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FLAME LAYOUT


 

May.2000

 


雨上がりのキャンプサイト

 

5月27日 豪雨の中のカヌー修行(初日) いよいよ、野宴会のNESSYさんやごうちゃんたちと「宮川カヌーキャンプ修行」当日がやってきた。子供達を対象にした、とある野外教育プログラムのスタッフトレーニングということで、未来のアウトドアの先生を育てる訓練なのだけれど、詳しい情報はFAX一枚のみ。ただ難しい理念は分からなくても、個性豊かな面々がカヌーでキャンプしながら川を下ると聞いて断るような僕ではない(笑)。そのスタッフトレーニング(以下、修行)の中で僕はカナディアンカヌーのアドバイザー的な役割らしい。(アドバイザーというと聞こえがいいけど、実体は水先案内人兼釣り師対策部長ってとこか?)「akiちゃんはいつも通りカヌーを楽しんでもらったらいいから...」とごうちゃんに言われてるので、説教臭いのが苦手な僕にも務まりそうだ(笑)。前日深夜からかなりの大雨が降り続いていて、当日の天気予報は27、28両日とも降水確率100%。しかも「大雨洪水強風波浪濃霧雷注意報」という妙に長い名前の注意報が出てる。でも、逆に「修行」には打ってつけの気象状況とも言えるんだけれど。

午前9時、いつもの伊勢自動車道「嬉野」SAに集合。ごうちゃんやNESSYさんを始めカナディアンカヌーを積んだクルマが続々と集まってくる。スタッフは大阪からがほとんどだけれど、長野や東京からなんていう女の子(失礼!女性)もいて驚き!みんなが集まったところで5艇のカナディアンカヌーを積んだクルマは宮川・中川大橋へ向かう。
雨が降りしきる中、中川大橋の下で簡単な自己紹介をしたあと、約20km下流のゴール地点へクルマを回して早々にツーリング開始。(本当はここでレスキュー訓練のはずだったけど、水量不足と水質の悪さで断念)今日はキャンプ道具一式を各々がカヌーに全て積込んで下る「本当の」カヌーキャンプスタイル。ベースキャンプやクルマのサポート等がないのでビギナーだとカヌーに荷物が満載のはずだが、みんな妙に荷物が少ない。


今回のメンバー

ミニマムパッキングのお手本のような装備(*酒だけはマキシマムパッキング..笑)なのだ!
スタッフ候補生と言っても、そのほとんどが初心者だって聞いてたんだけど...。よく聞いてみると、今回のメンバーは登山のベテラン、そしてインドやパタゴニアなど海外をザックひとつで歩き回るバックパッカーなど、「カヌーは初めてだけど野営は任せて!」ってな人ばかりということが判明。さすがごうちゃんの人選だなあ、などと妙に感心してしまう。男性6名女性3名、計9名のメンバーはOld Town Camper/Hunter/Discovery133K/Apparachian、そして何故かGrumman 15F(飛行機で有名なグラマンのかっこいいジュラルミンカヌー。こういう屈曲の多い小さな川は苦手だけど...笑)の5艇に分乗して、降りしきる雨の中をぐんぐん下って行く。それにしてもシングルブレード・パドルを持つのは初めてということが信じられないほどのスムーズさは何なんだ!
3km下った鮠川橋でランチタイム。各々が手早く食事を済ませた後は、瀞場でレスキュー訓練。比較的リ−ン(傾き)を大きく取れるApparachianで、どこまで傾けてリカバリ−が可能なのかを体験した後、そのまま沈!浮力体のないカヌーがいかに再乗艇が難しいかを実感してもらって、引き続きクロスレスキューの実演。水濡れ回避のNESSYさん(!)を除く全員で合計4回のクロスレスキューを経験すると、みんなの体はびしょ濡れで大雨なんて気にならなくなる。河原で2時間ほど過ごした後、午後の部のスタート。ひときわ強く降り続ける雨を浴びつつ、水量不足で航行不能になっているざら瀬に足留めされながらも、5時前に11km下流のキャンプ予定地に到着した。ごうちゃん曰く「なんぼザラ瀬でも鮎のヤナがないだけマシやなあ(苦笑)。」


宴会始まる!

このキャンプサイトは今回のコースの中でもっとも広くてフラット、しかも人家から程よく離れていて、水面からの高低差の大きな(最大約4m。何年かに一度の流量毎秒30t以上という大増水でも大丈夫。)河原で、上手い具合に結構薪にする流木も豊富だ。普通だと、この大雨では焚き火をするなんてことは考えもしないのだろうけど、そこは野営のセミプロたち。キャンプサイトに到着するなり薪集めモードに入り、瞬く間に山盛りの薪が集まってしまうのは流石だ。僕も対岸の崖に引っ掛かってる山桜の倒木を一本まるごとカヌーで曳航し、今夜の薪はOK。まずは一発で焚き火に着火し、宴会用のタ−プを張る。雨が多少小降りになったタイミングを逃さずに各自テント設営から宴会の準備へと、段取り良くテントサイトが形作られていく...。

いかにも風雨に強そうな色とりどりの小型テントが立ち並ぶと、薄暗い雨空の下の河原はまるで花が咲いたように明るい雰囲気になる。当然この悪天候をネガティブに捉えているメンバーなど一人もいなくて、みんなそれぞれの経験を生かして、悪条件を冷静に認識しつつも良い意味でワクワクしてる感じがするのが伝わってくる。校長・NESSYさんを上座にMSRに架けられた鍋を中心にみんなが車座に腰を下ろすと、宴会スタート!後は飲めや歌えの(歌は出なかったっけ?)大宴会。メンバーのこれまでの野遊びの逸話は本当に楽しくてとってもタメになる。カナディアンカヌーに関しては僕が一番経験が長いのだけど、それ以外のアウトドア経験は僕が一番ビギナーだなあって感じなのだ。深夜11時を過ぎると、この豪雨の中の初めての川下りで疲れたメンバー達がめいめいテントに戻って行く。(なかには疲れてないけど酔いつぶれたってのもいたけど)最後には何故かワイ談になってしまって「イヒヒ笑い」をくり返してた某・中年男3人(僕を含む)も11時半にはシュラフにもぐり込んだ。さあ、明日は雨があがりますように!「嵐を呼ぶ男」こと僕はカヌーをちょっとだけ川から引きずり上げてから眠りについた....。

ところが...

「ゴーッ!」夜中に地鳴りのような轟音で目が覚める。腕のプロトレックのブルーのバックライトは02:20を浮かび上がらせている。噂に聞く「ネス湖の怪獣」のイビキか?いやいや、いくらなんでもイビキでテントが震えるはずがない(笑)少しづつ意識がはっきりして来るとテントを震わせているものの正体は大粒の雨だということが理解できた。恐々テントのフラップを開けて見る...「うぉ〜!!」思わず絶叫。雨の勢いが余りに強いので、玉砂利の地面に叩きつけられた雨粒が地上50cmぐらいまで撥ねて、キャンプサイトはまるで雲海のように真っ白で視界は数メートルになってる!青いシェラデザインや黄色いモンベルのテントが雲海に浮かぶ富士山のようにそのトップだけをのぞかせて、なんだか幻想的でさえある。


大雨でもタ−プの下はパラダイス?

「きれいだなあ!」初めて見る光景にちょっとうっとりしながらタバコを一服。すると雨の轟音にまぎれて聞こえてくる規則正しい轟音...「ンガァ〜・ンガァ〜」何故彼がネス湖の怪獣の名で呼ばれているのか...がちょっと理解できたような気がした(笑)
雨の勢いが少し衰えたのを見計らって水辺へ。視野の狭いヘッドランプでは確認するのが難しいけれど、夕方目印を付けておいた水際の特徴的な赤い岩が完全に水没しているのを確認。20cm程度の増水である。水面をぐるっと見回しても大増水の徴候である流木などが見えないのを確認して再び眠ることにする。一旦ホカホカ暖かいシュラフに包まれると一瞬にして眠りに落ちた。

 

 


河原に咲くテントの花

 

5月28日 豪雨の中のカヌー修行(二日目) 朝がやって来た。テントの中の僕の耳にツバメやカワセミの鳴き声がうるさいほどに聞こえてくる。「晴れてるな。」そう直感してテントの入口を開けると予想に反してまだ小雨が降っている。プロトレックの気圧計も1001hpと昨日より低いこれまでの最低値を示しているし、携帯で聞いた天気予報も相変わらず「降水確率100%、大雨洪水強風波浪濃霧雷注意報発令中」を告げている。ただ、空気は昨日よりも少し乾いた感じで間もなく天気は回復すると直感。なんだかお腹が減ったのでみんなが起きてくる前にこっそりコーヒーを煎れてフランスパンをかじる。間もなくして、あちこちでテントのジッパーの音がしてみんなが起きてくる。みんなが揃ったところでタ−プの下での朝食タイムに引き続いて、ごうちゃんの「そろそろ片付けるか!」の声と共に撤収開始だ。ここでも驚きの手際の良さ。あれだけ広げてたキャンプサイトがものの30分できれいさっぱりカヌーに収まってしまったのだ。

撤収作業中にいつの間にか上がった雨。約30〜40cmの増水で昨日よりは多少流れのスピードが増した川を5艇のカヌーはゴール地点に向けて出発。空はひときわ明るくなり、ついには太陽が顔を覗かせる。梅雨の晴れ間のように全くの無風状態の雨上がりの朝。瀬らしい瀬もなく、でも結構早い快適な流れの中、5艇のカヌーはひと固まりのポンツーンのようにつながった状態のまま文字どおりプカプカ流されていく。緑濃い岸辺に近付くと、夏の雨上がりの草むらに感じる独特のいいにおいがした。ほとんど波立つこともなく鏡のように穏やかで、でも滔々と流れる川。時折カヌーのそばに現れる巨大な鯉や飛び跳ねる鮎やウグイが波紋を作り、河原ではアオサギがぼんやりと羽を休める。川のまん中ではせわしくダイビングして漁にいそしむ川鵜たち...。夏が近いんだな...そう感じる光景である。スタートから1時間半、両岸に市街地が広がり始めるとゴール地点はもうすぐだ...。


朝のキャンプサイト


こうして家に帰って、今日の出来事を思い返してみると、実に楽しく愉快なカヌーツアーという印象だ。今年最悪の天候と最低の水位、そしていきなり泳がせてしまう訓練の中で、ともすれば辛く苦しいツアーになりがちなのだが、何故か楽しく感じられたのだ。何故なんだろう?それはひとえにメンバーの基本スキルが高かったこと、そしてごうちゃんを始めとするメンバーの遊び心なんだろうな、なんて思う。僕は今回のカナディアンカヌーツアーのみのスポット参加だけれど、子供達を対象にした野外教育プログラムの準備はまだまだ続く。これまでにない試みだけに障害は多いのだろうけど、この人達ならきっと「立派じゃないけど楽しい、そして心から自然を愛で、楽しめるアウトドアズマン」を輩出できるんじゃないかな、と思う。がんばって!!

 

Special Thanks:

Mr.NESSY,Mr.Goh,Mr.Yokosan,Miss.baroko,Mr.Arichan (from Osaka)
Mr.Shouji(from Kagawa)
Miss.Miporin(from Nagano)
Miss.Kumachan(from Tokyo)
........and Miyariver.

 

 


 

5月7日 田植え体験 Papaにとって田植えと言えば「しんどい」「面倒」「腰が痛い」という印象でしかないのだけれど、都会育ちのMamaや田舎育ちながら経験のない子供達にとってはとても新鮮でわくわくする響きのようだ。実はPapaも両親から田植えの辛さを散々聞かされて、そう思ってるだけで、実は経験がない(笑)
そんな時、いつものカントリーマン・友人Uが田植え体験の機会を設けてくれたのでGW最後の日である今日は水着着用でU家のたんぼへ。山あいの棚田のなかでも、U曰く「Maakunたちが飽きない程度の広さ」である一番小さな一枚を我が家のために開けておいてくれた。裸足になった我が家はUの婚約者Yちゃんと共にたんぼへ入る。Uのお母さんの指導のもと一直線に並んだ僕らは慣れない手つきで苗を植えていく。


Uのたんぼ。真下にはアマゴの棲む渓流が!

泥だらけのAzuとMaakun。

最後のひと植えはmaakunが

今世紀最高に旨いBBQ。これホント

Uの想像通り、Maakunは2列ほど植えたところで飽きてしまってあぜで休憩モードに入ってしまったが、Azuは何故か大喜びで「♪ラララララ〜ン♪」などと鼻歌まじりで田植えを楽しんでいる。Mamaもたんぼの触感がなんとも気持ち良いとかで、メチャメチャ張切ってる。
あぜの下を流れる渓流にはアマゴの姿が見られたり、休憩中のMaakunの真横を可愛らしい1m程度の蛇が通り過ぎたり、と普段では味わえない体験を楽しむことができた。
「ところでAzu、これは何が出来るか知ってる?」
「うん、知ってるよ。コメの木!」(笑)
田植えの後はあぜ道に一斗缶のグリルを置いてUの焼いた炭でBBQ。労働のあとのビールの旨いことと言ったら、それはもう!全てのお膳立てをしてくれたUとご家族&婚約者Yちゃんに感謝の気持ちでいっぱいなのだ。

 


6月25日現在の生育状況

高さは35cmになりました
タイコウチもいます
サワガニもいます

 

 

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