僕たちの住む三重県は本州のほぼ中央に位置し、南北に長く伸びた形が特徴的です。冬にはスキーも出来る北部の鈴鹿山脈、穏やかな砂浜や湿地が広がる伊勢湾、珊瑚が生える東紀州の海、とまるで別の国のように変化に富んだ気候がひとつの県に集まっているのは全国的に見ても他にはあまり見当たらないのは確かです。
僕はこの三重県に生まれ、小さい頃から両親に連れられて川や海に行って遊ぶことが多くて、きれいな川や海で遊ぶのが当たり前だと思っていましたが、最近になって都会の人は川や海で泳ぐなんて、あまりしないのだということが判ってきました。三重県に住んでいる僕らには、三重県の良さがあまり判らないものですが、県外に行って三重県の話をすると、多くの人から「海や川がきれいでいいですね。」と良く言われるからです。
夏休みの自由研究のテーマを決める時、僕はこの三重県の豊かな自然を題材にしようと考えましたが、ひとくちに三重県の自然と言ってもさまざまな自然があって、全部を調べることは夏休みの期間では無理なので、今年は川について研究してみることにしました。
三重県には数多くの川が流れていますが、中でも宮川は、県境を流れる長良川や熊野川を除くと三重県で一番大きな川です。僕はこの宮川へ一年に10回以上行って主にカヌーでの川下りや泳いだりして遊びます。記憶はありませんが僕が0才の時から泳いでいたそうで、今でも3月末から11月まで泳ぎますし、鮎釣りがない時期はカヌーで川下りをします。僕がカヌーで下ったことがあるのは県内では熊野川や北山川、静岡県の大井川と気田川、長野県の犀川、岐阜県の長良川、和歌山県の古座川や日置川、高知県の仁淀川など色々ですが、その中でもやはり宮川が一番好きです。そんな僕のお気に入りの宮川は国土交通省が毎年発表する一級河川の水質調査で何度も全国一位になっている日本一きれいな川なのだそうで、そんな川で遊べることがとても嬉しいし誇りに思います。でも、父から水質調査の結果が上位の川はほとんどが北海道の川だということを聞いて、どうして本州の真ん中にある宮川が今でも日本一の水質を保つことが出来ているのか不思議に思ったので、宮川について調べながら、宮川は本当に日本一の清流なのか、もしそうだとしたら宮川が日本一の清流であり続けている理由は何なのか、自分なりに考えてみることにしました。そして、もしその理由が解ったら、宮川をこれからも日本一の清流として守っていくためのヒントにもなるのではないかと思うのです。
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