ダウンリバーその後 アキヒロ家と別れたあとは、キジ料理を食べ、新設された北山川を眺められる露天風呂でゆっくり疲れを癒そうということになり、熊野川〜北山川沿いの細い山道を通って紀和町・瀞大橋たもとの民宿大和屋へ。民宿に到着して名物・キジ重を注文した直後、とんでもない事実が発覚する。「こんな高い料理注文して、お金は大丈夫?」Mamaの一言で、ふと防水ウェストバッグを見ると...な、ない!財布がない!!キジ重そっちのけでクルマの中を捜索する僕(キジ重の味、全く覚えてないよ...涙)。残念ながらクルマにはない。アキヒロさんに電話してランカスターの車内を探してもらうけど、やっぱりない。記憶を辿ると、そういえば今朝「おむすび一郎」でおにぎり買ってから、まるまる1日財布見てない(カヌーツアーの時は全くお金を使わないもんね。)。やっちゃった〜!たぶん財布は川だな、これは。(涙)暗がりの中捜しても見つかるわけがないので、とりあえず温泉は断念して、駐在所に飛び込んでパジャマ姿の駐在さんに慰められつつ紛失届を提出。ドキドキしながらMamaの財布の残高を確認して、熊野川温泉さつきで心を落ち着かせる。「パパぁ〜、コーヒー牛乳飲みたい。」「ちょ、ちょっと待てよ。お金ないから二人で一本な!」
去年のカヌーマラソンは防水カメラCanon D-5、秋の「お父さんだけのダウンリバー」ではコンタクトレンズ、そして今回は財布(免許証、キャッシュカード、クレジットカードなどもれなく含む)と、熊野川では毎回やたらと高額な年貢を納めさせてもらってる。(バカとしか言いようがないな...涙)「せっかく楽しい旅だったのにスマン!」落ち込んで小さくなってる僕にMamaが一言。「現金は...もったいないけど、お天気回復手数料、風止め料、熊野川安全通行税...合計でそれだけならワタシ喜んで払うわ。免許やカードなんてただのプラスティックのカケラじゃないの!盗まれたわけじゃないから、明日朝一番に止めれば大丈夫なんだしね。でも熊野川にゴミを残しちゃったことは少し反省しなさいよ、ねっ!」ボク、アナタトケッコンシテヨカッタ!
温泉に入って少し落ち着きを取り戻した僕らは、再びキャンプ場に戻る。ああ、今夜は眠れないな、きっと。...そう思ってたけど、朝までぐっすり寝てしまう僕らだった。(でも夫婦揃って河原で財布を見つけて「やった〜!」って抱き合う夢をみたけど...笑)
翌朝6:00、僕はひとりゴソゴソと起きだして、Discoに乗って財布捜索に向かう。『ワシも三和大橋の前探しといちゃるから、アンタも心当たりを探しときよぉ〜!』親切なパジャマ姿の駐在さんに和歌山弁で言われたので、一応三和大橋のスタート地点を皮切りに熊野川左岸のクルマ一台ギリギリの山道を通り、立ち寄った河原の上でクルマを停めて、ほとんど「ロッククライミングな」崖を下って河原を捜索する。山道は限りなく細く、直前をニホンザルやテンがヒョイヒョイ当たり前のように横切る。いつも見慣れた右岸の立派な国道からの眺めとは全然違った素晴らしくワイルドな熊野川...見とれている場合じゃないけど、ついついクルマを停めて見入ってしまう。(↑の昼島全景もこの時に撮影しました...笑)結局、2時間以上かけて新宮のゴール地点までをくまなく探したけど財布は見つからず、でも、何となく満足感に包まれてキャンプ場に戻ることになった。
キャンプ場に帰るとMamaがフレンチトーストを焼きながら笑顔でお出迎え。「早く撤収して、携帯の通じる場所まで下りて銀行やカード会社に連絡しなくっちゃね。」撤収を終えて「道の駅・熊野川」で必要な届け出を全て完了して(幸い、不正使用はされていなかった!)、ホッとしながら帰途につく僕ら。
今年のGW一番の好天の中、カシータを牽いた僕らのDiscoはGWだというのに相変わらず普段よりも空いた国道を北を目指して走る。「今日は無駄遣い出来ないわよ!」Mamaに釘を刺されて、道の駅で立ち食いうどんをすすりつつも、何故か幸せな僕だった。熊野川さん、今度は何も奪わないでね...(笑)
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