感心しつつ、何の気なしにドアを開けると...ビューッ!目の前を葉を付けた大きな枝がかすめて飛んでゆく。ヒ、ヒィ〜!トンデモナイ強風だ!Discoの超・重いテールゲートが風に煽られて自動ドアのようにバタンッと閉まる。それを見たMamaの表情が見る見る曇ってゆくのが判る。下手に声を掛けたら『このまま帰りましょう。』などと言うに決まっているので、目を逸らして、そ知らぬ顔でテキパキとスタート準備に励む僕だ(笑)。
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彼女にハイキング中止を言い出す暇を与えないまま、ザックを背負って「さあ、行こうか!」...7:00ジャストにビジターセンターの左脇の登山道をスタートする。
「あの、ね、パパ、ちょ、ちょっと、さ、寒いんだけど...」きちんと整備された広い登山道を歩きながら、Mamaが声を震わせつつ、つぶやく。「そ、そうか?風があって体感温度は低いけど気温は10℃ぐらいはあるんじゃないの?」腰に下げたプロトレックの温度計をチラリと見やりながら僕が答える。でも、これは真っ赤な嘘で(笑)実はすでに3℃を切っている(腰に付けた場合多少体温が伝わるので2℃ほど高く表示される...ってことは補正すると1℃未満!)。
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時折路肩に建てられた大台ケ原を紹介する案内板を読みつつ、水場を越え、コンクリートで固められた階段をのぼること20分ほどで三重県境の尾根に到着。ここでMaakunが野生の鹿の親子に遭遇。
『大きなのと小さいのと白〜くて真ん中に黒い線があるバレーボールがピョンピョン遠くに跳ねてった。』とのこと。
そりゃ、鹿のお尻だよ、きっと(笑)
清水の舞台のような展望台を横目に左に折れて、日出ヶ岳山頂を目指す。霜なのか雨が凍ったのか真っ白に凍りついたツルンツルンの木製の階段を上り15分ほどで日出ヶ岳山頂に到着。
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日出ヶ岳登頂!
7:36
a.m.(標高1695m/距離1900m/気温-1.5℃)
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日出ケ岳への階段から望む熊野灘(海山町方面?)
紀伊半島最高峰だけに、ここからの360°パノラマは素晴らしい。東には金色に輝く熊野灘。流れる雲の影が海面をゆっくりと移動してゆく様は昔見た太陽の黒点観測のビデオのようだ。西に目を転じると、新印象派・スーラの点描画のように美しい日出ヶ岳山麓の紅葉と遠くに見える大峰山系...「いやぁ〜スッバラシイなぁ!」感動の声を上げているのは...僕とMaakunだけ。Mama&Azuは「あ、あ、あの、さ、サブイんだけど、は、はやく行かない、で、しょうか?」(腰の温度計はついに0.5℃(補正後マイナス1.5℃)を表示してるけど、また内緒にして)来た道を戻って
山頂下の展望台へ。
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山頂からの眺め
(4つの影は我が家!寒くて中腰になってるAzu&MamaとピースしてるPapa&Maakun)
展望台に着いた頃、尾根を吹きすさぶ風に混じって白いものが...「ね、ねえ、パパ、ゆ、雪が、降ってきたような気がするんだけど。この足元のザクザクは、もしかして氷ってものじゃ、ないのかしら?あ、あれぇ〜〜飛ばされるぅぅ」強風に煽られてよろけながらMamaが悲鳴を上げる。「いや、これは雨だ!」完全に雪なのに雪とは認めない僕。
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正木峠を越える 8:00
a.m.
(標高1620m/距離2700m/気温0.2℃)
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本当は僕も手指がかじかんでカメラのスライドカバーを開けることが出来なかったりするんだけど、リーダーはあくまで強気(笑)。展望台の三叉路を南にとると、正面に林立する立ち枯れたトウヒの間を縫うように作られた木製の階段が見えてくる。階段を登り切った所が正木峠だ。台風による大量倒木で地面に太陽光が差すようになったことや、酸性雨や増え過ぎた鹿の食害(狼のいないこの森で鹿は天敵がいない)、そして僕らのような入山者が増加したことによる環境変化で、元来から脆弱なトウヒ林(ここはトウヒの自生南限。つまり元々トウヒには住み難い環境なのだ。)が、末期的状況になってしまっていて、まるで立ち枯れのトウヒが墓標に見えてくる。(“絵になる”からと、好んで写真を撮る人も多いが、僕はあまりに哀れで写真を撮る気になれなかった。)
隕石だか水爆実験だかで枯れ果てたロシアの森の光景にあまりにも似てるトウヒの立ち枯れから目を逸らしつつ階段を下って行くと景色が一転、樹木が生い茂り、糸笹の絨毯が美しい、まるで著明なガ−デナーの手による完璧な公園のような正木ケ原に着く。
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ここから、かつて尾鷲へ通じる古道が延びていた(現在は廃道)尾鷲ケ辻へはゆるやかな下り道。そのちょっと手前の中道(ビジターセンターへのショートカットルート)の入口には休憩用の東屋があり、ここでザックを下ろしてひと休みだ。
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尾鷲ケ辻から牛石ケ原までは、再び生い茂った林の中を抜けるコース。そこで50mほど先をゆくMamaが中腰になって凍りついているのが見える。「シ〜カよ〜!シ〜カよ〜!」シカもびっくりのハンターのような鋭い視線で森を見つめるMama。「ず〜っと目が合ってるのぉ〜!」そう言うMamaの視線の先をみんなで見るけど、それらしい姿は見つからない。(実は彼女、視力2.0なのは当然だけど、茂みの中で動物を発見する特別な能力を備えていて、川で僕らが2〜3羽にか見られないカワセミを何倍も発見したりするのだ。もしかしたらサンコンさん並みに5.0なのかも...)しばらく森を注視していると...いたいた!保護色で見つけにくいけど、意外に近くにいました!寒さと紅葉の人出の多さで鹿も少ない中、Azuに“鹿さ〜ん♪”を見せられてホッと胸をなで下ろす。
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尾鷲辻近くで鹿に遭遇!
8:45 a.m.
(標高1593m/距離3800m/気温1.2℃)
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牛石ケ原 9:02 a.m.
(標高1583m/距離4700m/気温3℃)
平坦で歩きやすい道を進むと、急に広々とした糸笹の平原に出る...牛石ケ原だ。どこかに似てるなぁって考えたら...京都御所の広場のような雰囲気なのに気が付く。そんなこと考えてたら、いきなり右手に神武天皇の巨大な銅像が!神武天皇が魔物を封じ込めた「牛石」があるから牛石ケ原なのだそうだけど、神武天皇にゆかりがある場所で御所を連想するなんて、あまりの偶然に驚く。
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対尾根には日本の滝百選に選ばれている「中の滝」の姿
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“大蛇ぐら”は15m以上の突風が吹いていた(涙)
9:16
a.m.(標高1578m/距離5300m/気温0.2℃)
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牛石ケ原から5〜6分も歩くと、少し開けた森に着く。ここは少し風当たりが弱いからか、何組かのグループがザックを下ろして座ってコーヒーを飲んだり、お菓子を摘んだりしている。その間を通って道を左にとる。
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シャクナゲの木を両側に見ながら、やけに狭い道を下っていくと、左手には日本の名瀑百選のひとつ「中の滝」(NHK朝の連続テレビ小説“ほんまもん”のタイトルバックに出てた滝です)が色とりどりの紅葉の真ん中を豪快に流れ落ちているのが見える。
さらに歩きづらい岩場を進むとそこは東大台ケ原最大の見どころと言われる“大蛇ぐら”という絶壁の岩場だ。
実際に見たわけではないけど、そこにいたオジサンによると頼りなげな鎖(しかもポールはグラグラ揺れてるぞ、おい!)の先は高低差800m以上もの大断崖だそうで、確かに景色は最高かもしれないけど...高所恐怖症の僕は勘弁してほしい場所でした(涙目)。
ところが怖いもの知らずのMaakunはしきりに岩場の先端へ行きたそう。
「だってさぁ、10mから落ちても死んじゃうだろ?じゃ、10mも800mも変わらないんじゃないの?」
確かに理屈はそうだけど、時折吹き上がる突風は簡単に彼の30kgのカラダを吹き飛ばしそう...本気で叱って、最後にはお願いまでして→までで勘弁してもらいました。
(『おい、坊主、今度シャクナゲの綺麗な風のない日に来いや。そしたらあっこまでイケルで!』鎖のポールをグラグラ揺らしながら一緒に説得してくれたオジサン、ありがとうございました。)
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大蛇ぐらからはひたすら下りが続く。
すれ違うオバサンにやたら誉められる子供達
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やっぱり河童は沢に降りて休憩
10:18 a.m.
(標高1414m/距離7100m/気温3.2℃)
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大蛇ぐら手前にある三角点のある岩場に登って大峰山系の雄大な景色を堪能した後は、下ってきた道を折り返す。さきほどの分岐まで戻ったところで、コーヒータイム。シェラカップを直接シングルバーナーに架けて淹れたインスタントコーヒーだけど、冷え切った身体全体に温かさがじわ〜っと広がって最高!
15分ほど休憩した後は、一旦少し登った後、シオカラ谷への急な下り坂を降りてゆく。大蛇ぐらまではあまりの寒さで無表情&無口なMamaや泣きそうになってたAzuもコーヒーの効果なのか、ここに来て急に元気を取り戻す。
相変らず疲れを全く見せずトレイルランニングのようなペースで先頭を行くMaakun。そして、持病の左膝痛が始まった僕(涙)。時折5〜60cmの段差が現れる厳しい道だが、身の軽い子供達はぴょんぴょん飛び降りて下って行く。
両側にはシャクナゲの低い木が立ち並ぶ。見頃になる5月中旬〜下旬には山道両脇に美しい花が咲き乱れ花の回廊を楽しむことができるそうだ。
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シオカラ谷に架かる吊り橋にて
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膝より高い石段をぐんぐん上るAzu
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急な坂を下り続けること30分ほどで下界から水音が聞こえてくる。シオカラ谷の渓流だ。坂を下りきると小さな吊り橋が架かるシオカラ谷に到着だ。
“水系”アウトドア家族の僕らは当然のことながら(笑)吊り橋を渡らずに、沢へ下りていって水際の石に腰掛けて持参したおにぎりを頬張りながら休憩をとる。
子供達は疲れも見せず、沢の水面から顔を出した岩をカモシカのように飛び移って川渡りを楽しんでいる。
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確かに水辺はとても落ちつくのだけれど、座った瞬間から僕らを襲う冷気に耐えきれず10分ほどで再びザックを担いで登山道に戻ることになる。
ここは1414mと今回のコース中最も標高の低い場所で、ここからゴールまでの1400mの距離で高度を166m稼ぐ(12%勾配?)厳しい登りが待っている。
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立ち止まると寒くていられないので休憩は最小限で。
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登山道脇の根をくぐって遊ぶ余裕も
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つり橋を渡ってすぐから始まる長い石段は一段の段差が大きくてAzuは一段一段よじ登るような形になるが、いくぶん気温が上昇してしかも風が弱まったこともあって『寒くないから平気なのよん!』(by
Azu)とのことでご機嫌麗しく有難い。
ここにきて“青空隊”のペースが急に上がり、どんどん引き離されていく。右手に大台山の家が見えて、糸笹の絨毯の森を抜けるとゴール・ビジターセンターはもう間もなくだ。11:20、まずは“青空隊”のMama&Maakunが、そして5分ほど遅れて僕とAzuの“紅葉隊”がゴール。
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ゴール直前の森もこんな雰囲気
ゴール(ビジタ−センタ−)到着 11:20 a.m.
(標高1580m/距離8600m/気温5.2℃)
へとへとなのかな、と思ったら僕を除く3人はまだなお元気イッパイ!
『ね、絶対ビジタ−センタ−に行くからね!』
ザックを担いだまま小走りでビジタ−センタ−に駆け込もうとする子供達を制止してザックを取り上げなくてはならないほどだ。
寒風の中着替えを済ませて、ビジターセンターで大台ケ原のお勉強。館内の隅に設けられた身長計のような柱の天井近く4.6mに刻まれた印は、水の山・大台ケ原の年間降雨量4600mmを示していたりして、なかなか面白い内容だった。
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やたら元気な“青空隊”のMama&Maakun。
『ママ〜待ってぇ〜!』誰のリハビリだっけ??
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子供達は最後まで全く疲れを知らず...
『イグアナに似てるでしょ?』
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「どうだった、大台ケ原は?」そんな僕の問いかけに...
「寒くなかったら、確かにお散歩コースかもしれないけど、最初のうちは寒くて寒くて
“あの世に行きそう”だったわ(笑)。」
「『私の体力がまだ半分も戻ってないのに、この人何考えとるんじゃぁ〜』って思ったけど、途中で止めるのは悔しかったし我慢したのよ。でも大蛇ぐらからは本当に楽しいトレッキングだったわね。またシャクナゲの頃来ましょうよ。」と笑顔で答えるMama。
あ〜よかった!ちょっとだけ達成感を感じながら、大渋滞の、でも紅葉がお見事!なドライブウェイをのんびり下る僕らだった。
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大台ケ原ドライブウェイから見た紅葉は今が見頃
10月26日 琵琶湖疎水トレッキング(教科書の撮影ポイントを求めて...)
「なあMaakun、今日は京都に行くんだけど、映画村にでも連れてってやろうか?」
今日はMamaの退院報告を兼ねて、僕らの学生時代のバイト先の店長宅への訪問の日。M店長が午後からしか都合がつかないので、午前中に僕ら夫婦の思い出の場所を巡ってからお宅にお邪魔しようと思ったわけだ。京都で数時間を楽しめる場所、しかも子供が喜びそうと言えば、僕らの初デートの場所でもある東映太秦映画村を思いついたのだが...。
「映画村?それより琵琶湖疎水に行きたいなぁ。」ん?そ、疏水ってえらくマニアックな...聞けば、今、学校の社会科の授業で琵琶湖疏水を取り上げていて、この週末に宿題で調べものがあるらしく、インターネットで調べようと思ってたら京都に行くと聞いてピンと来たらしい。
学生時代に4年、そしてMamaが卒業するまでのウィークエンドハズバンド(笑)で2年、合計6年を過ごした京都は僕ら夫婦にとって第二の故郷みたいな場所。でも、さすがに改めて疏水に行ったことはないし面白そうってことで、朝7時半に家を出て京都に向かう。
9時すぎに南禅寺に到着。学生時代の“湯豆腐大食い大会”を思い出してひとり笑いしながら、南禅寺の素晴らしい境内の景観を楽しみ、大阪書籍「小学校4年社会」というガイドブック(笑)を手に境内の水道橋を見学。その後、琵琶湖疏水記念館でお勉強していよいよインクラインから疏水に向け散策を楽しむ。
「特別に山や川に行かなくても、こんなのも結構楽しいね。」教科書の写真と同じ場所を次々と見つけて大喜びで駆けて行くMaakunとよく意味が分からないままにハシャぐAzuの後姿を眺めながら、僕らは何となく幸せな気分を味わったのだった。
疏水トレッキングの後は、僕らが学生の頃によく通った学生街の洋食屋さんでランチを食べ、PapaのボロアパートとMamaのマンション(!)の辺りをウロウロして店長宅へ。
「また来ようね。」そう言う僕に「今度は金閣寺も見たい!」えらくトラディショナルな観光地を希望するMaakunであった(笑)。
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河童、じゃなくて合羽の家族
10月19日 天高くイモ肥ゆる秋!
天高くイモ肥ゆる秋!(馬だっけ?)今日は毎年秋の恒例行事になったイモ掘り。故郷の実家が別荘に売れちゃって(!)以来、田畑や山はあるものの帰る家がない僕にとって“心の故郷”である友人Uおじさまの実家。農作物を育てる苦労もなく収穫のみを体験させて頂いて非常に心苦しいのだけれど、今回も言葉に甘えて家族総出で押しかけることになった。
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実は今回、Mamaは退院から2日目、そして今にも雨が降り出しそうな空...その上Azuが前日深夜から咳き込み始めて朝から小児科に連れて行く始末。無理は禁物なのでUおじさまに一旦お断りの電話を入れたのだが...家族みんなの多数決で「家でのんびり過ごしませんか」案は逆転敗訴(涙)。ま、Azuは熱もないしウィルス性の咳じゃないから伝染ることもないんだけど...
10:40、Uおじさま宅に到着した僕らはUお母さんやYokoちゃん&Kazuくんに挨拶をする間もなく畑に向かう。周囲の山の中腹まで下がってきた雲。半時間ほど前からはかなり大粒の雨が降り続いているけど、エーグルのニーブーツ(子供達のはL.L.Bean)を履いてレインウェアで完全武装した僕らは全然平気だ。「それにしてもこんな大雨の中、イモ掘りするなんてオタクら家族も好きモンやねぇ。」「だって小学校のイモ掘りでひとつも掘れなかったもん!」Azuにとって、今日は“リベンジ”イモ掘りらしい(笑)
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延々と続くサツマイモ畑
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うひひひ...
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今年は大豊作
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畝を覆う葉や茎をカマで取り除いてくれるUおじさま。その後に続いて地面を掘ると...あった!でっけぇ!次々と掘り起こされるピンクパープルのおイモたち。ほんの半時間、ふた畝を掘り返しただけで形の良い大きなサツマイモが用意したダンボール箱一杯になるほどの豊作だ。「サトイモも掘る?」「枝豆も好きなんじゃない?」隣の畑でサトイモや枝豆も収穫させてもらって大満足の子供達。
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サトイモをひっこ抜くともちゃん
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エダマメも収穫
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一時間ほどの作業の後、泥だらけのレインウェアと長靴を着替えて、いつものログハウスレストランで昼食を済ませ、収穫したサトイモを洗うためにUお母さん用水路へ。
「イモ車で洗うのよ。」そう言われてMamaや子供達の顔には?マークが浮かぶ。「イモ車って何?」「イモ車知らないとは...君達は都会っ子やなぁ。」Uも僕も呆れ顔。
僕の実家では竹のトユから流れる沢水で使ってたけど、Uおじさまはサトイモを入れたイモ車を用水路に入れて回すようだ。思わず飲みたくなるような清冽な水を受けてカタンカタンと小気味良い音を立てて回るイモ車。初めて目にする風変わりな道具に、興味津々のMama&子供達。10分ほどで泥や不要な根が全てこそぎ落されてツルンとしたサトイモの出来あがり!(あと10分ほど回すと皮も剥けてすぐに食べられる真っ白なおイモちゃんになる)
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いも車(水車式芋洗い器)でサトイモをキレイに
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サトイモをキレイにした後は、Uのお父さんお手製のBBQコンロに炭火を熾して、石焼イモを焼く。恒例のヤキイモパーティーの始まりだ。炭火で充分に熱した那智黒の小石の中に洗ったサツマイモを埋めて待つこと15分。スコップで掘り起こしたイモをアッチッチッチと両手でキャッチボールしながら半分に割ると、真っ黄色な断面から立ち上る真っ白な湯気...ホクホクのヤキイモの出来あがり!!ンゴンゴ...昔のサザエさんのエンディングみたく喉に詰まらせてじわぁ〜っと涙を浮かべながら自らの胸を叩く慌て者のMaakunを笑いながら、ヤキイモパーティは続く。
「そういえば去年最後の野遊びがイモ掘りだったよね。」「そして、退院して初めての野遊びもおいも掘り...笑」
イモ掘りで終わりイモ掘りで始まる我が家。この一年を決して忘れることは出来ないけど、なんだか今日が去年の10/21の続きで、その間に起きたことが夢の中の出来事だったような...そんな気分になってしまう1日だった。
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石焼きいもを焼いて...
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しみじみと味わうMaakun
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宮川最大の瀬・神瀬(Class1-1.5)をゆくCAMPER
波が折り重なって非常に複雑な流れになっている。
10月6日 父と息子のダウンリバー2002(宮川)
「ところで明日はどうしましょう?」(どこかで聞いたフレーズだな...笑)みつえ家族旅行村、土曜の夕方。遊び疲れてるはずなのにキャンプを取りやめたアキヒロさんと僕は何やら密談。「う〜ん、宮川の状態がイイらしいんだけど明日は雨みたいだし、ともちゃんとランチを一緒にする約束だし...ま、川に出られる可能性は40%かな?」早くも明日の相談だ。
翌朝、早起きしてベランダで洗濯物を干しながら空を見上げると南の方は青空が覗いている。振り返ると子供部屋の2段ベッドの上段で、Maakunが僕と同じように窓から青空チェックしてる(笑)。「もしアキヒロさんちが行けなくても、カヌー行きたいか?」「うん!」「よし、準備開始だっ!」
僕がカヌーを積んでる間に、子供達はウェットスーツやパドル、レスキュー道具の準備。「今日は瀞場?川下り?」Maakunは最近遊び方に合わせたイクイップメントを準備できるようになってきたので、完全にお任せ。「パパのパンツは赤いのでいい?」Azuは僕の“勝負トランクス”など(笑)ツアーの後の着替えを防水バッグに詰め込んでくれるので大助かり。玄関先に並べられた道具をクルマに積みこむ頃には、全員カヌーウェアに身を包み、MaakunはChichoの、Azuはメダカの餌をあげる余裕も。
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スタートポイント(七保大橋)にて今日の
気温&水温を考慮してラッシュガ−ドをチョイス
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増水直後の瀞場は水中のシルトが
日光を反射しまるで蛍光グリーンのよう
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アキヒロさんに電話して待ち合わせ場所を確認して、宮川に向けて出発する。クルマを15分ほど走らせたところでアキヒロさんから電話が入る。Moeちゃんの体調がすぐれないので、今日はアキヒロさん&Koukunのふたりでの参加になるという内容だ。「Moeっち来られないってよ。」Azuにそう告げると途端に表情が曇るけど、Moeちゃんちで遊ばせてもらえるというと「やった〜!カヌーなんかよりそれがいいっ!」とご機嫌だ。カ、カヌーなんか、なの?(涙)
アキヒロ家でAzuを預けて、コンビニで買出しを済ませ、2組の父と息子はスタートポイント・七保大橋へ。以前はよく通ったこの場所も、実は2年半ぶり。ちょっと不安な気持ちで国道42号から河原への進入路を下ると、やはりここも道路が荒れ果て、さすがのDiscoもTC警告灯(トラクションコントロール)が点灯しっぱなし。新機能HDC(ヒルディセンドコントロール)をONにしてDisco任せで下っていくけど、河原に入る直前に40cmほどの深さの溝が出来ていて、転倒しそうで肝を冷やす。バスケットボール大の石がゴロゴロしてる河原になんとか到着。
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心配なのは後続のアキヒロさんのランカスター。ところが、さすが他の追随を許さぬSUBARUテクノロジー!Discoとたった2cmしか違わない最低地上高と低い車高を生かして鼻歌まじりで(あ、クルマは鼻歌は歌わないです)到着する。
すっげ〜!並みのクロカン四駆なら間違いなく立ち往生するシーンであの余裕!カヌーが2艇積めたら、絶対ランカスターだよなぁ、と惚れ惚れ。
今日の宮川の水位は観測点・岩出で-40cm。この時期の平均値は-80〜-100cmだから、子連れ川下りにはちょうど良い水位。しかも先月末に警戒水位500cmを超える大増水の後だけに、川底のメリハリが効いているに違いない。
5.5km下流のゴールポイント・田口大橋にクルマを回送し、再び七保大橋に戻った僕らは11:00a.m.、いよいよ青白い濁りが微妙に入った宮川にカヌーを浮かべ下流に向け出発する。
昨晩10年日記&アルバムで調べたら、なんと今回が僕にとって記念すべき100回目の宮川。でもこの区間はまだ10回ほどしか下っていないので、新鮮な気持ちで下れる(アキヒロ家はもちろん、Maakunもここは初めてだ)のがイイ。
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静かな川面
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チャポチャポの瀬。
Maakunの視線は飛び込み可能な岩へ(笑)
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静かに見えて時速5〜6km/hで流れる。
水深は3m以上だけどくっきりと川底が見える
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さすがにこの時期になると河原に全く人影はなく、川面に浮かんでいる限り人工物もほとんど見えない。水面はおくまでも穏やか。たまにチャポチャポな瀬があるものの、仮に昼寝してても無事通過出来るほどだ。そんな瀬と深くまったりとした淵が交互に現れるが、淵でさえも周囲の景色がどんどん後ろに流れて行くのが判るほどの流速がある。「ホント楽だなぁ。」これまで宮川での川下りと言えば渇水や向い風に悩まされることが多かったアキヒロさんも、前回のウミウシさんとの川下りあたりから宮川に好かれ始めたみたいで(笑)、2艇のカヌーはほとんど漕がずに時速5〜6km/hの比較的速い流れに乗っているだけの快適な川下りが続く。。
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で、でた〜〜!噂の神瀬だぁ〜
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でも、ずっと流れているだけではすぐに飽きが来るもの。そこは天下の(?)宮川。ちゃ〜んと飽きさせない仕掛けを用意してくれてます(笑)。
ゴルフ練習場OGCのグリーンのネットを通り過ぎて間もなく、一際大きく腹に響く瀬音が!宮川最下流のダム・粟生頭首工から河口までで最大の瀬・神瀬だ。
渇水時のグレードは1〜1.5級だけどいきなり1mの落込みがあってその直後の三角波では、カヌーのキールラインが2/3ほど宙に浮いて、まるで空を飛ぶような感覚。(バウが体重の軽い子供だと、シーソーのように跳ね上げられて落水しそうになるほど)
約300mの瀬でトラディショナルスタイルのCAMPERはもちろん、水切りが良いはずのモダンなフネでさえもボトムの防水バッグが浮かぶほど浸水してしまい、瀬の終わりの右カーブでは沈するカヌーが結構多い。
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僕から神瀬の噂を散々聞かされてたMaakunは、ちらりと僕の方に振り返りニヤリと笑ったあと、「大きな瀬だって言ってたけどたいしたことないなぁ。」などと強がりを言いつつ、それでも「カヌー格言其の壱“瀬は上流から見てるほど小さくはない”」を思い出したのか(笑)瀬に備えてケインシ−トにどっかりと腰掛けたシッティングポジションから膝をボトムに着けるニーリングポジションへと姿勢を変える。
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『そう言えば、上流側からのこの瀬の写真がなかったっけ?』
格言を忘れた父親は瀬の直前でパドルを脇に挟んで、まだ操作に慣れてないデジカメを構える。
“ゲコ!”カエルの鳴き声のような間抜けなシャッター音を響かせながら2〜3枚撮って、カメラをカヌーに固定してるうちにパドルを持ち替える間もなく、カヌーは最初の落ち込みに!「うへっ!」ふわりとカヌーが宙に浮き、慌てて波頭にパドルを差し込んだ瞬間、視界から水面が消える。
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ウオッホッホッホ〜イ!
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次の瞬間、ザボ〜ン!スターンがMaakunもろとも白波に突っ込み、カヌーの前半分が真っ白な水飛沫のカーテンに入って見えなくなる。少し遅れてMaakunの両肩よりも高い波が左右対称の水流となってに彼の脇の下を巻き込むようにカヌーの中に流れ込む。波に弾かれたシアトルスポーツのクーラーバッグが僕の膝まで流れてきて転がる。
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波に飲まれるカヌー(笑)
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「左だよっ!」Maakunが体を捩ってカヌーから身を乗り出し、いきなり波の底の水面にパドルをグサリと突き刺し、2度3度ちょこまかとバウドローを入れている。「も、もしかして大波狙い?」
カヌーは大きく左に傾いて針路を変え、傾いたまま一番大きな波の頂点にのぼってゆく。
「オッケ〜!」Maakunが絶叫。(やはり彼は、より高い波を目指してカヌーの針路を曲げようとしてたのだそうだ。ビデオで見たポールメイスン少年の真似をして...)1/4ぐらいが浸水してボトムがチャプチャプ鳴ってるカヌーは、ほとんどコントロールが効かないけど、ふたりで目一杯遠くをブレースしてフネを安定させながら続く中波小波をなんとか越え、下流の河原にストリ−ムアウト。再びMaakunが振り返って満面の笑みを浮かべる。
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「凄かったね!これって3級?」僕は「カヌー格言其の弐“河原で見てると1級の瀬も、下り始めると2級になり、友達に話す時は3級になる”」を思い出しながら苦笑い。「あははは、これを3級なんて言ったらホワイトウォーターな人たちに笑われちゃうよ。2級以下だな。」「じゃあ、3級ってすごいね。」「ああ、でもオレは行かないよ。チキンパドラ−の名が汚れる(笑)」
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訂正!やっぱり今日はClass2になってます。
そんなことを話してるうちにアキヒロ艇が瀬の入口に差し掛かる。僕らが狙った大波ラインより少し右側に進入して大波の斜面をサイドスリップで右にサーフしながら極上の笑顔で楽々越えて来るアキヒロ親子。波に弱いLettmanミックマックで鍛えたアキヒロさんにとって、Explprerで下る神瀬は思いのほか簡単だったのかもしれない。
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昼食後再び...300m揺れ続けて消化に悪そうだけど...
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波の斜面を滑り降りるカヌー
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水が入って水ブネ状態のEXPLORER
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神瀬でランチ
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そうは言っても、水切の良いExplorerでさえもかなりの浸水があったようで、瀬の終わりには喫水線が水面ギリギリになって鈍い動きでストリームアウトしてくる。
「あ〜楽しかった。ここでお昼にして、もう一回くだって遊びましょうか?」瀬の轟音が響いて会話が聞き取りづらい中で簡単なランチをとり、午後から再び瀬で遊ぶ。アキヒロ家の沈の瞬間を撮ろうとカメラを構えるけど、結局アキヒロ家も我が家も沈はなし。
ここでカヌー格言其の参「カヌー格言其の参“待つ沈来らず”」(笑)。
2時間ほど神瀬で過ごした後は、再び下流に向けて午後の部スタート。ここからゴールの田口大橋までは瀬らしい瀬もなく無音の流れの中を静かに漕ぎ下って行くばかりだ。スタートして間もなく。正面に野原大橋が見えて来る。
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少し左にカーブを取ったところで、野原大橋下流の瀞場で遊ぶカヌーイスト達を確認。「あっ、やまなかさんだっ!」遠目からでも判別できる特徴的な銀色のハル。グラマン・ダブルエンド13ftに乗ったやまなかさんがバウを上流に向け漕ぎ上がって来る。「こんにちは、はじめまして!」メールやBBSでの馴染みのやまなかさんは、想像していたよりもずっと若く溌溂とした青年で、バスボート的なフネだとばかり思っていたギンギン13ftは、まさにマジコさんの15ftのボリュームはそのままに長さを短くした「いかにも瀬の中でクルクル回りそうな」フネだ。
やまなかさんはお友達と一緒だったので、あまり長居をしてはイケナイってことで、そのまま野原を通過。2km弱下流のゴールを目指す。しばらく漕ぐと田口大橋のオレンジ色が目に入る。
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CAMPERにはこんな瀬が一番いいのかも(笑)
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そして川の真ん中に大型のパワーショベルの姿。右岸には10台ほどのクルマと十数人の人影。何してるんだろう?最近は川砂の採取も見かけないけど...もう少し近づくと、川を横断するように顔を覗かせる杭の列が見えてくる。「ヤナだ!」
そう、オジサン達が総出でパワーショベルまで使ってヤナを建設中なのだ。ヤナと言っても宮川の場合は板取川なんかの立派なものではなくて、杭を等間隔に打ち込んで竹の枝などで塞ぐだけの簡単なもの。たかが落ち鮎を捕らえるために、そこまでやるか!?Maakunの小学校で運動場の草刈りにブルドーザーを持ち込んだ父兄がいたらしいけど、それに匹敵する豪快さ(場違いとも言う)には驚きを超えて笑ってしまう僕だった(重機の免許あるとついつい人前で動かしたくなるんだよなぁ...自分もそうだけど)。僕らがヤナに近づくと、ひとりのオジサンが大きなゼスチャーで僕らの通り道を指示する。ところがカヌーの幅を知らないのか、パワーショベルとオジサンの間は1m強。初心者だとそのままオジサンに突進して、また大モメするんだろうなぁ。などと苦笑しながら会釈して通過する。(1時間後にヤナを通過したやまなかさんによると、その時にはヤナは完成し、2本の長い竹でフネの通り道が設けてあったとのこと。川を完全に塞いで酒飲みながら「ボケカスアホ、通るな!」と叫び続ける下田口の嫌なヤナオジサン達とは雲泥の差だな。)
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な、なんで川の真ん中に重機が??
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重機を使って“やな”建設中。鮎捕りにそこまでやるか
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建設中のヤナを過ぎ、比較的速い流れのザラ瀬を越え、僕らはゴールの田口大橋に到着する。「お疲れさまぁ〜!」(ホントは全然疲れてないけど...笑)」カヌーを河原に引き上げ、防水バッグとクーラーバッグを積込んだ4人乗りのランカスターでスタートポイントを目指す。「宮川はやっぱり秋だよなぁ。」「まったく!水量、透明度、水質...秋が一番!」口々に今日の宮川を褒め称えつつ、僕の頭の中には格言其の四が思い浮かんでいた。「カヌー格言其の四“川は逃げない。だけど季節は過ぎてゆく...”」(笑)
「父と息子のダウンリバー2002」はこうして終わりを迎えたのだった。
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田口大橋からゴール地点を望む
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帰宅準備完了!
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おNEWのP.F.Dです!!
今回の瀬遊びにおいてヘルメット未着用の写真を使用しておりますが、PFDと同様にヘルメットは欠かせない装備のひとつです。5年前にこの瀬においてPFDのみを身に着けて泳いで下った経験、そして3年前にはPFDなしで泳いだ経験があり、川底の形状や流れを熟知しているとは言え、水量や時間の経過による川底の変化などにより不測の事態が生じる可能性も否定出来ません。たとえこの程度の瀬であってもヘルメットを正しく装着されることをお薦めします。(でもPFDを着けずにカヌーに乗ることはケースバイケースでそれもアリかなと思います。だってPFD着けてたら潜れませんからねぇ...)
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クマ笹の絨毯に揺れるススキの穂
10月5日 三峰山(みうねやま)ハイキング
「ところで明日はどうしましょう?」「う〜ん...」前日の22時にこんなコト言ってて大丈夫?なダブルaki家(我が家&アキヒロ家)。一応、三重と奈良県境・三峰山に登ることだけは決定し我が家は日帰り、アキヒロ家はキャンプするか、それとも日帰りかは現地に着いてから決めるということで(これじゃ他の方は誘えませんな...笑)、とりあえず新しく買ったMoutainSmithのザックに荷物をパッキングして眠ることにする。
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翌朝9:00、我が家とアキヒロ家の中間点で待ち合わせて三峰山登山口・みつえ(御杖)青少年旅行村へ。
ここはオートキャンプ場、全長240mのボブスレーや140mのロングスライダーなどの遊具を完備した御杖村々営の複合レジャー施設。
管理棟に着くなりキャンプ場スタッフに買出し可能なお店を尋ねるアキヒロさん。
「やっぱりキャンプするんだ?」
「え?あ、いや、一応聞いただけで、まだ決めてないんだけどね。」
半年も前から予約して何日も前からあれこれ準備...満を辞して鼻息荒くキャンプに出かける大多数のオートキャンパーが聞いたら腰を抜かしそうな、ひたすらお気楽なアキヒロ家。何でも無計画な我が家もアキヒロ家には負けます(笑)。
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10:30スタート
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今日登る三峰山は標高1235m、山頂まで往復6km足らずの距離だ。鈴鹿山系・御在所岳よりも高いわけで、家族揃って3000m級登山を楽しむ“パパクライマー”なアキヒロ家はともかく、“なんちゃってハイカー”な我が家には相当キツイかもなぁってちょっと不安。
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山小屋前で休憩
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ただ、僕が小学校4年生の時は何度もオーバーナイトハイクと称して40km以上を歩いた(歩かされた?)経験もあってMaakunは大丈夫だろうけど、Azuは...
10:30林道の終点に車を停め、新しく買ったばかりのZamberlanのトレッキングシューズを履いて登山道を登り始める。
いきなり金毘羅山の石段並みの角度の階段。よく整備された登山道だけど周囲は全て針葉樹林で雰囲気は今一つだ。先頭をかなりのハイペースでぐいぐい登って行くMoe&Azuの小学校2年生コンビ。その後をアキヒロ夫妻と僕。そして意外にも元気がないMaakun&Koukunの小4コンビと続く。
春の宮ノ谷渓谷とは違って、ひたすら上りばかりの登山道。小4コンビはちょっとバテ気味のようだ。小休止を頻繁にとりつつ、一時間ほど歩いたところで腕に着けたプロトレックの高度計が900mを超える。
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スタートから1745mポイントにある山小屋に到着だ。ザックを下ろしてさあ、休憩...と思ったら、小屋の脇にある枝ぶりの素晴らしい木を見つけてMaakunは俄然元気を取り戻す。
「ねぇ、登っていい?」(涙)
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いかにも「登ってちょうだい」ってな枝ぶりの木にスルスルと登っていくMaakun。放っておいたらてっぺんまで登っていきそうな雰囲気だけど、こんな場所で落下→骨折→背負って下山ってなことになったらパパはたまらないので、5mほどで止めさせて記念写真をパチリ。
山小屋を過ぎ、高度計が1000mを超えたあたりから登山道の両脇に生える木々が針葉樹からブナやシロツツジの低木に変わり、一挙に明るい雰囲気になる。この区間は冬になると青空をバックに真っ白な霧氷(霧が凍って木の枝という枝が透明な結晶で覆われ花が咲いたようになる現象。自然のグラスアートのよう...らしい)のトンネルになるのだが、秋の木漏れ日を浴びながら平坦になった尾根道をのんびりとトレッキング...これもまた趣があって素晴らしい。
そんな良い気分をぶち壊す「パパ、おしっこ!」「わたしも!」の声(涙)。「はいはい」ザックを下ろして“キジ撃ちセット”を...じゃなかった女の子だから“お花摘みセット”を取り出す僕。
「こっち見ちゃいやよ!」
小2お嬢様コンビのNature calls
me休憩に背を向けると反対側の木々の間から眼下に垣間見える御杖村の集落。う〜ん、ずいぶん登って来たんだなあ。
見ないふり聞かないふりをしつつのんびりしてると...
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木登りも忘れずに
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「お〜い、パパぁ〜もう頂上だよ〜!」遠くからかすかに聞こえるMaakunの声。
えっホント?mont-bellのトイレットペーパーと使用済みペーパーの入ったゴミ袋をザックにしまい(河原だと燃やしちゃうけど、山は可燃物だらけでそんなわけにもいかないので...)お嬢様方を引き連れてMaakunの声の方向に歩くと、パッと開ける視界。
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ブナ低木林をゆくお穣ちゃま
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12:30登頂!!
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頂上から室生火山群を見る
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30m四方ほどの芝生の広場の一番奥に立つ「三峰山頂1253m」の看板。登頂成功!!山登りに慣れてないMaakunは登頂成功がよほど嬉しかったのか、異常に三角点にこだわり、三角点の杭に乗ったまま下りようとしない(そういえばエアーズロックに登った時も頂上のプレートに乗っかってバンザイしてたっけ。周りにいたガイジンさんも一緒に“Banza〜i!”おっと、あの時は自分達がガイジンさんだな......笑)。
「飯にしようぜ。」登頂記念写真を撮った後は、芝生に座ってランチタイム。シングルバーナーで作ったラーメンとおにぎりの簡単なランチだけど、これが最高に美味い。「ねえ、パパ、カヌーの時よりおいしいね。」とAzu。『そりゃ、君はカヌーの時は全然漕がないからお腹も減らないよな!』という言葉を飲み込んで4個目のおにぎりを頬張る彼女の横顔を見つめるパパなのであった。
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ススキと始まったばかりの紅葉をバックに
頂上で一時間ほどを過ごした後、少し遠回りして八丁平へ向かう。ここは山頂から三重県側に少し下ったところに広がるちょっとした高原のような場所だ。始まったばかりの紅葉の山を背景にサワサワと揺れるススキの穂。一面のクマザサ、ポツンポツンと生えるシロツツジ。眼下には靄の中に飯高町の集落とその真ん中を蛇行して流れる銀色の櫛田川がまさに墨絵のように美しく見えている。「ランチタイムはココにすればよかったね。」思わずそんな言葉が出るほどの秋らしい景観だ。
八丁平から往路へはクマザサの絨毯の小径をゆく。道の脇にはクマザサの間から青く可憐な花をのぞかせるリンドウ。美しいけどうっかり触ると危険な(セニョーラアニータ並み?...笑)トリカブト、頭上にはヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の赤い実が垂れ下がり...まるで人の手が入った植物園のように多様な植物が僕らの目を楽しませてくれる。
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山はすっかり秋の装い
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八丁平から三重県側を望む
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山頂から600mほど進み、再び三峰峠(標識には三畝峠とあったが...)を越えると、あとは往路をひたすら下るのみ。ちょっと無理して買ったZamberlanのトレッキングシュ−ズのおかげで、足どりは軽い。しかも(本当はイケナイのだけど)今日が正真正銘初歩きだというのに全く違和感はない。(小学校5年生の時に初めて買った紺色のキャラバンシューズ・・・当時は軽登山靴と言えばコレだった・・・を初めて履いた時は靴擦れで直径5cmの水疱が出来た!)
ところが、普段の運動不足のツケがきたのが膝。登山道に設けられた丸太の階段を一歩一歩下りるたびに、左膝に鈍痛が走る。そのたびに下を向くものだから帰り道の途中からの景色はほとんど覚えてなくて、記憶に残っているのは...先行するアキヒロさんの登山靴のGoroのロゴ(笑)
歳を喰って油切れの膝を庇いながら歩くこと1時間半。往路のバテバテがウソのように元気いっぱいな子供達とは反対に無言でヘロヘロな状態で無事ゴール。
靴を履き替えるためにDiscoのテールゲートに腰掛ける時、思わず『どっこいしょ』なんて口走ってしまうパパ(涙)
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15:30ゴール!
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キャンプ場前の240mボブスレ−
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クルマに荷物を積込んでキャンプ場に戻ると、朝の静けさがウソのようにキャンプサイトは大盛況だ。特に2000年にリニューアルオープンした新オートキャンプサイトは、ほとんど空きがない状態。それを見たアキヒロさん。案の定「キャンプ止めとくわ。Maakunも『あ〜、アキヒロさん、キャンプやめた方がいいよ。せっかく静かな所に来たのに夜もウルサイだろうしさ。』って言ってたし(笑)」
ってことに。
その後は管理棟前の階段に座り込んで動けない僕を尻目に、子供達は元気に川向こうの遊具で大はしゃぎ。なかでもお気に入りは、全長140mのロング滑り台。三峰山を登った直後だというのに何度も何度もかなり高さのある滑り台に上ってワーワーキャーキャー喜んでる。子供に体力的に追い越された父親は、ふぅ、と大きなため息をついて恨めしげにそんな姿を眺めるのみ。
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ボブスレー乗り場から見えるDisco&ランカスター
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君たちは疲れを知らんのか??
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そんな時、みつえ青少年旅行村ご自慢のローラーボブスレー(全長240m)が間もなく営業終了するというアナウンスが響く。心の中で『はぁ、そうですか。』と気のない返事をしていると、アキヒロさんが小走りでこちらに向かってくるのが目に入る。「もうボブスレー終わるみたいだし、急がなきゃ!maakunやAzuちゃんも乗りたいらしいよ、ほら、akiさんも!!」もうひとりのパパも元気イッパイ(笑)
『え〜、ホントに行くのぉ〜?』そんなことを言ってたけど、Azuを股にはさんでひとたびボブスレーに乗り込むと「うぉ〜〜〜〜!!」やっぱり子供に戻る僕なのだった。「うぉ〜〜〜〜!!タマラ〜〜〜ン」
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