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August.2002 Part1

 

 

 


サンル−フから差し込む夏の木漏れ日

 

8月11日 お父さんも夏休み(三瀬谷湖ワンダリング) 今日は全国的にお盆休み。高速道路も新幹線も渋滞数十km&満員御礼ってなニュースがTV画面を賑わせてる。そんなニュースを見るたび感じるのが「お父さんは大変だなぁ!」ってこと。確かに会社は休みだけど、「お父さん」業は休みなし。ナビシートのお母さんやリアシートの子供達は大口開けてZZZZZ...でイイかも知れないけど、お父さんは眠れません!眠気やイライラに耐えて何時間も渋滞の中をノロノロ運転。愛する家族のためとはいえ、これじゃ、まるで家族の奴隷じゃん!...とか何とか言ってる僕も、そんなお父さんのひとりだし家族のお抱え運転手(涙)。しかもこの一年はMamaの入院もあって、料理人、洗濯男、掃除夫、そして保父さん...要するに兼業主夫なわけなんだけど、この一週間はMama&子供達が実家に帰省してることもあって、花の独身生活中!
今日はその最終日にして初めての休日ということで、何日も前からワクワクドキドキ。


トンネルを抜けると、そこは...夏!

ま、色々あるけど、自分が今、一番したいことをやろう!ってことで、今日は「お昼寝」をすることに。
でも、どうせお昼寝するなら、最高のシチュエーションで!ってことで、あれこれ場所を選定してみる。

1.何より木陰があって涼しいこと

2.人や虫がいなくて静かなこと

3.滝があってマイナスイオンのシャワーが浴びられること

4.渋滞はいやだから近いこと

この4つの条件に合致した場所に行こうと思えば...やっぱりカヌーを使うしかない(笑)。

で、場所は、近さを最優先して三瀬谷ダム湖に決定。昼寝するだけなら寝心地の良いマットと柔らかい枕だけあったら良いワケで、準備は10分で完了!一緒に連れていってやろうと思ってたChichoは朝から家出中なので、10時にひとりで家を出る。
昨晩仕入れてきた“Keiko Lee”のベストを流しながら走る高速道路は、意外なほどガラガラに空いてて、途中のコンビニでビール買ったりしてたのに、6曲目を聞き終わる前に三瀬谷・本田木屋に到着。う〜ん、“ステージア”の曲聴きたかったのに!とか思いながら、桜の樹の下にクルマを停める。

カヌーを去年整備されたバスボート用スロープから水辺に下ろし、「お昼寝セット」の防水バッグと「ビール3本&おつまみ」のシアトルスポーツ小型クーラーバッグを積込んで、11:00湖を上流に向け漕ぎ出す。カヌー仲間から聞いてた通り、今日の三瀬谷は水位が低く澱み切った最悪のコンディション。ここのところ清流ばかり漕いでたので、特に感じるのかもしれないけど、「キッショクワル〜!」な水質だ。「早くここを出て、流れのある場所に行かなければ!」

2km、30分ほど漕ぎ上がる赤く高い「萩原橋」が見えてくる。この橋をくぐった途端...まるで寝起きにコンタクトレンズを入れた瞬間のように(笑)、パッと川の透明度が増し(...というかゼロから100になる感じ!)川底にくっきりとカヌーとパドルの影が映る。いつものことだけど、感激の一瞬だ。カヌーの大きな影の横には水中を泳ぐ魚たちの影。水質は銚子川には太刀打ちできないけど、透明度はこっちの方が上かな?そんな気さえするほどの高い透明度だ。

橋を越えて少し漕ぎ上がった左側に小さな河原が見えてきた。


ペインターロープが届かない深さ!

河原の後ろと対岸には小さな滝。ここにしょう。河原にカヌーを上げ、防水バッグからクレイジ−クリ−クのThe Chairと枕代わりのユニフレ−ムのThe-butonを取り出して、木陰に敷く。腰を下ろすと、ここは期待通りの「お昼寝好適地」。頭上を覆った広葉樹が風で揺れるたびキラキラと光る木漏れ日。川を渡る涼やかな風が吹き抜けるたび、僕の汗で濡れたウィックロンのTシャツが心地よくはためく...。


寝床から下流を望む

こんな気持ちが良い場所に来ると、ムクムクと沸き上ってくるのが食欲(笑)。河原に落ちてる指ほどの太さの薪を拾い集め、2年ぶりに使うシェラスト−ブに放り込んで世界最少の焚き火を熾す。

ケースを兼ねた小さな鍋にプラティパスから水を注ぎ、三つに折ったパスタを入れ、塩少々。「伊藤家の食卓」で学んだようにチュ−ブでバターを少々(これで吹きこぼれない)。アルデンテでお湯を切り、鍋にバターをクニュっと垂らし、クレイジ−ソルトとしそふりかけ“ゆかり”をパッパッ!はい、カヌーイスト風スパゲッティの出来上がり!(笑)最近、ホントの意味でのソロカヌーってご無沙汰で、シェラスト−ブもこのスパゲッティも久々。仲間と一緒だと、(どうしても手早く料理しなくちゃいけなくて)手間と時間のかかるシェラスト−ブは使えなかったり、逆にオートキャンプみたいに豪華なメニューになって、ある意味ショボいスパゲッティは出る幕がなかったり...クレイジ−ソルトの岩塩のピリピリ感を味わいつつ、ビールを空け、たまにはソロもいいかな、なんて思った僕なのだった。

食欲とビール欲が満たされると、お約束のように眠気が襲ってくる。四つ折りのThe Chairを広げて、PFDを畳んで枕を作り、The-butonを足首の裏に敷いてオットマンにして横になる。頭上の木々は風に揺れて木漏れ日がキラキラと射す。青い空には真っ白な雲がフワフワと浮かび、ゆっくりと流れている。


うわっ、ナルちゃん!
いえいえ、故.植村直己さんもノダ知佑さんも、ソロの時はこうやってセルフタイマーで自分を撮ってるわけですよ。クサイ演技だと分かっていても...

目を閉じると蝉時雨と滝の水音が何となくリズムのような旋律を奏でる、...最高の子守唄!

もしかして天国はキレイなオネエチャンが大勢いたり、お花が咲いてたり、蝶が舞ってる場所じゃなく、こんな感じの涼やかな夏の河原なんじゃないかな〜、そんなこと考えてるうちに、いつしか僕は夢の中。

う〜ん、極楽ゴクラクゥ〜!


 


澄み切った湖面に映る青い空

 

「天国に一番近い河原」もやっぱり天国じゃないわけで、ジャスト2時間寝てる間に、僕を取り巻く環境は激変してたのである。ヒュ−!やけに涼しい風が吹き抜けて「ハックショ〜ン!」
自分のくしゃみで目が覚める。
目を開けると、さっきまでの青空はどこへ行っちゃったの?ってな真っ黒な雲。頭上の木々は枝ごと大きく揺れてザワザワと大きな音をたてている。
上流を見ると遠くの山から真っ黒な雲がものすごいスピードでこちらに向かってるのが見える。
「や、やばい、夕立ちだ!」今のところ雷の音はしないけど、ここは少々というかかなり危険だ。ゴジラがこちらに向かってくるのってこんな気持ちなんだろうなぁ、などとバカなことを考えつつ、手早く荷物をまとめフネに乗り込み、全速力で下流に向かって漕ぎ出す。


ドッヒャ〜な雨!!

このまま一時間降り続いたらカヌーが沈むゾ!?

漕ぎ出して1分もしないうちにバスバスバスッ!と湖面に大粒の雨が突き刺さる音が後方から聞こえてきて、5秒後には痛いほどの雨が後頭部を叩く。ひえぇぇぇ〜!雨が僕を追い越すと、カヌーのボトムから撥ねた飛沫が目に入って視界が奪われてしまう。今日はゴーグル持ってないよ〜!

散弾銃で撃たれたカモみたいなヘロヘロな状態で、取りあえず橋を目指す。ところが、この橋は高さがありすぎて、全然雨宿り出来ない!
しょうがないので橋のすぐ下流にあるオーバーハングした岩陰に入ることにする。

(本来、こういった岩陰は崩落の危険があるので近寄ってはイケナイんだけど、この岩は一枚岩。しかも水平方向に“目”が走っているから絶対縦に裂けて崩落することはない。って判断しました。えらく詳しいなぁ。なんで?...笑)

テーブルの下にもぐり込んだような状態のまま、これまで川で経験したことのないような豪雨を茫然と眺めるしかない僕。
でも一応、鉄砲水や増水の兆しがないかドキドキしながら注意する。橋からはドボボボッっと大きな音を立てて滝のような水が流れ落ちてる。

スト−ムクル−ザ−を着込んでスニッカ−ズをかじりながら待つこと15分。

上流の方から急に明るくなって、まるで舞台の幕が上がるようにパッと晴れが戻ってくる。しかし、ホッとするのもつかの間。グォボッ〜ン!っという変な音がしたかと思うと対岸の滝が“那智”から“ナイアガラ”に大変身(涙)。雨上がりの陽光を浴びてすっきりと澄み渡った湖面に枯葉や枝が塊になって流れて来る。そしてその後ろからジョーズのテーマに乗ってカフェオレ色に濁った水が透明な水を駆逐するように流れ下って来る。ビュッ!僕の身を寄せていた岩の両側から水芸のような感じで水が吹き出す。おいおいここはUSJかよっ!

ま、とにかく長居は無用。ボトムに5cmぐらい雨が溜ったカヌーを急いで下流に進める。一応ダウンリバーだけど、流れがあるわけじゃないダム湖。帰りも40分ほどかかってしまう。あと少しでゴールって時になって、またまた真っ黒な雲が僕に追いついてきた。しかも今度はピカッ!ゴロゴロ付き(涙)。


左から濁った水が!(水深約3m)

暗くなった辺りの空気を切り裂くような閃光。「い〜ち、に〜い、さ〜ん、...ビシッ!メリメリドッカ〜ン!」ち、近いよこりゃ。確か音速は30℃の時は350m/sだから...あわわわ、1km以内だ!ピカッ!「い〜ち、に〜い...ビッシャ〜ン!」ヒ、ヒヒ〜。なんとかかんとか逃げ切って、大急ぎでカヌーをクルマに載せ、タイダウンベルトを締めると積込み完了。

クルマに乗り込んでエンジンを掛ける...その瞬間、空から大粒の雨が落ちてきて、フロントスクリーンいっぱいに広がったダム湖の景色を歪ませる。Land Rover社ご自慢のICE(In Car Entertainment)から流れるのは、7曲目の“What a wonderful world”。

♪I see trees of green,red bridge(^^) too...
I see skies of blue and clouds of white...

Yes,I think to myself...what a wonderful world...♪

rosesの部分をbridgeに替えて歌いながら、僕はしばらく雷鳴が響く湖畔でゆったりとした時間を過ごした。 当分の間、CDチェンジャーのリモコン液晶には“REPEAT”マークが点滅してそうな予感。


Rainy Misedani Lake & Keikoちゃん

 


 

8月8日 “なんちゃって”ケイビング(北九州市・平尾台)

 

 

 

 


 


ウェットスーツにP.F.D&ゴーグル、そしてフェルトソールに身を固め、
遊び道具に弁当&デザート、そして一応スローロープも忘れずに。
ビニールボートに全てを積込んで、いざリバ−トレッキングに出発!
(但し、僕らのはカヌーイストらしく“下り専門”...笑)

 

8月3日 リバートレッキング...と言うより河童の川流れ!? 「ねぇ、そろそろ起きてもいいんじゃない?」Azuに睫毛をサワサワと触られて目が覚める。どこかで寝てる人を確実に起こす方法を習ってきたらしく、「ねっ、寝坊助のパパでもすぐに起きるでしょ!」と得意げだ。確かに睫毛をコショコショされると、ハッとするものだ。
今日は昨日に引き続いてアキヒロ家とリバートレッキング。準備らしい準備も必要ないし、アキヒロ家まで3〜40分で行けるので朝寝坊な僕。対して、AzuとMaakunはアキヒロ家の子供たちと二日連続で遊べるってことでラジオ体操もないのに早朝から元気いっぱい。
“アキヒロ家の太陽”いずみちゃんが「夏の疲れ」から復活したという嬉しい知らせを受けて、9時半に出発。10時過ぎにアキヒロ家に到着してすぐにウェットスーツに着替えさせてもらい、いよいよアキヒロ家の“マイ・リバー”宮川・某支流に向かう。信じられないほど美しく清冽で自然豊かな “アキヒロ川”。日本第2位、北海道を除けばダントツ一位の水質を誇る宮川本流(本年度国土交通省発表、去年は堂々の日本一!...ホンマかいな?って少々疑ってるけど。泳ぐ気がしない水質日本一の川ってのはどうなのかなぁ...)が干上がって淀み悪臭を放ってる夏でさえ一定の流量を維持して、なお透明度はますます高くなる...豊かな森を流域に持つ正しい渓流の姿がそこにある。「イイよなぁ、Koukunは。夏休みは毎日この川で遊べるんだから...。」Maakunが窓の外に時折見える川を眺めながら、窓枠に顎を載せてつぶやく。
「Moeちゃんちの近くに引っ越そうか?」僕が冗談を言うと、Azuが目を爛々と輝かせながら「えっ、ホント!いつ?いつ引っ越すの?」...や、やばい。迂闊に言うと本気にするわ、コイツら(涙)。

スタートポイントに到着した僕らは、川べりにクルマを停めて荷物を下ろす。今日の荷物は防水バッグひとつきり。すぐにアキヒロさんと2台でゴール地点へクルマを回送。ランカスターをゴールに停めてDiscoで再びスタートポイントへ。熊野川での回送は何時間もかかって大変だけど、今日は2kmちょいの距離なのでほんの10分ほど。
車上狙いを避けるため人目につく駐車スペースにクルマを停めて盗難防止装置を作動させ、メ−タ−パネルの液晶の点滅を確認した後で橋の上から川を見下ろすと、早くも澄み切った川面にプカプカ浮かんでる我が家&アキヒロ家の母河童、子河童達が見える。
「もう、ここで充分満足してたりして(笑)」
アキヒロさんが言うように、どの顔も満ち足りた幸せ感漂う表情だ。


これが今回のリバートレッキング装備

リバートレッキング...これが今日の遊びのカテゴリー。主に尾根を歩くことが多い登山に対し、沢登り...いわゆるシャワークライミングは我が国独特の登山方法だ。そんな「目的地を定めてその進路として渓流を歩く」沢登りとは異なり、リバートレッキングは川そのものを楽しむ。(ただし、僕らのはトレッキングというのもおこがましい、ただの『河童の川流れ』なんだけれど...笑)。

装備は体温を保つための化繊の下着、ウェットスーツ、そしてP.F.D(ライフジャケット)、フィールドによってはヘルメットやプロテクターもチョイスするが、今回は日差しを避ける化繊の帽子、足元は渓流歩きに最適なフェルトソール、泳ぐことが多いのでゴーグルも必需品だ。飲み物やランチ&行動食はソフトクーラーバッグに収め、着替えやファーストエイドとともに防水ザックにひとまとめにする。ほとんどがカヌーツーリングと共通の装備になるので、新しく買い揃えるものはないのがありがたい。

お魚がゴーグルにぶつかってくるぅっ!(Azu)
少し潜れば目の前に魚影

その防水ザックは担ぐと泳ぐ際にかなりの負担になるので、小さめのレジャーボートに載せて流す。適当に浮かべておけば、川の流れが勝手に下流へと運んでくれるので非常にラクチン。ボートは特にライニング(=犬の散歩のようにロープで引っ張ること)する必要はなく、目を離さなければ浅瀬やストレーナー、反転流にトラップされて僕らを待ってくれてるというわけだ。


カーゴボート担当のAzu&Moeちゃん

「さあ、行こうか!」
スタートポイントの淵でぷかぷか浮いてる子供たちに声をかける。放っておけば何十分でも泳いでいられるお兄ちゃんたちは、着ると潜水が出来ないP.F.Dを身に着けるのを嫌がるが、一応なだめすかして着用させ11:00スタート。

スタートポイント直後の橋をくぐると、そこからゴール近くまでは川は道路から大きく迂回するために、人工物の一切見えない自然のままの川が続く。ダムに分断された本流とは違って、ここにはダムはない。Riverというよりstreamな感じの自然の川をうつ伏せの姿勢でゆらゆら流れる僕ら。
ゴーグルを着けて流れながら水面下を覗くと、頭を上流に向けた魚の群れがひっきりなしに僕に向かって泳ぎあがってくるのが見える。

『後ろを流れマ〜ス』
『時々泳ぎマ〜ス』

中にはマヌケな魚もいて、時折ゴーグルにぶつかって慌てふためいてる姿が可笑しい。普段はスーパーマンの姿勢で流れるが、手を前に伸ばしてウルトラマンのポーズをとると、何と手掴みで魚をキャッチ出来たりする!!水面下を眺めてない時は、先週の海山キャンプや昨日の三木里ビーチの出来事、子育て談義やカヌー&キャンプ道具のお話(...そして旦那の悪口...涙)etc...話題に事欠くことはなく、楽しいお喋りを楽しみながらリバートレッキングは続く。

流れる方がラクチン!(いずみちゃん&Mama)
河童親子がゆく


ビ−チマットで河童流れなお嬢さまたち

10分流れ5分歩く感じのペースで1時間進んだところに、美しい中州が現れ、そこでランチタイム。今日も34℃を超す真夏日。川へ向かう途中、ウェットを着たまま入ったコンビニで買い求めたランチはざるそばや冷やし中華などの“ひえひえ系”ばかりだけれど、1時間川に浸かってた僕らはすでに体が冷え切っていて、体は“ほかほか系”を求めてる。


蝶の水飲み場に遭遇!

「今度からはカップヌードルがイイよねぇ。」
「でも今日みたいな日は家にいたらエアコン無しじゃ過ごせないけど、川だと寒いぐらい...ある意味、僕らはニッポンで一番快適な夏の日を過ごしてるのかも。」
そんな言葉にみんな大きく頷く。

ランチが済むと、誰からともなく川に入って、プカプカと流れ始める。人家から離れるにしたがって下流に行けば行くほど透明感が増すのがはっきり判る。水面下には鮎の群れ、そして顔を上げると僕らの上を大きな蝶やトンボが舞い、トンボは時折僕らを止り木と勘違いして帽子留まったりする。

しばらく下ると、やけに大型の蝶がヒラヒラと十数匹舞っている場所に流れ着く。

正面の岩にしみ出す湧き水にモンキアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハなど大型の蝶が留まって、水を飲んでいる姿が目に入る。
(帰宅後、図鑑で調べたら夏の日中はこういった日陰の清水のしみ出る場所でミネラル補給を兼ねて吸水をするらしい。こういった蝶が吸水するような湧き水はバランス良くミネラル分を含んでいて、しかも雑菌がゼロ。人間の飲用に最も適したいわゆる名水の場合が多いとか。ちなみに吸水をするのは全てオス、だそうだ。)

Maakunと僕が近づいても、全く逃げる様子はなく(3倍ズームしかないデジカメでクローズアップ撮影が出来るほどだから、手を伸ばせば届く距離→)、大きく美しい羽をパタパタさせながら「一心不乱」に水を飲む。


近づいても一心不乱に水を飲む蝶たち

リバートレックと言えば飛び込みでしょ!

湧き水には5〜10匹程度、そして周辺には順番待ちなのか十数匹の蝶が舞って、さながらそこは天国のお花畑(笑)。とにかく初めて体験する光景だった。

夢のような光景に遭遇した直後、対岸に白い大きな岩が見えてくる。岩の直下には青々と深い淵。玉砂利の川底がくっきりと透けて見えている。「も、もしかして、アレができそう?」「この岩見たらアレするしかないでしょ!」僕とアキヒロさんが含み笑いをこらえながら岩に近寄る。
「お〜い、少年たちぃ〜、飛び込んでいいぞぉ〜!」
待ってましたとばかりに、Maakun&Koukunが岩に泳ぎ着いて、“パパクライマー”アキヒロさんに指導を受けながらほぼ垂直の岩を登ってゆく。それほど高さのない岩(3〜4m)だけど、小さな子供達がてっぺんに立った姿を水面に浮かんで見上げると10m以上にも見えるから不思議だ。

「お〜い、大丈夫かぁ〜?」僕の声にグ−を突き上げてOKのサインをするMaakun。岩は3〜4mでも。その上に立つと視点はプラス1m。結構高度感はあるはずだけど...「いっくでぇぇ〜!」ドスの効いた絶叫を残し、勢い良く宙に舞うMaakun。走り幅跳びのような姿勢のまま「ウァッホ〜」だの「ヒ〜ヒヒ〜ン!」だの変な悲鳴を上げながらザッパ〜ン!と王冠のような盛大な水飛沫を上げて水中へ。続いてKoukun。彼はまるで空中を歩くように足を動かしながら跳ぶ空中姿勢が特徴的。水中での表情は見えないけど、飛んでる間も浮かび上がって来る瞬間も満面の笑みなので、きっと水中でも大口開けてアッハッハと笑ってるに違いない(笑)


ウワッホォ〜〜
(完全にキレてる?)

オレがKouじゃ〜〜!

岩をよじ登っては飛び込み、飛び込んではよじ登り、を何度も何度も繰り返した後、少年達はエアマットでの瀬下りを始める。昨日の三木里ビーチでの波乗りと同じポジションでパドリングをしつつ、どんどん先に下ってしまい、そのうち姿が見えなくなる。「あ〜あ、行っちまった!」

川を下っていると、地区指定の遊泳場(小さな子供でも安全に泳げる比較的浅く流れが穏やかな淵の上流側と下流側にロープが渡してあって、その範囲が指定遊泳場になっている。これも他では少なくなった!)で川遊びをしている子供達、「今日は捕れへんのやわ。」とか照れ笑いをしながら小さな鮎を付けた棒のような短い竿を岩の隙間に突っ込んでウナギ釣りをしてるオジサン達によく出くわす。
「やっぱり川はこうでなくっちゃ!」
流域の人々が川に背を向けて生活する土地が多くなった現代。少年も若者もオジサンもお爺ちゃんも...みんな少年のような顔をしながら楽しんでいる姿が見られる川は、いつまでも清流であり続けるんじゃないかな?...僕はそう確信します。


歩いては泳ぎ、泳いでは泳ぐ(笑)
Maakunの周りを魚が泳ぐ
ゴールまで間もなく

忍法「水蜘蛛」??
いえいえ、着水の瞬間です。

川岸に真新しい護岸や家が見え始めると、いよいよゴールは間もなく。ふと時計を見ると、すでに16時(!)「へっ!」思わず小さく叫び声をあげてしまう。“楽しいと時間の流れが早まる”アインシュタインが相対性理論でそう述べているように(...いないです、ホントは...笑)、あっという間の5時間。ん?5時間??2kmを5時間ってことは時速400m、分速6.7m、秒速...11cm!(これじゃ、カブトムシより遅いよっ!...笑)進む速度が遅ければ遅いほど楽しかったってことになるのが、「僕ら流」リバートレッキングってもの。
しかも、行程のほとんどは水に浮かんでてそれほど歩いてないし、炎天下とはいえ寒さを感じるほど常にカラダをクールダウンしてたので、全くと言っていいほど疲れはない僕ら。
「良いねぇ、リバートレッキング!これから毎年の恒例行事にしよう!」「賛成!!」
...アキヒロ家と我が家はリバートレッキングの恒例化を固く誓うのだった。

毎年訪れる“アキヒロ家のプライベートプール”こと大岩の淵に到着し、ボートから積み荷を下ろしてP.F.Dを脱ぐと楽しかったリバートレッキングもいよいよ終わりを告げ...ないんだな、これが!

それから、またまた30分以上大岩付近で水遊び。
「もう、ライジャケ着なくてもいいでしょ?」
P.F.Dを脱ぎ捨てた兄コンビは水深3m以上ある淵を縦横無尽に泳ぎ渡り、そこにある岩という岩全てからの飛び込みを何度も繰り返す。
空中で向きを変えたり、カメラに向かってポーズを取ったり(笑)。それを見ていたAzu&Moeコンビも飛び込みを開始!これじゃいつまでたっても帰れないよっ!

結局、この日も家に戻ったのは20:00過ぎ。「こち亀」も「ワンピース」も見られなかったのでありました(涙)。

ジャンプ3連発!

Azu
Koukun
Moeちゃん


美しい白砂の川に浮かぶ母河童2匹
おっと失礼!
白砂の川に浮かぶ美しい母河童2匹

河童といえば...

今回僕ら全員のP.F.Dにはレスキューナイフやホイッスルと共に、“謎のミヤマ−”S氏から頂いた一枚の木札が取り付けられていました。それは、海山町・大白神社で年に一度の祭りで戴ける“水難よけ”のお札です。この大白神社、実は河童族の総社にあたるといわれていて、年に一度のお祭りの夜、全国津々浦々から河童が集結し大集会を開催するそうです。この時に頂いたお札が、いわゆる“河童のIDカード”として一年間有効なパスポート。淵で河童が僕らを淵の底に沈めようとした時に、この札を見せると『な〜んだぁ、おまえも河童じゃん!』って手を放してくれるんだそうです。つまり、僕らは肌色の顔してるけど、ホントは河童なのです(笑)。

詳しくはこちら

 


 

 


青い空、青い海...正しいニッポンの夏

8月3日 三木里リベンジ! 降水確率0%。気象庁が絶対雨は降らないもんね〜って自信たっぷりに発表した天気予報が見事に外れ、1日中雨が降り続いてた去年の三木里ビーチ。それでも雨の中しつこく泳ぎ回って、全員漏れなく唇紫...そんな三木里初体験から1年。またまたやってきました三木里ビーチ。今日の天気予報は曇り。でも朝から青空が広がる絶好の海水浴日和だ。
去年同様、8時前に出発して8時半、大宮町木つつき館でアキヒロ家と待ち合わせ。残念ながらいずみちゃんが「夏の疲れ」で欠席だけど、いつものようにランカスターにMaakun&Koukun、うちのDiscoにAzu&Moeちゃんって感じで乗せ替えて、ぺちゃくちゃきゃははは、リアシートのお嬢さまたちの甲高い声をBGMにR42を南下する。


これでも「混んでる」らしい

海山を越え、尾鷲市街を過ぎてR42を折れて三木里に近づいても、夏のお日様が陰る様子はない。もしかして今日って最高のコンディション?あ、いやいや油断するとお天気が急変するのが「世界一雨が多い町」尾鷲市の空模様。(なんたって、尾鷲の傘は骨の本数が多いぐらいだもん)
ところが、前方に三木里ビーチの弓状に広がる白砂の浜辺が見えてきても、青い空!

やった〜リベンジ達成!!

10:30三木里ビーチ到着。クルマをビーチに程近い第3駐車場に入れ(広い駐車場にクルマはたった4台!)、隣接の清潔な無料シャワー&更衣棟で着替えを済ませて、ビーチへ。

人の少ないビーチの北端にL.L.Beanタープを張って日陰を作ると、そこはもう僕らだけの海の家。
リアス式海岸の一番奥に位置する波の静かな三木里ビーチは、先月の国府とはまた違う雰囲気...そう、『ニッポンの正しい海水浴場』ってなゆったりした空気が流れる。
“ボンッ!キュッ!ボンッ!”な若いオネエチャンが闊歩する国府浜。
“ボヨ〜ン!ボヨ〜ン!ボヨ〜ン!”な元・若いオネエチャンや“キュッ!キュッ!キュッ!”な若すぎるオネエチャンが浮き輪で浮かぶ三木里。(何故か孫を連れたおじいちゃん&おばあちゃんの姿が目に付くのです。)
...この違いはナンナンダ!(国府:三木里=1:2です、何が?答えは『水着の表面積』です、はい...笑)


船長&エンジン

ビ−チコ−ミングガールズ

そんな穏やかな雰囲気の中、Koukun&Maakunはビーチエアマットに二人乗りで波を切って沖へ。沖合い百メートル付近でエアマットから離れて(転覆して?)自在に泳ぎ回るふたり。波間に浮かびながら何やら話しながら潜ったり浮かんだり。泳ぎの達者な川河童は海に来ると海坊主に大変身なのだ。

対してAzu&Moeちゃんの妹コンビはビーチを歩き回って色とりどりなビーチガラス探し。青や赤のキレイなビーチガラス、貝殻を流木の上に並べてオブジェ作りに夢中だ。

去年は波を怖がって海に入ろうとしなかったAzuも、今年は“ボディボード開眼”でがんがん海に入っていくMoeちゃんにつられるように自分から海へ。ま、プールでならクロール、平泳ぎ、背泳で50m以上泳げる彼女のこと、波と足が届かない水深に馴れさえすれば全然OKなんだろうけど、なぜか海では犬かき&立ち泳ぎ(笑)...。

海の家で買った焼きそば&たこ焼きで簡単に昼食を済ませた後は、例によってみんなで砂遊び。波打ち際に防波堤のある砂の城を築いて、波が激しく防波堤を越え城を壊す様子をワクワクしながら眺めたり、穴を掘ってプールを作ったり...大人も子供も一緒になって砂遊びを楽しむ。

ビーチガラスを中心に“ミキサトコレクション”
海水浴といえば砂遊び

「パパ、埋めてよ〜!」「へっ?」Azuが砂風呂をおねだり。去年は国府でMaakunを砂に埋めてサンドアートのウミガメさんに変身させたのをみていたAzu。「よっしゃよっしゃ!」頭の中に素晴らしいアイデアが浮かんだ僕は、ニヤリとしながら砂浜に穴を掘る。「は〜い、横になって〜!」穴にAzuを入れて砂をかける。そして...湿った波打ち際の砂を載せてポンポン叩きながら形を整えていく。徐々にカタチになりつつあるサンドアート。何が出来あがるか気付いたみんなは含み笑い。「ね〜ね〜何のカタチにしてるのぉ?」自分の姿がどんな風に変わっていくのか見えないAzuは少し不安げ。「いいからいいから...パパが一番好きな動物作ってるからね〜。」

う〜ん、ナイスバディ!(デベソだけど...)
「イヂメや〜!」砂が重くて泣き出すAzu

...で、出来あがったのが“ボンッ!キュッ!ボンッ!”(笑)ゴヤの『裸のマハ』ならぬ『裸のAzu』の完成だ!コアラかウリ坊に変身できると期待してたAzuはみんなの意味ありげな笑いと、胸元に出来あがった“2つのフジヤマ”を見てはたと自分の変わり果てた姿に気付き、泣き出す。「イヂメやぁ〜!重いよ〜痛いよ〜!」イタイケな少女を苛めて喜ぶパパ(笑)。泣きじゃくるAzuを慎重に掘り起こしてみたら、膝の裏に空間出来ていたために膝に過度な負担がかかって本当に痛かった模様。ゴメンね、Azu。

沖に向けて漂流する子供達
浜を駆ける少女(別名・『着衣のAzu』)

サンドアートを楽しんだ後、少し波が出てきた海で子供達はエアマットに乗って遊んだり、泳いだり...大人達はタ−プの日陰でビールを飲みながら、のんびりと過ごす。

昔、『天国に一番近い島』ってフレーズがあったけど、ここはまさに『天国に一番近い浜辺』(*但しファミリー限定)。刺激的でもオシャレでもないけれど、青い空の下に青い海。美しい浜には穏やかな波が打ち寄せ、水平線には大型の船影、すぐそこにはウィンドサーフィンの白いセイル...涼やかな海風と規則正しく響く波の音に混じって子供達の歓声...まったりした空気が流れ、“パパな”感覚にどっぷり漬かった36歳の僕には「これ以上何が必要?他にはナ〜ンモいらん!」ってな気持ちになってくる。「あ〜イカンイカン!あくまで生涯現役!“国府浜な”自分を取り戻さなければ!」(笑)

「パパ、今夜は尾鷲の港祭でしょ?渋滞する前にそろそろ帰らないと!」14:30、Mamaの声にふと駐車場を振り返ると、第3駐車場には僕らの2台のクルマだけがポツンと停まってる。


第3駐車場は僕らの2台だけ

「さぁて、帰りましょうか!?」沖から戻る気配の全くない子供達を無理矢理呼び寄せ、無料“冷水”シャワーを浴びて着替えた僕らは、荷物をカーゴルームに積込んでクルマのエンジンをかける。
「また明日ね!」「また明日!」明日もアキヒロさん家と川遊び。いつもならウジウジと別れ難そうにする子供達もあっさりとバイバイできてホッと一安心。
「疲れた?」「ううん、全然。かえってリフレッシュできた感じ。」「ホント、不思議と海は疲れないよねぇ。」そんなことを言いながら、僕らは人が少なくなって静けさを取り戻した三木里ビーチを後にした。

8月後半へつづく

 

 

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